職業を創るという偉業

兵庫県の灘にある兵庫県立美術館で開催中の「レジェンド・オブ・メカデザイン 超大河原邦男展」に行ってきました。

かなーり、感動したよ。




大河原邦男さんは、1970年代から今に至るまで日本のテレビアニメの主要カテゴリーである「ロボットアニメ」で活躍された“メカデザイナー”です。


どんなロボットのメカデザインを担当したんだって?

オフィシャルサイトから抜粋するとこんな感じ↓ (抜粋ですよ。全部じゃなくて)、

1970年代
科学忍者隊ガッチャマン
ゴワッパー5ゴーダム
タイムボカンシリーズ ヤッターマン、ゼンダマン
無敵鋼人 ダイターン3
機動戦士ガンダム
ザ☆ウルトラマン


1980年代
無敵ロボ トライダーG7
タイムボカンシリーズ タイムパトロール隊オタスケマン、ヤットデタマン、逆転イッパツマン
とんでも戦士ムテキング
最強ロボダイオージャ
ドラえもん・のび太の宇宙開拓史
未来警察ウラシマン
銀河漂流バイファム
機甲界ガリアン
機甲創世記ドラグナー


1990年代
からくり剣豪伝ムサシロード
機動戦士ガンダムF91、機動舞闘伝Gガンダム、機動戦士Vガンダム、新機動戦記ガンダムW、第08MS小隊、X
疾風!アイアンリーガー
勇者警察ジェイデッカー
黄金勇者ゴルドラン
勇者ガオガイガー


2000年代
機動戦士ガンダムSEED & SEED DESTINY
ヤッターマン


すごー!!


どの年代の人もひとつくらい見たことあるのでは?

ちきりんもヤッターマンシリーズのおもしろロボットが大好きでした。「そーか、あーゆーのを考えていた人なのねー」って感じで今回の展示を見始め、あらためてその素晴らしさに感動しました。

展示してあるのは、大河原氏直筆のメカの設定資料ということで、鉛筆書きの設計図からカラーのイラスト原画までいろいろ。ロボットが合体するときの仕組みや、変体(ロボットから乗り物になったり)の動きなどが細かく書き込まれています。


ちきりんはロボットメカに詳しいわけでもないし、大河原さんのことも今回初めてきちんと知ったようなものなんですが、それでも観ていて「すげー!!」って感じでした。

もとからのメカファンの人にはすばらしい展覧会なんじゃないかな。ショップでは「展覧会限定ロボット」とか申し込んでる人もいましたよ。数万円とかで・・


大河原邦男(おおかわら・くにお 1947- )は主にアニメーション作品に登場するロボットなどをデザインするメカニカルデザインという仕事を日本において確立した、生きた伝説とも呼ぶべき存在です。
(展覧会開催概要冒頭にて)


今回のを見ていてわかったのは、「アニメのメカデザイン」という職業(プロフェッション)は、大河原さんがスゴかったから出来た(=職業として認知された)」んだってこと。

これはスゴイことよね。


縄文時代から今まで、職業ってものすごく増えているはず(江戸時代と今を比べても激増のはず)と思うんだけど、新しい職業ってどうやってできるんだろう?

「新しい機能」は自然にできてくるんだけど、それが「独立した職業」となるプロセスにはいくつかのパターンがありそう。たとえば


・大組織が分業(もしくはアウトソーシング)を始め、特定機能が専門職化する
・新技術や規制変更で、突如として新たに膨大な社会ニーズが発生し、それに知見をもっていた人が専門家と呼ばれ始める
・資格が創設され、これまで注目されていなかった機能が独立職業として認知される
・アマの活動が、プロ化されることで職業ができる
・自分が得意なことについて、自分で「オレは○○だ!」と名乗る(←これは最近の流行りに見えますが、女性誌では今までにも数多く存在してました)
などなど。


大河原さんの場合は、これに加え、
・特定個人が卓越した才能を発揮してそれだけで食べていけるようになり、それに憧れる人が増えて、職業化する
ってパターンですね。


個人で新しい職業を創る。それくらい尖がった仕事をする。
すごいことだと思いました。


そんじゃーね!