GDP500兆円の嘘

日本のGDPって500兆円弱くらいでしょうか、ちきりんはこのうち100兆円分くらいは嘘だと思ってます。嘘ってか、バブル。いつ、はじけ飛んでも不思議でない、って意味で。
なんでそう思うか。

GDPの6割は個人消費です。個人が使っている額の合計が300兆円です。ちきりんは、このうちの3分の1から4分の1は、”価値のないもの”だと思ってるわけです。

これは極めて感覚的な話です。デパートでものを買うと、不必要に包装されるでしょ。いらんよね、あんなの。それ以上にまずは店員多すぎ。特に平日の昼間なんてすごいですよ。それに売られている商品の量もすごい。どこの店も売れない洋服が溢れかえってる。あれは最終的にすべて売れているのでしょうか?

レストラン行って、食べ残すことよくありません?日本では、不要な食べ物、廃棄されている食べ物も山ほどある。自宅にある洋服のうち、半分くらいは全く着ていないという女性もたくさーんいるでしょう。死んだ時どうしよう?と思うほどため込んだお歳暮やらお中元やらおみやげやらでもらったタオル、食器、雑貨その他が、自宅の押入にあるって人もいるでしょう。

使わない問題集に英会話教材、使い切れないほどのメークアップ用品、もらい物のカレンダー。一応買ったけど、というブランドもののネクタイだのバック、スカーフ・・・こういうものはすべて個人消費として300兆円の中にカウントされているものです。


それって要らないでしょ、本当は・・・。ちきりんは、こういう無駄なものを買わなくなる日本、ってのがそのうちやってくるんじゃないかと思っているわけです。

ものがあふれる生活を豊かだと思っていた世代は、ちきりんあたりが最後じゃないかと思うから。そしたら(=みんなが無駄なものを買わなくなったら)、100兆円くらいはGDP下がるんじゃないの?って思ってるわけです。

ちなみにGDPの残りの200兆円は、企業の投資と公共投資(公共事業)ですが、企業の投資はともかく、公共投資の半分くらいは無駄に払われているお金だし、そもそも、こんな大赤字なんだから、2割や3割縮小するのは予想の範囲でしょう。ダムだの道路工事だの2,3割くらいは減るでしょ。これらもあわせて100兆円なくなって、GDPが実質400兆円くらい、というのがこの国に本当に必要な付加価値って気がします。


すると、日本がこれから経済成長するためには、この100兆円分くらいのバブル分を埋め合わせて、さらに5兆円増えて初めて1%成長が達成できるわけです。うーん、大変だ!

でも、ちきりんは実は楽観的です。日本の未来は暗いわけではない。だって、ここ数年だけで、ちきりんは“テレビが薄い”ということのために30万円、ブロードバンドのために年間5万円、CSテレビのために年間10万円、モバイル等通信費のためにも数万円払ってます。

これらは10年前には使ってなかったお金です。人によっては、その他、ビタミン剤やら花粉症の薬やら留学費用やら、実質的に増えた価値もあるはず。これから介護には相当の費用が投入されるし、より広い家や高くてもおいしい野菜に今まで以上のお金を使う人もでてくるでしょう。セキュリティグッズやサービスにも相当のお金が向かっている。もっと余暇を楽しむ世代も増えてくる。100兆円くらいはすぐに回復できると思ってます。


つまり、日本はこれから、500兆円−100兆円+100兆円+αという形で経済成長を実現していくことになると思う。(経済成長しなくちゃいけないのか?という議論はおいときます。)

これは何を意味するか?なくなる100兆円の産業に携わっている人たちは失業します。そして、あらたに100兆円+α分のもうけを得る人が現れる、ということです。これらは同じ人ではない。これを“二極化”というのかもしれない。世代交代と呼ばれるかもしれない。


小泉さんが首相になってからすでに4年だっけ?痛みが伴う云々の話、正直まだまだかと思います。痛みは100兆円分あるはずなのだから。これは年収700万円の人1500万人分の所得です。今の労働力の3分の1です。定年退職する人数だけで考えると、1500万人というのは10年分の退職者です。

と、こう計算すると結構感覚に合いませんか?あと10年過ぎれば、そしてその間に新しく社会に出てくる人が実質的に必要な仕事についていけば、日本の構造改革は達成されます。


ちきりんはこれこそ必要なことなんだと思っているわけです。

500兆円−100兆円+100兆円

これが今日のキーワード。

ではまた明日