この方向は正しいのか?

おとついの話の続きなんだけど「次の世代になった時、雅子さまは皇后として活動できるのか?」ってこな?

だんだん回復してきて私的外出はある程度できるようになり、日帰り公務も一部できるようになりました、と。

だけど、この延長線上に宮中儀式を含めた公務をすべてこなす生活がほんとに来るんだろうか?

そもそも“鬱病が治る”という概念は、「もとの生活ができるようになる」ということではないよね。

ある人がある環境の元で暮らしていて鬱病になり、生活する気力を失ってしまいました、と。治るというのは「失った“生活する気力”を取り戻すこと」であって、「病の原因となった厳しい生活に戻っても全く問題なく生活できるような強靱な精神力を“新たに”体得する」ということではない。

人にはそれぞれ自分が耐えられる範囲が決まっている。プレッシャーにしても花粉にしてもね。

その限度を超えたら病気になる。病気がなおったら、そういう自分の苦手なものとは縁のない生活を選んで暮らすというのが基本。

だって、ほんとは皆(特に医者は)わかっているよね・・・


しかも皇太子妃と皇后はかなり違う。

去年だっけ、終戦記念日に皇太子一家が自宅で子供会を開いて批判をあびたでしょ。確かに一瞬これを聞いた時は「ありえなくない?」って思いました。呼ばれた方の子供の親御さんも困っただろうな、と。

だけど皇室の人の当日の予定をみていると、秋篠宮だって娘と一緒に外国訪問してる。一方で天皇と皇后は慰霊祭に出てる。

それをみて、ああやっぱ「終戦の日」だって天皇と皇后だけが背負うんだな、皇族全部じゃなくて、って思いました。


しかも、新天皇の即位ということになったら、そのための儀式の多さはすさまじい。いちいち体清めて髪を固めてとか必要だし。

つまり鬱病がなおっても、皇后になれば今までよりも更に大変な規範と伝統の中で一生をすごすことを余儀なくされるわけで、雅子様が(回復したからって)そんな生活ができるようになるのかな??

繰り返すけど、鬱病が治るというのは、“前より強靱な人間に生まれ変わる”という意味ではないんだから。

★★★


じゃあ、「雅子様は皇后になっても宮中儀式も公務しなくていいです」って言われたら彼女は気が楽なのかといえば、そうでもないでしょ。

「自分がやらなくちゃいけないことができない」そのことへの自責の気持ちが人一倍強いからこそ心の病気になっているわけで、「しゃーないでしょ」と思える性格だったらこうはなってない。

つまり、皇后になりまっせ、ということになったら、もうそれだけで(誰かがとりたてて何か意地悪なことを言わなくても、)また病気が悪化すると思う。

しかも皇后になったら今みたいに3人でスキーだ、ディズニーランドだ、っていう精神療法を続けるのは多分とても難しくなる。

今は他の人が公務を代わってくれているから雅子様とその家族は療法、療養に優先的に時間が使えるけれど、天皇・皇后ともなれば、多くの公務は他の皇族には頼めないものになる。

(戦没者慰霊祭を秋篠宮夫妻に頼んで、自分たちは子供会というわけにはいかないでしょ?)その上、私的なお出かけも含め、警備の厳しさも今とは較べモノにならない。


このままいくと、本人も皇太子も周りの皇族も国民も宮内庁も医師団も、誰もハッピーとは思えない結論になりそうで怖い。

雅子様は皇后としての公務ができずに自分を責めて引きこもり、今の皇太子は天皇としての激務をこなしつつ、宮内庁や国民と家族の狭間で苦悩し、

愛子様は不安の中に育ち、他の宮様には代理業務が押しつけられ、国民はなんのための皇室ぞと不満に感じ、宮内庁は責められ、医師団は無能とそしられる。

いまの方向、つまり「そのうち昌子様の病が治って、公務が全部できるようになる」という前提で進むのは、悲惨な将来への道以外のなにものでもない、と思うのは、ちきりんの杞憂?

他の人には「あと5年もすれば雅子様もすっかり回復され、皇后になられた暁には自信を取り戻し、すべての公務をこなし、有意義で楽しく人生を送っておられることでしょう。めでたしめでたし。」という姿が目に浮かぶんでしょうか?

そういう可能性が一定以上あると思ってる???

ちょっとちきりん的には信じがたいのだけど。


★★★


超大胆な予測をすると、

万が一、皇后になられたあとの雅子様が、それが理由でふたたび心身を弱められたら、天皇(今の皇太子様)が天皇という職責より、雅子・愛子様の夫であり父であるという立場を、より大事にされるという可能性もあるのでは?

次の天皇は弟の秋篠宮家だし、そこには皇太子となるべき男児もいるしね。


ありえない想像?

いやいや将来どうなるかは、誰にもわからないでごじゃるのよ。



んじゃね。


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