明るい未来に向けて!

新年おめでとうございます!
2011年が始まりますねー。


バブル崩壊の1990年から1999年は“失われた10年”と呼ばれました。実際には、2000年から2009年も“失われたまま”過ぎてしまったと感じる人は多いでしょう。合わせて日本は“失われた20年”を経験してきたといえます。

でも今年以降の見通しについて、ちきりんはかなり楽観的です。次の10年はバラ色とまではいいませんが、基本的には明るい方向に進み始めそうと感じています。



<政治>
日本の有権者は一昨年、2009年の9月に、1955年以来50年以上第一党であった自民党を“野党”に転落させました。代わって与党となった民主党の体たらくに失望している人も多いでしょうが、だからといって「自民党の時代を終わらせた」意義を過小評価する必要はありません。あの自民党の時代を終わらせられたのだから、民主党政権を終わらせるのなんて簡単なことです。

それより、ここ数年あちこちで若い市長や女性市長が生まれ、大阪や名古屋では強力なリーダーシップを発揮する首長が登場しました。二世でもなく、ゼネコン票に支えられることがなくても、一地域のリーダーとなれる人が増えており、有権者はここでも自身の選択を示すことができています。

「ひとり一票の実現」に関してもようやく違憲判決が出始めました。私達は「有権者が政治を変えられる」ことを体験、実証しつつあります。このことをもっと前向きに評価し自信をもちましょう。



<経済>
日本の状態は先進国の中でみればそんなに悪くはありません。欧州では、消費税が20%近いにも関わらず財政破綻が懸念される国も多く、唯一好景気のドイツも「欧州最後の財布」という立場からもう逃げられません。

アメリカもバブリーなウエブサービス企業を除けば経済・雇用状態は決してよくはないし、アフガニスタン、イラク、パキスタンに北朝鮮問題まで抱えて、次の10年間、彼らは戦争&テロと縁が切れないでしょう。

発展途上国の経済成長余力は高いですが、先進国はどこも似たり寄ったりで、日本だけがとりたてて悪いわけではありません。それより、日本で起こりつつある様々な動きにもっと注目すべきです。

モバイルゲーム業界では、やや過熱気味ながら非常に若い企業が大きな市場を作り上げました。EC(イーコマース)市場も本格的に立ち上がり、アパレル分野で世界を目指す企業もでてきました。

電気自動車は新しいフェーズに入ったし、元電電公社で“王者ポジション”にあったドコモが、(ソニーでもシャープでもパナソニックでもなく)サムソンと組んで新スマートフォンを出したことに“今までとは違う経営判断”を感じるのはちきりんだけではないでしょう。多くの消費財メーカーが本格的に“世界のマス市場”に出る覚悟を固めたのも昨年後半からです。

ニコニコ動画やBLOGOSなどは本気で次世代のメディアになることを目指しているように見えるし、60代にも40代にも20代にも起業家精神に溢れる経営者が活躍しています。日本は着実に変わりつつあり、その未来は決して暗くありません。



<破壊と創造>
新しいものを作り出すには古いものを一掃する必要があります。でも日本は急激な変化が嫌いだし、既得権益層は徹底的に変化に抵抗しており、古いもの、役割の終わったものもなかなか壊せません。過去に日本が生まれ変わるきっかけとなった黒船や原爆(戦争)はすべて外圧で、この国は自分では変われない国でした。

ところがここにきて“民主党”という内製の爆弾が日本を破壊してくれそうな勢いです。政権をとったとたんに借金を増やし、農家の所得保障など全く次世代の成長につながらない分野にコミットする民主党は、日本が財政破綻するまでの年数を半分くらいに縮めてくれることでしょう。

野放図な予算、安直な税制改正に加え、来年は「農業のためにTPPへの参加を見送る」など、より抜本的にこの国を破壊する決断をしてくれるかもしれません。そうなれば、ようやく日本は再生への道を歩み始めることができます。すんばらしいではありませんか。



<社会>
これだけ不況だデフレだと言われても、相変わらず日本の治安の良さは世界トップクラスです。その他でも、街の清潔さ、人の親切さ、サービスレベルの高さなども群を抜いています。

銀座も秋葉原も渋谷も新宿も、それぞれにきらびやかなネオンや装飾に彩られ、買い物や娯楽を楽しむ客で年中溢れています。シェアハウスやLCCが広がり、若者が安く都会や海外生活を楽しめるインフラも作られはじめました。若年失業率は高止まっていますが、同時にこれまでの常識に縛られずに生きる若者達も増えてきました。

新聞やテレビはやたらと暗いニュースばかり流していますが、そんなの気にする必要はありません。お年寄りというのは「暗い暗い暗い今の日本」を誹り合い、「昔(=自分達が若い頃)はよかった」と仲間内で頷きあうのがなによりの楽しみなのです。




というわけで、未来は明るい!
今年も気楽に楽しくすごしましょう。


本年も引き続き、“おちゃらけ社会派ちきりん”をどうぞよろしくお願いいたします。


そんじゃーねー。