あの服はどこへ行く

以前から「どーなってんだろ?」と思っていることの一つが、日本のお店にあふれる商品の多さ。まーホント、どこに行っても商品があふれてますよね。

店も多いし、一つの店にある商品も多い。“あきらかに”国全体として必要な量より多いモノがこの国にはあると思う。“ちょっと多い、という程度ではない。必要な量の10倍以上くらいは存在している気がする。

そういった「最終的に不要なもの」はいったいどこに行ってしまうのか?がすごく気になる。

ひとつわかっているのは食物です。これは、多すぎると焼いたりしています(農家や農協が焼却している)。家庭でも腐って捨てたりするし、レストランでは残飯になる。最終的にはどちらも焼却されます。したがって、「必要量以上の食物」は基本的に「焼却」され「灰」になってます。これはよくわかる。

それ以外のものは?


高付加価値の高いモノは、そもそも「作りすぎないように」かなり気を付けられている。車とか家とか。作りすぎると、それを抱えた企業が大変。だからパソコンなどでも、何がどれくらい売れているか毎日チェックしながら、工場を稼働させる。在庫管理はメーカーの要諦になっています。

反対にいうと、こういうものの「作られすぎ」はそんなに大規模には起こらない。マンションを造りすぎて売れないと会社潰れます。だから、それ以上に作りすぎる、ってことが難しい。

一番「必要量」を超えて存在しているモノは、したがって、食べ物とこれらの高付加価値品の間にある中間的なモノ、だと思う。その代表例が「服」です。


服って・・・多すぎると思いません??

そもそも、既に自宅に「着もしないモノも含め、服多すぎ」という個人はたくさんいる。にもかかわらず、店にも服があふれている。高級ブティックからデパート、そして地元の商店街にスーパーの衣服売り場。通販のカタログにネット販売も。

あの服って、スーパーの衣服売り場に並んでいる大量のあの洋服って、最終的に「誰かが買っている」と思います?

とても思えない量ですよね。

じゃあいったいどうなっているのか????


よく言われる話では・・超高級ブランドの服は「焼かれる」と言われています。変に安売りをしてブランドイメージを壊すくらいなら焼いてしまった方がいい。その分のコストも含めて値付けがされている。30万円のイタリア製のスーツの値段のうち10万円は、売れずに焼かれていくスーツのコストです。

それを「もったいない」とか言ってバーゲンを始めると、値崩れが始まるし、ブランドイメージが悪化する。悪循環に入ります。この辺、微妙なセンスが求められる。ファミリーセールとかいう“誰でも入れる”セールで10分のイチとかで売られている高級ブランド服は沢山あるが、それをしながら“トップ・ブランド”で居続けられたブランドは皆無でしょう。規律が問われる。


もっと安い服。ブランドもないような服は、最終的にどうなっていくのか??
ずうっと店に置いておく?そんなことしてません。つーか、そういうことしていた服屋さんはだいたい潰れます。これも悪循環。

全く人気のない服が延々と売り場を占領しているわけですから、ますます売れなくなる。誰も来なくなる。ダイエーの衣料品売り場なんてそうなってましたよね。

だからといって、売れない服をどこに持って行くのか?ご存じの通り、保管倉庫だって安くはない。雨ざらしにするわけにいかないし、この土地の高い日本で売れない服を延々保存しておくことはできない。

昔は日本で売れなかった服は、アジアに流れて格安に売られていたと思います。ところが、最近アジアも「それなり」のモノを求め始めていて、今や「日本で売れ残った服を中国で売る」ってのはとても難しい。

せいぜい「上海で売れ残った服を中国の郊外で売る」くらいしかできない。日本から運送費かけて運んでいては持たないです。

ちなみにアフリカなんかには持って行けません。遠すぎてコストがかかるし、常夏の国に持って行けるものは限られる。価格もあわない。唯一アジアは(今までは)日本のモノの「売れ残り市場」として機能していた。それも今や消滅しつつあるわけです。

じゃーどうしているのか?

実は焼却処分も結構なコストがかかります。家庭ゴミと違って産業ゴミは基本的に有料です。手間暇もバカにならない。といってタダで配ったり年中セールをすると、それこそ、他の服が正価では全く売れなくなる。



どーすりゃいいのさ!!!?

そして

どーしているのさ???!


知りません。


たまーに被災地とかに「売れ残ったセーター○万枚」とか寄付されていると思うけど。そんなもんで捌ける量じゃない量が余ってます。服って・・・

まあたぶん、ある程度は焼いているでしょうね。ある程度はバーゲンで捌く。スーパーで売れなかった服が、田舎の「服屋さん」に流れている部分も一部あるでしょう。

でも、それにしてもすごい量です。あの世の中にあふれる服の末路を知りたい。気になる。知りたい。気になっちゃって気になっちゃって夜も眠れない。

嘘です。ぐっすり寝てます。


ではまた明日!