違和感のあった広告記事ふたつ

5月29日の日本経済新聞に一面&見開き2面をつかった広告記事がふたつあった。広告不況、特に新聞はひどいので、広告掲載料はかなり下がっているとは思いますが、それにしても今時、そんな予算使うのって誰?というと、消費者金融業界と森ビルさんでした。

どっちの広告も直感的な違和感を感じる内容だったので、自分用のメモを兼ねて書いておくです。


「日本経済にノンバンクは不可欠」という広告記事。

ご存じのように、消費者金融に関しては、多重債務問題、そして直接間接的に多くの自殺、刑事犯罪の原因となっていること*1が大きな問題になった。そしてこれらの抑止のために、二重金利の解消、総量規制などの「貸しすぎない」ための施策が法律で決められた。しかし、これにたいする消費者金融業界の反発は非常に大きい。

この広告記事の中で、慶應義塾大学法学部教授、弁護士の小林節氏と、政策研究大学院大学の教授福井秀夫氏が、ほぼ同様の主張をされている。

おふたりとも貸し金業界への金利規制、総量規制に反対の立場である。そして多重債務問題に関してこのふたりの学者が提案する解決方法は、業界規制ではなく下記だという。

多重債務問題にしても、究極の解決策として、破産制度がある。あるいは国の福祉(生活保護)に頼ればいいことだ。(小林氏)


本来、多重債務者対策が目的であれば、自己破産と生活保護で解決できたはずだ。(福井氏)

とのこと。


「多重債務問題」が、「自己破産」と「生活保護」で「解決」できるとお二人とも口を揃えてらっしゃる。業界からいくら講演料や研究費をもらってらっしゃるのかしりませんけど、一回「解決」の意味を辞書でひいたほうがいい。

勘弁して。


★★★


もうひとつは 両面をつかった森ビルの広告  20&21面

「空に希望を。地上に緑を。地下に喜びを。」というキャッチと共に全面にイラストが描かれている。

地球の地下に道路、電車、美術館や音響設備などの窓の要らない施設、大型小売店などの店舗、倉庫などをすべて移し、地上には空に伸びる高層ビルのみ。で、道路を含む交通施設や低層住宅が地表から無くなるので、地表が余っており、そこが公園とか畑になっているというイラスト。

これにより都会でも「職住接近」が可能になり、「縦方向での空間利用による都会と自然の融合」を実現すべき、というのは森さんが何十年も前から一貫して主張されている都市計画の根本思想だ。彼はこれしか言わないし、実際そういうのばっかり開発してる。そして今時こんな「自分の思想を紹介する」広告まで出している。


いいんだけどね。


彼が考える「自然」とか「都会の癒し」という概念が、ちきりんはやっぱり違うと思ってる。ちきりんは52階とかに住むことを「自然」とは感じられないよ。



そんじゃーね

*1:多重債務で困った人が強盗や振り込み詐欺などの犯罪に荷担する、という意味で。