真の敗者は公明党

政令指定都市である大阪市を4つの特別区に分割変更する案が問われた住民投票=実質的には大阪都構想の是非が問われた選挙の結果がでました。

5年前同様、反対派の勝利。

僅差ではあるけれど、前回より反対が増えた印象もあり、維新は完全敗北したと言えるでしょう。


んが、

実は、最大の敗者は公明党 なんですよね。


なぜかって?

ご存じのように公明党は「小党ではあるけど、選挙にはめっぽう強い党」だと認知されてきました。

自民党が政権を維持できるのも公明党のおかげ、と考える人は多く、自民党もそれはよくわかっています。


んが!

そんな自民党の中にも、公明党をうっとおしいと考える人たちがいます。

自民党が「コロナで困ってる人に 30万円を配る」と決めても、公明党が「全員に 10万円だ!」と言い出せば一日でヒックリかえされてしまう。

めっちゃ苦労して消費税を10%に上げたのに、「食料は 8%の軽減税率!」と公明党が言い出せば、内心「こいつらマジでとんでもない・・・」と思っても従わざるを得ない。

「自分たちだけで政権を維持できるようになりたい」と考える自民党関係者は少なくないし、

せめて「公明党の発言力をもうちょっと弱めたい」と考えている自民党議員、という定義なら「大半」と言っても過言じゃありません。


そしてそのことは、公明党も理解しています。

だから彼らはコトあるごとに「公明党の選挙での強さ」を強調したがるのです。

「公明党を怒らせたら選挙に勝てない」

自民党にそう思わせることこそが、公明党にとって最も重要な生存戦略だからです。


今回、公明党は「自分たちが維新につけば、自民・共産、立憲が束になっても負けることはない。俺たちなら、維新を勝たせられる!」と証明したかったんだと思います。

というのも、

国政案件で自民党と反対の立場に立つことはできません。

そんなことしたら、大事な連立関係に亀裂が入ります。

でも地方案件なら、自民党と反対の立場にたってもカドが立つことはありません。

だからこの機会を利用して、自民党に「やっぱ公明党はすごいわ」「公明党を嘗めたらアカンわ」と思わせたい。

これはその絶好のチャンスだ!


と考えたのでしょう。

つまり彼らが維新側についたのは、大阪都構想を実現させるためではなく、「自民党を震え上がらせるため」「自民党に、公明党の力を再認識させるため」だったんだろうと思います。


んが!

その目論見は泡と消えました。

今回の結果をみた自民党関係者は「公明党は自民と組んでこそ力を発揮できる政党なのだ。自民以外と組んでも大きな価値は出せない」と理解したことでしょう。

それなら、公明党に必要以上に忖度する必要はありません。

今後は、公明党があまりにややこしい政策を言い出しても、断ることができるようになるかもしれないのです。

(それってメッチャいいことやん!?)

★★★

維新は、たしかに負けました。

んが!

公明党の受けた傷はそれより遙かに深く、深刻で、致命的なものです。

今までは「公明党なしでは政権が維持できない自民党」と「選挙にめっぽう強く、自民党政権に不可欠な公明党」だったのが、

これからは「公明党なしでは政権が維持できない自民党」と「自民党にくっついていないと選挙に勝てない公明党」に変わったのです。

ご愁傷さま!


そんじゃーね