ギリシャ旅行〜エーゲ海クルーズ〜

「なんなんだ、この湿気は!?」

これがエーゲ海から帰国しての一番の感想です。すごい湿気ですよねえ。

昔はアジアの国に旅行に行くと、飛行機を降りた瞬間に“むわっ”っと立ち上る湿気たっぷりの強烈な空気感が好きでした。

欧米への出張が増えた頃から、日本に戻った時に同じことを感じるようになりました。

“むわ、むわっ”っとした、けだるい重たい空気。アジアの空気です。日本もアジアだ!と実感できるひとときです。ちきりんは、この“アジアの空気”が大好きなのです。


が、しかし

エーゲ海は海ですが、湿気がない。まったくない。本当さわやかです。

あんなにさわやかなところで暮らしていたら、人間が軽くなっちゃうんじゃないかと思えるほど、さわやかでした。


★★★


ブログに書こうと思うようなことに多々遭遇しつつも、メモを取らないから大半忘れてしまいました。すみません。

今回の旅行は、同行者がギリシャに行きたい!と旅行先を決定、ちきりんとしては特に関心も高くなかったギリシャ。

なので全然期待してなかったのですが、「すんごい、いい国だった!」です。

嬉しい誤算。お勧めです。


ヨーロッパでは、私はイチオシくらいにいいと思いましたよ。フランスやイタリアとかより、よかとです。今後ヨーロッパ旅行を考える方にはお勧めです。


何がいーか。

ひとつは「風と光」です。

ポルトガルとか南仏、スペインの海岸線あたりの街もそうなんですが、「神の贈り物」と現地の人がいうのがよくわかる、本当に恵まれた気候です。

一年のうち8ヶ月は全く雨が無く(でも川も海もあるので水はあります)、気温は温暖、湿度が非常に低い。そこに、驚くほどさわやかな風が吹き、産業がないために海は全く汚染されずすばらしい碧色。


特にギリシャは島が多い国で(1000個以上の島、うち300以上に人が住んでいる)クルーズが旅の醍醐味なんですが、なんとも美しい。日の出、昼間、夕陽とそれぞれに異なる色合いと風が楽しめる。心からリラックスでき、開放されます。

そして食べ物が美味しい。

ここはイタリアやフランスなどの「こねくり回し系」の料理ではなく、極めて素朴。

パンも素朴ながら噛めば噛むほど味がでるし、トマトとキュウリとチーズ&オリーブのサラダ(塩こしょうとオリーブオイルのみ)の野菜に加え、タコのガーリックオイル、イカの丸焼き、エビと魚介類も安くて美味しい。


基本的にギリシャでは、「今日食べるものは、今日とれたもの」だそうで、とにかく新鮮。

その代わり、昨日買ったパンを翌日食べると全く美味しくありません。日本のパンは“数日間おいしく食べられるよう”に作られているのだとわかりました。

豚肉やチキンも、ブロイラー的ぶよぶよではなく、しっかりした歯ごたえ。調味料が塩こしょう、ビネガー、オリーブオイルだけで、基本的にボイルかBBQ(ロースト)のみの調理方法。

このシンプルさが高品質、新鮮な素材を120%引き立ててます。あーおいしい国だった!


そして人がいい。人口1100万人。

日本の10分の1ですね。産業は、農業と観光産業。のんびりおだやかな気風の人たちは、あくせくIT先進国だか常任理事国だかを目指す我が国とは全く異なり、人生を楽しむことに余念がない。

自分のこれからの生き方をまたもや再考させられる旅となりました。


クルーズもいいね!

あのスタイルは海好き日光好きのちきりんにぴったりです。

ちきりんは、バックパック予約無し一人旅から、高級パッケージ旅行まで、旅のスタイルは様々なんですが、クルーズも非常によいとわかったので、今後のチョイスの一つに加えていきたいと思いました。


★★★


ところで昨年のオリンピックはあんまり盛り上がらなかったそうです。

「期待していたほどは人が来なかった。ホテルも半分くらい空いていたよ。アメリカとイギリスが、「ギリシャはテロ対策が万全でない」という宣伝をして自国民にオリンピックに行くなと呼びかけたからなんだ」と数人の人が言っていました。


オリンピックのために作られた最新型トラム(モノレールみたいなやつ)や新競技場は、「欧州からお金を借りて作ったものの今や誰も使わない。これから借金を返していくのが大変」とのこと。

うーん、どこも同じやなあ。


それに実際、ちきりんの旅行中にゼネスト一回、銀行のシステム障害一回と、いろいろ大変そうでした。

(ATMのシステム障害は、数年前なら「日本ではありえないな〜」とか言っていたかもしれません・・・謙虚さが大事ね・・・)

経済はまあ停滞もしてないけど、成長もしていない、というところのようです。上に「魚介類が安くて美味しい」と書きましたが、魚介類はギリシャでも高級品。一般的には、チキンかポークを食べてるようです。


貧富の差は大きいみたい。

ちなみに海運王オナシス家はギリシャの家ですが、今は20代の女性一人だけがファミリーで残っているとのこと。

「彼女は世界一金持ちの女性だよ。でもアルゼンチン人と結婚するという話になっている。彼女の父親が彼女をちゃんと長くギリシャに住まわせなかったから、そんなことになっちゃうんだ!」とタクシーの運転手さんが怒ってました。

あと、ユーロに加入したのは3年前。混乱したそうですが、今はすっかり定着しています。


おしゃれな国でもあります。

様々なアートのお店がたくさんある。国中、そして一年中リゾートの国なので、そんな堅い服はないのですが、サマードレス的な洋服はどれもとっても色彩がきれい。

為替のせいで(ユーロが高い)安くはないですが、最初に陸で買い物してからクルーズするといいかもしれません。


★★★


言葉はギリシャ語ですが、小国かつ観光立国なんで英語が非常によく通じます。

ところで、βとかφ、Δ、Σ、πなどは、ギリシャ語のアルファベットに含まれている文字です。

これすごいおもしろいな、と思いました。これらの記号は、彼らにしてみると「あいうえお」です。でも、数学では、世界中でこれらの記号が使われているわけですよね。

それって不思議な感じです。もし、日本語のあいうえおとして考えると、「C=2πr」(半径rの円の円周長をCとする)は「C=2あr」とかに見えるわけです。

世界のどこに言っても、皆が「あ」と書いている。すごい不思議な感じだろうな、と思うのは、ちきりんだけ?


「How accurate do you remember "あ"?」
「Oh! let'me try! あ is 3.14159265358979323846264338327 ...」というような会話になっているわけです。
おもしれ〜  

おもしろくないっすかね?


というわけで、とりあえず帰国報告。いろいろややこしいことも多い旅で、のんきに楽しんでる場合でもないのですが、でも、いい旅でありいい休暇でありました。


皆さんへのメッセージ
・ギリシャはいいよ。ヨーロッパの中ではイチオシ!
・クルーズもとっても楽しい!それに実はたいして高くないですよ。
・楽しく生きよう。それがすべて!


ではまた明日〜