(3)との遭遇。

人が毎日やっていることは、次の3種類に分けることができます。

 (1) やらなくては、ならないこと

 (2) やりたいこと

 (3) ヒマだからやっていること

この3つが(睡眠時間を除く)生活時間に占める割合を考えると、それぞれの人の生活スタイルが浮かび上がります。

たとえば赤ちゃんの毎日は 100%やりたいことだけで占められていますが、学校に行き始めると“やらなくては、ならないこと”が増えてきます。

中学受験をするなら、“やらなくては、ならないことが生活に占める割合= 90% ”という小学生もでてきます。

★★★

一般的には大学生になると“やりたいこと”に使える時間が一気に増えます。

私も大学時代は、ほぼすべて“やりたいこと”だけで過ごしていました。

こんな(↓)感じです。

(1)やらなくては、ならないこと = ゼミなど最低限の授業への出席・・・ 10%

(2)やりたいこと=旅行、バイト、飲み会、人付き合いなど・・・ 90%


一方で、生活費を自分で稼いでいたり、資格取得のために“やりたいことに使える時間は最低限しかない”という大学生もいます。

★★★

働き始めてからもスタイルによって割合はかなり違います。お気楽サラリーマンだと、

(1)やらなくては、ならないこと=仕事・・・ 50%
(2)やりたいこと=飲み会、買い物、趣味、旅行、恋愛・・・ 50%
でしょうが、

仕事人間だと、仕事は“やりたいこと”という分類に入り

(1)やらなくては、ならないこと=家事・家族サービス・・・ 10%
(2)やりたいこと=仕事= 90%
となります。

★★★

専業主婦に憧れていたものの、実際になってみると・・

(1)やらなくては、ならないこと=家事・・・ 30%
(2)やりたいこと=趣味・・・ 30%
(3)ヒマだからやっていること=むりやり作った趣味や近所つきあい・・・ 40%
みたいになって人生に疑問を持ち始める人も出てきます。

でも子供ができると

(1)やらなくては、ならないこと=家事、育児・・ 80%
(2)やりたいこと=たまに友達と会ったり・・・ 20%
となり、(1)が 100%になると育児ノイローゼになったり・・

★★★

ニート的な人だとこういう感じかな。うらやましいです。
(1)やらなくては、ならないこと= なし
(2)やりたいこと=趣味その他・・・ 100%

★★★

ところでこうして見てくると、ここまでのところ (3) の“ヒマだからやっていること”があまり出てきませんよね。

実は若い時は誰でも (3) が少ないのです。

ところが、ある年代からは (3) が現れ、そしてどんどん大きくなります。

たとえば、若くして結婚し、子育てが早く終わってしまった 50代主婦だと、

(1)やらなくては、ならないこと=手抜きな家事・・・ 30%
(2)やりたいこと=通販や韓流ドラマ観賞や近所の噂話・・・ 50%
(3)ヒマだからやっていること=ボランティアでもやる?それともジムでも通おうかしら?・・・ 20%
といった感じです。

男性でも中年になって「そろそろ仕事も限界が見えてきた。これ以上頑張ってもな」となると、

(1)やらなくては、ならないこと=仕事・・(展望が見えなくても拘束時間は長いので)60%
(2)やりたいこと=“酒を飲むくらいかなあ”・・ 20%
(3)ヒマだからやっていること=(お金もないし、結局は)ごろごろ・・・ 20%
と (3) がでてきます。

若い時は誰しもやりたいことがたくさんあって時間が足りないのが普通です。
でも誰にもどこかの時点で、(1) や (2) より、(3) が大きい時期がやってきます。

よく定年後の趣味を作りましょう、という話がありますが、あれは (3) が生活の 100%になったら大変だから (2) を作りましょう!という話ですね。

★★★

そして、人がこの (3) と向き合い始める時期にはいくつかのパターンがあります。
それはたとえば、

・定年時、退職時
・子供の独立時期(専業主婦の場合)
・離婚、親との死別時、など、
“やる必要のあること”が急激に減った時です。

(3) との遭遇時期が周りの人より早いと「他人の人生は充実しているのに、自分の人生は・・・」と悲しくなったりします。

じゃあ遭遇時期が人より遅ければいいかというとそうでもなくて、年を取って柔軟性が失われてからいきなり (3) が現れると対応できずパニックする人もいます。
定年鬱、老年鬱、子離れできないママなどです。

“ (3) しかない人生なら生きている意味はないのではないか?”とまで考えてしまう人もいます。

これが、今日のエントリのタイトルが「 (3) との遭遇」となってる理由です。


図解するとこーゆー感じ(↓)

図の方が圧倒的にわかりやすいかも。


そんじゃーね

→続きを書きました (3)との遭遇(続き)



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