好きな映画

今日はちきりんの好きな映画について書いてみます。


(1)一番好きなのは、「人間の本音(の汚い部分、エゴ)をえぐり出して」突きつけてくるような映画です。代表的なのは「欲望という名の電車」、「イブの総て」みたいな古典。ちきりんは“人間のどうしようもない弱さ、汚さ”を見るのが好きなんです。
↓どちらも今やDVDが500円で買えるみたいです。

 


同じカテゴリーで日本映画だと「泥の河」とか「薄化粧」とかかな。
 


最近の映画だと「誰も知らない」など。


ちきりんは、「人間って本当に弱い」と思ってるんです。そして“弱いから汚いことをする”。ちきりんは「その汚い人間が大好き」なんです。

皆、結局は自分の利益だけが大事だし、自分が目立ちたい、褒められたい、報われたいという思いいっぱいで生きていて、他人を妬み、憎み、それでいて勝手気ままに他者からの愛情を要求し、食欲と性欲と睡眠欲と、自分の五感に基づく欲望を制御しないでいられたらどんなにいいだろうと思って生きている。みたいなね。人間のそういう面が大好き。

そういうことを「見ぬふり」しておいといて、文化だの教養だの慈善だのって笑っちゃいます。勘弁してよ、って感じです。きれい事がキライなちきりんです。現実を直視していたいし、その現実を肯定していたい。汚いこと、許されないこととして切り捨てたくない、んです。人間ってそういう動物だからこそ、ここまで生き残ってきたんだから。って思うんです。


★★★


(2)「独自の世界観を持っている映画」も好きです。こういうの、やっぱ「天才さんの所作」よねえと思うから。

羨ましい。

まずはジム・ジャームッシュ。初期の作品が好きです。下記のDVDに入っている
「ストレンジャー・ザン・パラダイス」
「パーマネント・バケーション」
「ダウン・バイ・ロー」
の3作はどれもすばらしい。まさに“才能のある人”というのはこういう人なのだ、と思わせる。一番すきなのはダウン・バイ・ローかな。マジで楽しくなります。


フェリーニも素敵ですよねえ・・・
「道」とか「甘い生活」など有名ですが、ここでは
「ジンジャーとフレッド」
「そして船は行く」
をあげておきましょう。機会があったら是非みてみてね。

 


マルグリットデュラスのインディアソングは、死ぬ前にもう一度観たい映画、ですが、DVDの新規製造が終わってしまっていて、中古品の価格が高止まりしてます。下記でも一万円とか。うーん、ぼったくりですねえ。ケーブルテレビとかでやってくれないかなあと、一番待ち望んでいる映画です。


他には寺山修司、トリュフォーなども好き。60年代の大島渚の作品もかな。すんばらしい、です。

こういう映画って、途中でCMが入るとか、途中で携帯がなるとか、「ありえない」と思います。その世界に没頭しないと堪能できない。だから「映画」である意味がある、と思います。テレビドラマではあり得ない分野です。


こういう映画って、“生の人間の世界”、つまり(1)の世界を、こういうユニークな視点を持つ天才さんがみたらどう見えるか、ということを再構築して提示してくれていると思うんですよね。

自分で作ることはできないけど、観るだけでも、ちきりんのような一般人が「ああ、人間の世界ってこういうものなんだよな」と感じられる。そういう映画ですよね。

★★★

(3)ハリウッド系超大作アクション

ダイハードが一番好きかな。ミッションインポシブルとスピードもよかった。これはハリウッドしか作れない感じで、そういう意味で「お金払ってみる価値」を感じます。これだけの映像を見せるにはお金かかるでしょ、というような映画も観ます。

ちょっと違う意味で「すんごいお金持ちの世界」を見せてくれる映画も「覗き趣味」的にはおもしろいですね。「風と共に去りぬ」もそうだし、「プリティウーマン」もそうだし、「すごーいお金持ち」「すごいドレス!!」「すごいバスタブ!!」とか、観られるだけで嬉しいです。そういうもの見たことないと、夢に登場させることもできませんので。

★★★

(4)青春系
青春系の映画を観ると、自分がいい人になった気分になれるので好きです。「純粋で切ない青春」が「まるで本当に存在するかのように」思えるでしょ。
「セントエルモスファイヤー」とか、最近だと「東京フレンズ」とかね。

   (vol 3まであるかも)


ちきりんは「二十歳の原点」を読んで「東京に行きたい!」って思ったけど、今の時代ならこの東京フレンズを観て「東京行く!」って決めたかも。そういう作品がいつの時代にも必要な気がする。まるで人間が美しい存在であるかのように誤解できるっていうのは青春の特権だよね。

★★★

だめなのは「ファンタジー」です。すごい嘘っぽい。入り込めない。ハリーポッターも15分しか我慢できないです。

SFならいいんです。Back2theFutureは好き。SF,つまり、科学なら、そのうち実現できるかも?と思えるでしょう。アトムも同じです。でもね、変な怪物とか妖怪の世界とかは・・・「空想の世界でしょ?」と思えて入り込めないのです。


あと「ホラー」はヤです。絶対観ない。ちきりんは恐がりなんです。夜こわくて寝られなくなる。ヒッチコックの映画とか“映像芸術”の域に達したサイコスリラーならOKなんですが。

物理的にグロテスクなのが怖いんです。特に「血」がキライ。普通のドラマの手術の場面も目をつぶります。関係ないがジェットコースター系も嫌い。「怖がって楽しい」という感覚はちきりんには理解できないです。


説教くさい映画、これは、最も嫌いなカテゴリーです。道徳臭い、人間こう生きるべき、みたいな映画は、画面にむけて卵を投げたくなります。なんで金払って説教されにゃあいかんのだ?と思います。

欲望のままに生きた人が、年取ってから後悔するストーリーってあるでしょ。あれは「ひがみじゃないの?」って思います。好きなこと、やりたいことをやらずに、世間体とか親の期待とか、世の中こーゆーもんだ、ということで「あきらめと共に生きてきた小心者」が、後から「リスクをとって人生楽しかったけど、最後は悲惨」な人にたいして「ほらね」みたいに言っている、そういう気がする。なんて小汚い、と思います。

雑誌にもこの「生き方系」のがあるでしょ。あと、実は「人」にもいますが。健康だの運動だのエコだのスローライフだのを他人に勧める人。ほっといてくれって。あんただけ長生きしてくれ。あたしは楽しく生きたいのだよ。人間の醜さ、自分勝手さ、馬鹿さ加減こそを楽しみたいのだよ。

と思います。


ではね〜