起点になろう

先日、下記のような質問を頂きました。

これはできるだけ多くの人に回答を伝えたほうがいいかなと思えたので、まとめてブログに書いておきます。

いただいた質問は、

「自分の子供をいろいろと考えられる子に育てたい親世代、もしくは将来のことをもっとよく考えながら成長したい若手社会人ってそれなりに沢山いると思うのですが、そういった方々に向けた教育事業はされていらっしゃらないですか?」

「ちきりんさんが取り扱うような経済や社会課題のトピックって、一般人には中々話し合う場がないと感じてます。個々人が考える必要のある大事なことなのに、考えた意見を言い合える環境が一般にはあまりないというか、、」

「思考って訓練で磨かれると思うので、読むだけでなく、議論して思考を磨ける場が必要だと思っています。ちきりんさんの講演があればこれから出席していきたいと思いますし、教育事業をされてるのであれば参加したいと思います」

「社会のことを考えてる人が集まっていて、かつ一般人でも参加できる場ってどこにあるのでしょう、、?」


気持ちはよくわかります。(いい質問をしてくださってありがとう!)

若い人でも(もちろん若くない人でも)社会について、世の中について、人生について、マジメに議論したり話合いたいと思ってる人はたくさんいるよね。

でも、みんなそういうことをマジメに話す仲間をなかなか見つけられない。

なぜか。

アイドルとかゲームとか新しいメークの方法とか就活とか、そういう話をするのはとても気楽で何のリスクもないけど、

政治や経済や生き方や社会の矛盾について「どう思う?」「オレは私はこう思うんだけど」みたいな話をすると、


「いきなりなんでそんな重い話を?」と、訝られそうだし、

「もしかして左?」などと、思想的な偏りを疑われるかもしれない。

「意識高い系?」と思われるのも気恥ずかしいし、

そもそもそんな話を切り盛りできるほどの知識もスキルもなく(上手に話せそうになくて)怖い。

つまりは、「こっぱずかしい!」し「変な奴だと思われたくない」し「自信がない」

だから、みんなの意見を聞いてみたいな、議論したいなと思っても、多くの人は自分からはそういう話を始めない。


「自分の周りには、そういうことに関心をもってる人はほとんどいない」って?

ほんとかな?


実はごく身近に、内心ではそういう話をマジメに議論してみたい!と思ってる人がいても、

誰も言い出しっぺにならないから、その存在にお互い気づかないだけでは?


なぜ社会について、生き方について、経済について、マジメに話し合える仲間や場所を見つけるのが難しいのか。

理由は簡単。

誰も「起点」になりたくないし、誰も「言い出しっぺ」になりたくないから。


だからそういう場所を見つけられない。

でも仕方ない。

だって(自分で言い出すなんて)恥ずかしいから!

だって(自分から言い出すなんて)リスクがあるから!

★★★

あたしは友達がとても少ない。

飲み会に行っても、みんなが盛り上がる流行りのドラマの話にはついていけず、話題のレストランの話にも関心がない。

かわりに場も空気も読まず「人口減少についてどう思う?」とか「大学って無償化すべきだと思う?」とか、そんなことばっかり聞いてるから、

そういう話がおもしろいと思う人以外、周りからはいなくなってしまった。

てか、12歳くらいからそんな話ばっかりしてるもんだから、真性の「変わり者」だと思われてたし、「もしかして仲間はずれにされてる?」ってくらい友達が少なかった。

でもぜんぜんかまわない。

友達なんて少なくてもなんの問題もない。

あたしは自分が知りたいことを聞き、

自分が話したいことを話す。

自分が欲しいモノは「自分が起点」にならないと手に入らないから。

もしあなたが、自分の興味あるトピックについて話合う相手が欲しいと思うなら、

誰かが主催してる勉強会を探したり、そのことについてよく知ってる人の話を聞きにいくのではなく、

自分が起点になったほうがいい。

てか、そうしないと、自分の欲しい場所にはたどり着けない。

ネットでも、リアルでも。

まずは自分から「こういうことに興味がある!」「自分の考えはこうだ!」って発信するのよ。

すべてはそこから始まるのだから。

てか、そこからしか、何も始まらない。


「ちきりん」と社会について議論したいなら、
「ちきりん」の講演会やサロンを探すより、
「ちきりんが『参加したい!』と思えるようなイベント」を自分が起点になって開いたほうがいい。


そうすればあなたは「ちきりんの講演の参加者」ではなく「ちきりんの議論仲間」や「ちきりんの友達」になれる。

そのほうが楽しそうじゃない?

★★★

みんな知ってるけど、あからさまには言われてないことを教えてあげましょう。

自分が起点になれる人ってのは。それができない人と、つながりたい、話したいとは思ってない。


わかるかな。

起点になる人は、自分も起点になる人だけとつながってる。

もし自分もその輪に入りたいと思うなら、

あなた自身が起点になる必要がある。


結果として起点になれる人は、起点になれる人だけに囲まれて人生を送ってる。

反対に起点になれない人は、起点になれない人ばかりに囲まれて生きてくことになる。

もちろん講演料やサロン月謝などのお金を払えば、ごく僅かな時間だけ、起点となってる人を観客席から眺めることはできるけど。


今とはまったく違う世界がみたいなら、

どんな小さなことでもいい。自分が一番、興味のあることで、

とにかくまずは「起点」になろう。


できるだけ早く、

そうしたほうがいい。



そんじゃーね

参考エントリ
「情報は看板に集まるでごじゃる」
「始点に立っていてもゴールは見えません」


参考書籍

「一生懸命、発信してるのにナゼかうまく伝わらない」と思ってる人、あなたに足りないのは多分コレです↓


→ Kindle 版

→ 楽天ブックス


あと、「自分の人生を自分でコントロールするために何が必要なのか」理解したい人は下記をどうぞ。子育てしてる人とか、必読だと思うよ。

採用基準
採用基準
posted with amazlet at 18.07.01
伊賀 泰代
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 3,975


→ キンドル版

→ 楽天ブックス

 http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+shop/