ギメ美術館(パリ)

先日パリで2時間ほど時間があいたので、ホテルの近くにあったギメ美術館に行ってきました。*1 たっぷり2時間楽しめる非常に充実した展示でした。

展示はアジアから中東にかけての古代から近代ちょい前までの美術品。コリア、中国、カンボジア、ベトナム、ネパール、チベットなどの仏像、レリーフ、美術工芸品等。日本もあります。

展示品はルーブル美術館みたいに多すぎることもなく、東京にやってくる貧相でバカ高い特別展ほどには少なすぎず、休日の一部を使ってアートを堪能するのに過不足なく、堪能いたしました。



カンボジアの仏像やレリーフはいかにも盗掘され密輸されたものであり、「なんでこれがここに感」というのはいつものとおり感じます。そしてまた「いやいやここにあることの意義もある」と感じさせるほどの展示方法のすばらしさであったのも欧米の美術館を訪れた時に感じるいつものことです。(下記の過去エントリをご参照ください。)


(展示方法ではなく)展示品のすばらしさといえば、奈良とか(ギメ美術館なんて足下にも及ばないくらい)実はすごいと思うのですが、余りに見せ方が下手で驚きます。それは見せている人達が美術館でも美術家でもなく、寺であり宗教家でありお坊さんだからです。彼らにとって仏像や仏具は見せるものではなく、祈るものであり、その道具です。どう観せるか、なんて考えたこともないでしょう。

それは当然であり、もったいなくもあり、なるほどでもあります。


でも一度くらい奈良にある仏像とか工芸品とか世界に見せた方がいいんじゃないの?と思います。ほんとにすばらしいものがありますからねえ・・ああいうのを一流のプロの見せ方で見せたら。そしたら世界で最低でも7億人くらいが「奈良、すげえ!」って驚くと思うんだけどね。もったいないね。

ただし泥棒も増えるので今みたいな適当な保管方法ではもたなくなりますけど。価値がでればルパンも現れるだすよ。




ギメ美術館、地下のレストランがベトナム料理のレストランで、美術館の中としては珍しいですが。モダンスタイルでおいしかったです。



★★★

写真は本文とは関係ありません。パリの雰囲気をご堪能ください。
ついでに過去の美術館関連のエントリもピックアップ。たまには社会派を忘れて芸術派ってことで。



時間と空間のジグソーパズル
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20060525


世界の美術館の違い
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20061101


モダンアートも見てればわかる
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20070317



ロマノフ至宝:エルミタージュ美術館
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20070908


続)メトロポリタン美術館
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20061102





ばい。


*1:ギメ美術館のホームページ:http://www.guimet.fr/