都会と田舎の悩み

今日の日本経済新聞の「大機小機」(金融面の小コラム)、おもしろかったです。今日の担当は、ペンネーム「墨田川」さん。書いている内容は簡単に言うと・・・


一番出生率が低いのは大都市。でも、大都市は田舎から人が流入してくるので困っていない。

反対に、田舎は人がどんどん流出して過疎化が進んでいる。その流出を「出生率アップ」で乗り切ろうとしている、と。

つまり、少子化対策をしたいなら、「一番、子供を産まない大都市の人に子供を産ませる対策が必要」なのに、「少子化対策に熱心なのは、出生率は低くないけど、人がでていっちゃって大変な田舎」ばっかり、ということ。


これ、とてもおもしろい視点だと思った。

田舎が少子化対策をする、と。

でもそこで生まれて育った人は、教育を終えると都会に出ちゃう。

そして、結婚もせず子供も産まず東京で働き続ける。

これじゃあ、いつまでやっても問題解決できない。必要なのは、

  • 田舎 → 大人が定着する工夫
  • 都会 → 子供を産ませる工夫

です。


で、考えてみた。

都会で子供を産ませるのは大変。

最近の新聞にも載っていたけど、やっぱ晩婚化も少子化もすごい勢いで進んでる様子。

特に全国平均と東京平均はすごく違う。東京なんて、確かもう合計特殊出生率とかいうのが1を切っているんじゃなかったっけ? 初婚年齢も女性で30代のせが目の前です。大変なことになりつつある・・。


★★★


これだけ少子化対策が言われているのに、都会で有効な手だてはなかなか打たれない。
無認可保育所とか、膨大な待機児童数とかがよく問題になります。

「少子化を止めたいなら、保育所くらい作れよ!」と思いますよね。

でも、それが難しい。理由は、コストが高いことと、長期見通しのため。


幼稚園作るにも保育園作るにも、都会ではコストが膨大。だってまずは土地・建物が必要ですからね。

アパートの家賃なら「東京は地方の倍」でもいいけど、保育料が倍ってわけにはいかないでしょう。

それに田舎なら「児童手当一万円/月」はそれなりに役にたつかもしれないが、東京で1万円もらって、広い部屋に住めるか、っつーと・・・つらいところです。


加えて、長期的展望。この国では、長期的には「子供は絶対減る!」ことが確実なわけです。

それなのに、今の時点で足りないからといって、保育所や学校をガンガン作るわけにはいかない。縮小市場に大規模な投資はできない。

今からレコード針の会社に投資しよう!という人がいないのと同じです。


東京のリバーサイドに高層マンションがすごい勢いで建っています。購入者の多くが小さな子供を持つ家庭。

で、校区の小学校が満杯状態。でも、行政は小学校を増やしたくない。

教員という公務員をやとって、学校という建物を建設して・・・どう考えても元がとれない。10年もしたら、今満杯の学校はガラガラになる、と、皆わかっているから。


★★★


この辺りがなかなか難しい。

これからの有望市場は明らかに「シニア市場」。どの企業もこのマーケットを狙うし、行政もここに注力しようとする。

政治家だって、(もしも投票率に世代間の差がなくても)数=票の多いシニアに配慮を傾ける。

でも、必要な対策は少子化対策。でもさ、一般的に言えば・・・老人は子供生まないあるよ・・・む〜。難しいね。


反対に回れば、実はすべてうまくいく。

若い人が田舎に住むようになれば、安いコストで少子化対策ができる。

子供が増えて田舎に定着すれば、少子化だけじゃなく過疎化問題や都会の環境改善もできる。一石四鳥くらいです。


でも、超非現実的、に思えます、かね? よね? かな?


で、ちょっと思った。

少子化対策だって、超非現実的。


少々児童手当もらったって、今の東京で「おっし、子供生むぞ」とか思う人はどれくらいいるわけ??

どうせ、どっちも非現実的なら、別のアプローチも試してみればいいんでないの?って。


★★★


道州制については、またそのうち書きますが、これはやっぱりかなり大事な政策だと思います。

中央集権、それに伴う都会偏重&集中が、限界に来ているということ。

それは、先進国に追いつけ追い越せの富国興業政策に適したモデルなんだよね。

まあ、そろそろ、全然ちゃうモデル、ちゃう考え方、がでてくるとおもしろいかな、と。



んではまた〜



http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+personal/  http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+shop/