泡沫候補って楽しい!

自民党の総裁選。安倍氏独走態勢!とのことで、谷垣さんと麻生さんは「2位狙い」的な報道が定着してきた昨今ですが、ちきりんが注目しているのは、いわゆる泡沫候補の皆さんです。

つーか、推薦人不足で立候補さえ危ぶまれる方々。彼らが結構おもしろくなってきてる。


一番おもしろいのは鳩山邦夫さん。弟の方です。“太ってる方”といった方がわかりやすいかな。まだ自民党にいる方です。彼は立候補表明こそしてないけど、「政策提案書」みたいなのを出し、パーティもしてました。

テーマはずばり「自然との共生」

「このぶっとび具合が鳩山兄弟!」でしょ。パーティの参加者も“あんぐり”していたよ。


彼曰く「景気だの年金だの言ってる場合じゃない。年金なんかもらえても、“黄砂”で息ができなければ死んじゃうんですよ」って。

ふむ。


そりゃそーかも。


とはいえ世の中は年金問題で大騒ぎなんですけど・・・。
で、「あいつは頭がおかしくなったのではないか?」という極論も含め、「なんなんだ?」という冷たい目が多いわけです。彼に対してね。

なんだけど、ちきりん的にはちょっと違う感想を持ちました。


これ、「人間が余裕を持つとどうなるか」をよ〜く表している、と思う。

★★★

田原総一郎氏は若い頃、作家になりたかったのだよね。田舎から早稲田大学に進学。学費もすべて自分で稼ぐという赤貧生活。

2畳の下宿で「いざ書くぞ」と思った時、石原慎太郎が発表した「太陽の季節」を読む。そこに描かれた「ヨットに乗り、夜はシャンパンでパーティをし、女の子をオープンカーで送っていく若者の日常」を読んで、田原さんは思いました。

「こんな生活を描けるヤツとは体験の量が違う。俺には作家は無理かも」と。


そういう感じ。圧倒的な余裕が生み出すものがある。圧倒的な欠乏が生み出すものと同じくらいに。


鳩山さんはトチ狂ったわけではなく、大まじめなんだと思う。彼にとっては「環境問題こそ」が「すべて」なのですよ。そう見えるんだと思う、あんだけのお金があると・・・。

年金とか老後の不安とかローンとか、そういうのはもう「見えない」んだよね。嫌みでもなんでもなくて、「何がそんなに大変なのさ」ってのがまったく理解できない(のでしょう)。


ホント心地よいくらい、すがすがしいくらい違う。


お兄さんは神経質そうだけど、弟の方はおおらかな感じだしね。


★★★


河野太郎氏もいい味だしてます。彼は出馬宣言してます。でも立候補できるかどうかは不明(賛同者が集まらない可能性が高いから)。

彼は父親に臓器提供をしたことで有名です。


彼の主張は「年金」。最初は一本だったけど、最近は「教育」も加えました。「年金と教育水準」です。こちらは比較的まともな主張です。

最近の河野さんは、なんつーか「ふっきれ感」があって、とてもいい感じ。もうなんか「どーでもいいから、言いたいこと言わしてくれ」「立候補できないと決まるまでの間でいいから、俺をテレビに映してくれ」みたいな。


で、わりとまともなこと言ってます。谷垣さんも麻生さんも靖国をどーするのこーするのって、「どーでもええわい」ってなことばっかり言ってるけど、「どうせ立候補もできないかも」と思うと、まともなことが言えちゃう、ってことなのかもしれない。票読みしなくていいと、言いたいことが言える。


ちきりん的には総理は安倍さんでいいのだけど、「戦う政治家」とか「美しい国」みたいなキモい言葉はやめて欲しいなあ。

んでは、また明日。