体力ないなあ〜

こっちに来てから初めての休日の大半を、熱にうなされベッドの上ですごしたちきりんです。あ〜疲れた〜。まだ結構、熱は残ってる。ムカムカふらふらするし。つらいなあ。食べ物もひどいし。



いつだったか、これからの時代、実力に加えて「プレッシャー耐性」が必要だと書きました*1。先日までの大統領選挙を見ていてもうひとつ感じたのは、非常に高い「エネルギーレベル」(=体力と気力)もこれから活躍する人には必須だよな〜ということ。

マケイン氏、72才ですよ。信じられます??
72才であの選挙運動。一日7つの州を飛行機で回ってシャウトしながら遊説。

ちきりんなんて今でも無理だわ。倒れちゃうと思う。



やっぱ一国のリーダー。有事の際には不眠不休で指揮をとらないといけないわけで、一定の体力がない人は(選挙期間中に)脱落するように作られている。それなりのシステムだよね、と思います。

日本なんてちょっと地方遊説が重なったらのどを痛めて入院、みたいな人がトップを狙ってますからね。全然ちゃうよな〜と思います。

もしも戦争になったら軍備とか資源とかで圧倒的に勝っていても、リーダーの体力ひとつで負けそうだよね、日本って。って思います。



よく「これからは体力が大事」という時、「体力」と「知力」を“対”にして、つまり相反するふたつの能力として位置づける人がいるけど、ちきりんはそれは違うよね、と思っています。

今や「知力の前提は体力」だと思う。体力のない人が他人より深く深く考えたり、より意味ある結果にたどり着くのはもう無理じゃないかな。「考える体力」がないと「考える能力」だけあってもどーしようもない、って時代になってると思う。

だってさ、まずは舞台が広くなっているでしょう。交通機関が発達してない頃は“江戸市中”だけで勝負してればよかった。でも、新幹線と飛行機で“日本国中を飛び回って”という仕事の仕方が生まれ、今や“世界を飛び回って”働く人も少なくない。

「毎月一度はシリコンバレーから日本に帰ってきて」とかいう仕事の仕方って、体力のある人にはなんのこともないのでしょうが、実はすんごく疲れることです。しかもそれを数年やるだけならともかく、30代から20年ずっとそうしてます、みたいなのって、もう能力とか先見性とか行動力とかの話じゃなくて、純粋に「体力勝負」みたいになってると思います。

長距離移動に耐えられるだけでなく、時差もあるし、環境の違いも大きい。どこでも寝られて何でもおいしく食べられる、世界のどこでも体力を日々リカバーできる。そういう人でないとこれからは“何かを成し遂げる”のは無理かもね、って思います。



そして、マケイン氏を見ていてもわかるわけですが、こういう体力が必ずしも年齢に相関しないってのが事実なわけで、これが後天的なモノなのか先天的なものなのかわかりませんが、ちきりんなんてのは、たぶん先天的にあんまり体力がありません。っていうか、数で言えばあんな異常なエネルギーレベルがある人ってのは極めて限られているし、そこまでいかなくても世の中で一定レベル認められる人が持つエネルギーレベルってのは、普通の人にはないレベルのものだと思います。

そして、自分がそういうエネルギーレベルをもっている、と思わないのであれば、早めに仕事以外のこと、たとえば趣味なり家族なり友人との遊びなりに軸足を動かした方がいいかもね、とも思います。仕事の選び方もしかり、ですが。


ところで、自分に能力があるかどうか、というのはなかなかわかりにくいでしょ。なんだかんだ言っても皆「あると信じたい」から判断が難しい。だけど自分には高い体力・気力(エネルギーレベル)があるか?ってのは比較的客観的に判断できるんじゃないかしら。

そして「ああ、そうでもないかも」と思うなら、早めに軌道修正するってのが悪くない気がするですよ。(反対にこれまで「俺って能力系では負けてきたよな〜」とか思う人でも、体力に自信があるなら結構可能性あるんじゃないかな。)

だいたい休日をだらだらウロウロ過ごすのが好きな人にエネルギーレベルの高い人はいないと思う。“おうちご飯”が好きな人に何かが成し遂げられたりはしないよね、と思います。



So what ?


いや別に。


じゃね。




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*1:「実力」×「プレッシャー耐性」:http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20080810