家電のネーミングって種類によって違いますよね。
たとえばエアコンは
東芝:大清快
日立:白クマ君
三菱電気:霧ヶ峰
ダイキン:うるるとさらら
三菱重工:ビーバーくん(ビーバーエアコン)
と、日本語が多いし、親しみやすい名前が多いんです。
これがテレビだと
シャープ:AQUOS
パナソニック:VIERA
ソニー:BRAVIA
日立:WOOO
と、すべて横文字で、かっこいい系です。
ちなみにパソコンもLavie, VAIO, FMV, Dynabook, Let's noteと横文字ばっかりです。
ところが、冷蔵庫や洗濯機になると名前がないんです。大半が、
「パナソニックパーソナル冷蔵庫 シルバー」とか
「シャープどっちもドア冷蔵庫 シルバー」
「ノンフロン6ドア冷凍冷蔵庫 ステンレスシルバー」
など、機能をそのまま表示したような名前が多い。
洗濯機もブランド名はほとんどないようです。それ以外の安い家電にはブランド名がない方が普通です。
家電ではないですが、車は英語だけでなく、フランス語やイタリア語などが使われるケースもありますよね。
ちなみに、言語には“かっこよさ”のヒエラルキーがあって、日本の歌謡曲のさびの部分にはよく英語が使われますが、アメリカのポップスのさびの部分にはフランス語がでてきます。また台湾や韓国の歌謡曲には日本語がでてくることもあるんです。
車は家電より相当値段が高いですから、このヒエラルキーを利用してより高級に見せるために、英語以外の西洋言語が使われるのではないかと思います。
★★★
こういうふうに見てくると、電気関連商品の“ブランドネーミング進化論”としては下記のような流れがあるように思えます。
レベル1:名前がない。
レベル2:機能に基づくネーミングがされる。
レベル3:日本語の親しみやすい名前がつけられる。
レベル4:横文字ブランド名になる。
レベルあ5:英語に加え、フランス語、イタリア語、ラテン語なども使われるようになる。
また、何によって名前の付け方が変わってくるか、という要素については、
1.価格
5万円を越えるとブランド名が必要となり、10万円あたりで英語に、そして50万円を越えると英語以外の欧米言語になる?という感じでしょうか。
2.生活家電VS趣味家電
生活家電は機能がベースになる名前が多いようです。たとえば冷蔵庫や洗濯機などですね。
一方の“趣味家電”は、機能よりイメージ先行で、英語ベースの(意味はよくわからない)ブランド名がつけられているように思えます。
このあたりは、パナソニックとナショナルの区分に似ていますね。
3.顧客の年齢層やタイプ
シニア向けは「親しみやすい日本語」、若者向けは「かっこいい横文字」という使い分けもありそうです。
「らくらくホン」も親しみやすく、いかにも「操作が簡単ですよ!」という感じが伝わります。
エアコンを買うのは家を建てた人(買った人)や大家さんですから、若い単身者ではなく家族向けであり、一定の年齢層以上の人向けということで、そういう人に受け入れやすい“親しみやすい日本語”が使われているのでしょう。
★★★
さいごに、これらのネーミングは固定的なものではなく、商品の位置づけや売り方によって変わっていく、というのも興味深いです。
今は名もない家電でも、高機能化や高価格化に伴ってブランド名がつくようになるかもしれません。
反対にデジカメなども、技術が安定してシニアな人に使いやすいデジカメがでてくると、今のIXY(イクシー)などから、「撮れ取れ君」などの親しみやすい名前に変わってくるかもしれません。
同じようにパソコンも、「メール君」とか「すいすいウエブ」みたいなネーミングになったり、、、しないですかね・・。
この辺のところ是非一度、家電メーカーで商品開発やマーケティングをやっていらっしゃる方に聞いてみたいものです。
というわけで、また明日。
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2009年11月追記)
最近は「エアコンなのに横文字名」も現われており
パナソニック:nanoe (ナノイー)
日立:nocria (ノクリア)
これは、新しいトレンドです。
また、オーブンレンジではシャープの“ヘルシオ”以降、高機能品にはブランドがつくようになりました。
洗濯機はブランド名はまだですが、“洗浄方法のネーミング”が強調されるようになっています。ブランド化まであと一歩かな?
パナソニック:エコウオッシュシステム採用
日立:シャワービート洗浄
東芝:ZABOON (←これは機能なのかブランドなのか・・)
ではでは