人生の岐路(適当)

私は新幹線の中では、たいてい寝てるか、弁当を食べてるか、もしくは、本を読んでます。

今日は、1週間前に買った「日本共産党の戦後秘史」を読みました。共産党に長く勤め、最後は党から除名された兵本達吉さんの本です。


日本共産党の戦後秘史


「何で、ンな本を読んでんの?」と思われるかもしれませんが、弁当食べる時間も惜しいくらい熱中して読んでました。最近の「のぞみ」はホント速いので、まだ半分くらいしか読めてないけど。

いったい何で自分がこんなに共産主義とか左翼に関心があるのか不思議です。生活的には、また、思想的にも過激なくらいの資本主義支持者なのにね。


ちきりんはすごく昔から、そういう傾向があったと思います。小学校5年生の時に二十歳の原点シリーズを読んでいました。学生運動の中で悩んで自殺した立命館の女子学生さんの本です。他にも、家にあった共産主義関連の本(たまたまあっただけで、そーゆー家ではないです)を読もうとして、お父さんに怒られたりもしましたね。「子供の読む本じゃない」って。

高校1年生の夏休みに、広島の原爆記念日の式典に行ってみようかなと思い立ち、母に言ったらすごい剣幕で反対されてやめました。別に反戦運動とかに関心があったというより、まあ、近いし・・くらいの気持ちだったんだけど、反対されて「??」って感じだった。

小学校の卒業新聞には「将来は朝日新聞の記者になる!」と書いている。新聞記者じゃなくて、朝日新聞の記者ですよ。なんで特定なんだ??


ちきりんが中学から高校の時って、浅間山荘事件、それに伴うリンチ事件に、よど号乗っとりあたりから、まだ10年もたってない頃です。父や母にしてみたら、「この子は危ない!!」って感じだったんだと思う。

関西のそういう運動が盛んだった大学への進学も反対され、最終的にちきりんは東京に旅立つことになるわけです。が、そこでバブルの洗礼を受け、「超」のつく資本主義街道の人生を歩み始めます。バブル前夜の東京で享楽生活に目覚め、卒業後は株屋勤務を経て米国までファイナンスを学びに行ったりする人生に突入・・・

母が懸念した「反戦運動にかぶれ、赤い赤い大学に入って活動家になり、赤い赤い新聞会社に入って・・・」という人生とは、それでも、紙一重だったかも?とも思います。


★★★


前に志位委員長が、子供の頃から親にデモにつれてかれてたという話を書きました。劣化ウラン弾反対の絵本を作るためにイラクに行っちゃった高校生の男の子がいましたが、彼のお父さんも教員で、学校で反戦ビラ撒くような人なわけです。もし、私の父母がそういう人だったら、ちきりんの人生も今とは全く異なるものになったと思います。


ああよかった!


なのか? 


わかりません。
結果論だし。


いずれにせよ、ちょっとした事で人生って変わってくるよね、とは思います。

実はもうひとつ転機?になるかもしれない時期がありました。それは大学生の頃です。

私はお水のバイトをやっていました。世はバブルに突入し始めていた頃で、宗教家、芸術家から、起業家、経営者、そしてアングラな人まで、みんなとてつもなく浮かれてました。

そんな中私も、一瞬だけ「就職なんかせずに。いっそのこと・・・」と考えた時期があります。あの時、違う決断をしていたら・・・それもまた、すごく違う人生になっていたんでしょうね。


というわけで、人生って紙一重でいろんなことが起こります。有本さんがイギリスで拉致され(北朝鮮に連れて行かれた)時期とほぼ同時期に、私もヨーロッパを一人、バックパッカーとして回っていました。あれだって、ひとつ間違えたら・・・って感じです。


★★★


SFで、よく、いろんな人生の分岐点で分かれた人生が、実は全部存在しているのだ、というのがあるでしょ。あれを思い出した。もしそうなら・・・


(1)共産党を除名されてる「ちきりん一号」
(2)アングラワールドのフィクサー、もしくはフィクサーの愛人の「ちきりん二号」
(3)北朝鮮で工作員教育に携わる「ちきりん三号」
(4)資本主義街道まっしぐらながら、共産趣味の忘れられない現在の「ちきりん四号」
がいるってことですね。


ちきりん一号、二号、三号さんにも会ってみたい気はします。どの人生もおもしろそうだもん。

(えっ?拉致されて工作員になるのも??)・・・わかんない。でも「オレの人生を否定するな」と言った蓮池さんの気持ちもわかります。どんな人生でも、やっぱそれは人生なのよ。


ではまた明日!