南北の窓

最近、スカパー!の基本パックにKBS Worldという番組が追加されてて、よく見るんですけどね、これがなかなか「味わい深い」番組をやってます。KBSってのは、韓国のNHKです。でもCMはあります。番組の途中にはないけど、番組と番組の間ならCMはいれてもいいみたいです。

最近、NHKも海外向けチャンネルを充実すべきっていう議論がでてるでしょ。あれ、ちきりん賛成です。日本もちゃんと「発信」の努力をすべきだと思うです。

★★★

ニュース放送なんかは時差無し地域だから、そのまま同じモノを流しているみたいです。(時差1時間あるんだっけ?)。このニュースは字幕が入らないので(生だから・・)ちょっと難しいです。ドラマやドキュメンタリーなどはすべて日本語の字幕が入ってます。のど自慢とか朝のドラマとか・・・まさにNHKです。(視聴料金制度がどうなっているのか、知らんです。)


んで、このKBS Worldで、ちきりんが一番気に入っているのが「南北の窓」という30分番組です。べたな番組名でしょ〜。


南北の窓、だよ、。南北のね。

★★★

だいたい想像されている通りの内容だと思います。女性と男性の一組のアナウンサーが、北朝鮮絡みのニュースをいくつか紹介していきます。その「トーン」が非常におもしろい、です。


先週の番組では、たとえば、北朝鮮からの脱北者の人が貧しくて、歯が痛くても治療ができないと。んで、それを助けてあげてるボランティアの歯医者さんを特集したりしてます。韓国では歯の治療には保険がききません。(これはとても合理的で、日本もそうすればいいのです。保険がきかなければ親は子供に必死で歯磨きをさせます。でも、それでは「虫歯で苦しむ人が減ってしまって」「歯医者さんは困る」ので、日本歯科医師学会が橋本派に多額の献金をするのです。・・・おっと話ずれすぎ。)

話戻します。


顔をモザイクで隠された脱北者の女性が、「もう、この先生がいなければ私は生きていけませんでした」と涙ぐむ。歯の治療だけでなく、子供のこととか、生活のこととか、いろいろ相談にのってもらっているとのこと。ふううん。

みたいなニュースを5,6本、30分間の間に流してます。

★★★

あと、「北朝鮮では食糧不足の足しにしようと、子供達がナマズを育てることに挑戦しています」とか、「○月○日には、故金日成総書記の“宣伝”映画がテレビで流されました。」とか。


食糧不足であることとか、“宣伝”映画であることとか、その辺はもちろん「客観的」です。でも、なんつーか、不必要に非難的だったりはしないわけです。たとえば、日本のニュースが、日本のとある地域の水害の様子を伝えるのと同じような感じです。たんたんと報道するんです。しゃべり方もあの北朝鮮ニュースの「演説調」とは全く違いますが、同時に韓国の普通のニュースの「報道系」でもないんだよね。一番近いのは、小学校や中学校で教材として見せられるビデオ。ああいう「無色透明な」「淡々とした」トーンでの報道です。

「ミサイル発射で世界の批判が強まっており、南北○級会談が延期されました。」「あ〜そーですか〜、がんばってほしいですね〜」みたいな感じ。なんつーか、不思議で目が離せない感じのニュースです、はい。

★★★


なんだけど・・・やっぱり何らか情報を得れば人間というのは親近感を感じるわけで、全然関係ないちきりんでさえ「ああ、早く南北統一できたらな〜」とか思っちゃったりします。「ああ、脱北者の人嬉し〜だろ〜な〜、こんな歯医者さんがいたらね〜」とか。


なんつーか、微妙に良い人になれる気分。不思議な番組です、スカパー!ご覧の方、一度見てみてください。「ちきりんが好きなテンポ」がどーゆーものか、わかって頂けるかなと思います。あっ、でも、んなもんどーでもいーですかね、いやかなりの確率で「どーでもいい」と思いますけど。でも「微妙に」「楽しい」番組です、はい。





ではまた明日