パンが無いならケーキを喰え的 立候補の勧め

先日、「地方議員って存在価値あるわけ?」というエントリを書きました。その後、こんな本が出てるのを見つけました。

読んでみて、なるほど合理的だよねと思いました。先日のエントリでも触れたけど、小さな行政区の議員だとホントに少ない票数で当選できる場合があります。

だったら若い人だって、この就職難のご時世、就職先のひとつとして地方議員を目指してみるというのはひとつの選択肢だと思いました。

1.21人に1人が当選! “20代、コネなし”が市議会議員になる方法

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(キンドルあります!)


就職活動をするのと地方議員の選挙に出るのを比べながら考えてみると、

・25歳以上の日本国民なら立候補できる


・選挙は金がかかるというけど、自転車でまわれるような小さな行政区なら実はそんなにお金をかけなくても当選できる可能性がある(詳しくは本を読んでね)。


・「就活はリクナビがあるけど、選挙なんてノウハウが分からない・・・」という人のためにこういう本がでているわけです。なるほどこうやって選挙活動(略して“選活”)するのね、って感じです。


・議員は究極の好待遇職業。一度みんな自分の街の市議会議員などの報酬と活動費の額を調べてみてください。本にも書いてあるけど、議員の報酬は一年目も60歳の時も同じです。つまり初年度から年収1000万円も夢じゃない。20代で議員になるのは非常にお得。民間企業なんてメじゃないです。


・「選挙はそんな甘くない。大変なんだぞ」と思うでしょ。そりゃあそうです。だから、ちきりんだってバブル期ならこんなことは勧めない。

でも今やどうせ就活も大変じゃん? 同じ大変さなら、選挙も選択肢にいれてみたらいいじゃん、というのが、こういう本が最近相次いで出版されてる理由だと思う。


「オレは就活が相当大変そうだ」と思う人は、一度、自分に縁のある地域の議員選挙の「最下位当選者の得票数」を調べてみればいい。その票を取るのと就職活動に勝利する(!?)のとどっちが楽そうか考えればいいってことです。


・若いということが売りになる、というのもあるよね。就活してると、ライバルは全員若い。若い人の中から企業は「デキル人」だけを採用しようとしてる。

でも地方議員なら場所を選べばライバルは高齢者ばっかりだよ。でもその地区にだって若い有権者は一定数いる。議員になるための最低得票数はたいして多くないんだから、若い人の立候補が少ない地域なら「若い人の投票率を上げる」ことができれば当選できる。


・「ダメダメ人生」さえ売りにできる。大学時代に無為に過ごしてしまったとか、就職できなくてバイトや非正規で働いて大変な思いをしたとか、そういう経験が「だから社会を変えたいんです!!」という立候補理由になるし、有権者に共感を呼ぶ。就活に勝てる人と選挙に勝てる人は、同じじゃない。


・ダメだった場合のメリットもある。就活で100社受けて落ちたら、絶望したくなるでしょ。「オレは社会に求められてない・・・」と思うじゃん。しかも「100社落ちて就職浪人」した人を、企業は翌年に「採用したい」とはなかなか思わない。「落ちた」ことが全く活きない。

でも選挙は違う。準備も含めて一年やってみて、たとえ落選しても多分「絶望的」な気分にはならないと思う。それなりに学びがあり、それなりに自分の成長が実感できるはず。

しかも、その経験をひっさげて就活市場に乗り込むのもアリだよね。自己PRとか志望動機とかサラサラ書けちゃうと思う。

気分的にも、必死で活動した選挙に落ちるのは、就職活動で100社から落ちるより、相当マシだと思うよ。


というわけで、「パンが無いならケーキを喰え」的な立候補の勧めなわけだけど、ここでのポイントはパンを手に入れるために必要な能力とケーキを手に入れるために必要な能力は違ってるってこと。

就活に競争力のある人と地方の選挙に強い人は違うんだよね。だからパンが手に入らない人にも、もしかしたらケーキは手に入るかもしれない。


だったら100社も落ちる前に、ケーキを狙ってみたらどうよ?
と煽ってみる。



あら〜、あたしったら相変わらず無責任!



そんじゃーねー!


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