“よい子ブリッ子”の野球界

野球の(裏?)契約金問題が騒ぎになってますが、「あの選手で5億円。いったい松坂は????????」って目が点になったちきりんです。

ところで、この件、ちきりんは「いーかげんルールをなくせばいいのに」って思ってます。誰も守れないルールを決めてても仕方ないでしょ。そもそも法律でもないから、破っても公的には何の処罰もないし。

FXで4億円儲けた主婦がそれを隠してたっていうけど、本当は1億円以上の税金を払う必要があったとか。契約金も同じでしょ。もし5億円もらっていたと「公表」されていたら、それだけの税金を払う必要があったはず。

変なルールがあるせいで、それしか払ってない、ということにされ、私たち「全然関係ない人」までソンしてます。本来国に入るべきお金が少なくなっている、という意味で。

★★★

このルールそもそも「破っても法的に問題ない」どころか、「ルール自体に法的な問題があるのでは?」って感じですよね。これカルテルでないですか?プロ野球というひとつの業界の「全社」が申し合わせて、とある主力原材料の購入価格を決めようとしている。こんなの他の業界だったら公取が入ると思うけどな。

そもそもこんなルールが許されていること自体が理解できないちきりんです。選手側=労働者側は、すごいソンしているはずだよね。


もうひとつ。このルールがなぜ全く守られないか、というと、資本主義経済をとる国において、明らかに無理のある=原理原則に反したルールだから、です。私たちの経済体制は、「いいものには、それなりの価格がつく」、もしくは、「価格が需給を調整する」という、例のグラフによって運営されているんですよ。

いいものが高いのは当たり前!

それなのに「統制価格を入れましょう」みたいなことされても、誰も守らないよ。「全ての人が大トロを食べられるように、大トロの値段は一貫300円までにしましょう」ってなルールを作ったら、全ての大トロは闇に流れてしまう。

当然でしょ、そりゃー、って感じだ。

★★★

野球界は「嘘」が多い。金と闇ブローカーに牛耳られた高校野球を「健全な青少年アマスポーツ」と言い切れる厚顔さには驚かされる。

契約金ルールも全く同じ構造だと思う。日本の野球界は、なんつーか、「きれいな建前」というのをやたらと重視するのだ。これね、巨人から来てると思うのよね、この文化。

「長髪・茶髪はだめ」みたいなこと言うでしょ、巨人って。「強けりゃいーじゃん」という「本質的なルール」に重きを置く、というセンスがない。ものすごく「時代遅れ」な球団だ。そして、この業界の「時代遅れさ」はそこから来てるような気がします。

★★★

いい少年野球の指導者のもとには、優秀な小学生達が全国から集まる。彼らは必ずしも裕福な家の子供ではない。その「野球留学」の費用を出す人が、将来、彼らがプロに入る時に、契約金の一部をキックバックされる。

そんなん当然では???

って思うよ。

それを否定する、隠すから、「闇ブローカー」がすんごい儲けて、税金が少なくなってる。

きちんと「あるべき姿」を表面に見せるべきだ。
優秀な選手や優秀な指導者に、多額の報酬が支払われるのは、当然だ。
当然のことを「だめだ」と言ってるから、野球界はだめなんだ。

と思います。

はい。



ではね。