都知事選 地域別 得票率

下記は、昨日行われた都知事選の“トップ 5名の地域別得票率”です。一番上の赤い数字が東京都全体の得票率で、舛添さんが 43.4%、家入さんが 1.8%という結果でした。

下表では、各候補者ごとに、「(自分の)東京都全体の得票率を上回る支持を集めた地域」に色を塗ってみました。これにより「それぞれの候補者が、どの地域で特に高く支持されていたのか」がわかります。



(※元データはこちら。同じ得票率に見えるところも、小数点以下 2位まで確認した上で色を塗り分けています)


この結果からわかることは、

・田母神さんと家入さんの支持は、 23区に集中してるということ。
・特に家入さんの支持は、区部の中でも繁華街があるような都市部と山の手側に集中してます。市部で色が付いたのは、学生の多い三鷹市と吉祥寺のある武蔵野市などだけ。
・田母神さんも市部で色が付いたのは府中市だけで、ふたりとも表の下半分は真っ白です。


対照的なのは舛添さんで、青色は表の下半分に集中してます。つまり、奥多摩や島部を含め、23区以での支持が高いってことです。

別の言い方でいえば、「高齢者からの支持が非常に高かった」ってことでもあります。なんたって奥多摩や島部では得票率が 5割を超えてるんだからスゴイ。文字通り独り勝ち・・。


そういえば舛添さんは、「みなさん、安心して長生きしてください! 東京を福祉で世界一の都市にします!」とか言ってたもんね。

70歳くらいの女性支持者の団体にはドでかい声で、「美女軍団の皆様、こんにちは!」って挨拶してたし・・・

まっ、都市部や山の手側で評価が高くないのには安心いたしました。


★★★


宇都宮氏も、23区では必ずしも強くありません。表を見る限り、
・この手の“反原発の人”って、都内では“市”に住んでるんですね。初めて知りましたよ。
・そして、千代田区、中央区、港区など、権力の中枢地域には(やはり)住んでないみたいです。
・さらに、山の手エリアでも支持が少ないのですが、
・島部や奥多摩でも少ない
・つまりホントに“市”エリアに集中してるんです。特に中央線沿いは顕著。


これ、おそらく菅直人さんの支持エリアと同じなんでしょう。いわゆる“市民活動家”の皆様が、どこにお住まいになられているのか、よーく理解できました。


★★★


一方、殿や小泉さんを支持してる人には、区と市の偏りはありません。でも・・よくみると不動産価格の高いエリア(お金持ちっぽいエリア?)に青色が多いような気がしません? 

東京の東側、比較的庶民的と思われるエリアでは、殿の人気は高くないんです。


また、宇都宮氏と殿はふたりとも“反原発”だったのに、特に23区では強い地域があまり重なっていません。

世が世なら“階級”が違うふたつのグループなので、当然とも言えますが、ここでは両者の支持層のプロファイルの違いがキレイに表れています。


つまり彼らの支持母体は、反原発の一点については共通してるけど、根本的にはまったく異なるふたつのグループなんですよね。

だから、公示前に取り沙汰された「反原発で候補者を一本化する」というのは全く馬鹿げた話だったのです。

もし一本化していてたら、降りた候補の支持者は(一本化された候補者ではなく)別の候補者の支持に回ったことでしょう。そうなっていれば、さらに舛添氏が独り勝ちしたのかもしれません。


★★★


そしてよく見ると、宇都宮氏の支持が高いエリアって、(同じ反原発の細川さんではなく)むしろ舛添さんの支持エリアと似てるんです。

全体としては区部より市部で強く、区部の中では山の手エリアに弱く、下町エリアで強い。このふたりの支持エリアが似てるなんて想像もしてなかったので、最初は新鮮な驚きでした。


でもよく考えれば、共産党&社民党(宇都宮氏を支持)と、公明党(舛添氏を支持)の支持基盤が重なってるのは不思議でもなんでもありません。どっちも福祉大好き“庶民様”系の支持者ですよね。

投票率が低かったことで、これら組織動員力が高い政党の支持を受けた候補者が、当選&次点となったのは当然のことなのでしょう。


表にしてみたら、地域別の思想傾向が浮かび上がっておもしろかったです。コレ、選挙分析というより、これから都内に家を買おうと考えてる方などにも、役立つんじゃないでしょうか。


そんじゃーね!