コンテンツ足りないんで作ります、虚構を。

結局ね、地上波のテレビは、稼げるコンテンツが足りなくて困っているのだ。四苦八苦しているのだ。


今、地上波で視聴率がとれるコンテンツは多分この4つしかない。
(1)やらせを埋め込んだニュースやドキュメンタリー
(2)人気タレントの多用(吉本&ジャニーズ)
(3)スピリチュアルブーム(男性と女性各一名。なぜかこの二人は体型が似ている)
(4)人気スポーツの中継


歌番組も、ドラマも、バラエティも、誰も見なくなってしまったから。

★★★

(1)はバレると問題視される。
(2)と(3)はジャニーズと吉本と例の二人と、と数が限られてる。既に限界まで使いまくっており、もうこれ以上は増やせない。
で、(4)って一番強いコンテンツなんだけど、これもそろそろ限界にきてる、ってことだと思う。

★★★

(4)の元祖は、ご存じマードック氏。イギリスの国内フットボールリーグなんて、地元民以外誰も関心がなかったのに、彼はこれを超一流の、世界中に売れるコンテンツに作り替えた。

オリンピックで言えばアトランタが最初だった。テレビの放映権販売料が多額のコストを支えるという構造。五輪発祥の地はアテネだが、商業五輪発祥の地はアトランタです。

日本でも昔から(4)は王道だった。日テレの巨人戦、朝日新聞の高校野球、NHKの大相撲。箱根駅伝はどこだっけ?

でも、それだけじゃあ足りない。真似して、世界陸上だの水泳だのバレーだの、各局がスポーツコンテンツを囲い込む構図がここ10年できあがった。

★★★

今年になってから、

(a)高校野球の特待生問題がなぜだか今頃取り上げられ、
(b)朝青龍問題と時津風部屋問題が勃発し、
(c)日本GPでは、フジテレビがレーサーの命を無視した濃霧の中でのレースを独占中継し、
(d)TBSは、関西の、ガラの悪い傍若無人な少年を“世界王者”に仕立てようとして叩かれた。


これってどれも「地上波テレビの深刻なコンテンツ不足」から端を発している気がする。(4)のスポーツコンテンツももう、「探してくる」とか「光を当てる」じゃネタが切れてて“いいの”が見つけられない。

ソフトバンクは“ばんえい競馬”に光をあてたりしているが・・地上波じゃあ、アレでは役不足なのよね。もっと派手なのが必要。なんだけど、そんなの“もう残ってない。”

だから「作るしかない」っていう段階なんだろうな。だから、霧が出たくらいで中止にできるか、ばーろーってことなんだろう。だから、反則くらいどーでもいーだろ、ば〜ろ〜、である。


もうねえ、コンテンツがないんですよ。伝えるべきコンテンツが。だからって、“じゃあ、うちの局もう解散しますわ”ってわけにもいかない。“やらせ”でニュースを作って流し、虚構で“世界に挑戦するスポーツマン”をでっちあげてでも、流すべきコンテンツを作らなくちゃ。そーしないとオレ様、メディア様が存在し続けられないじゃん!

組織の自己防衛本能ってのはね、ホントすごいのよ。霞ヶ関もテレビ局も。



存在意義が終わってるのに、巨額の広告費だけが入ってくるから、地上波TV局は皆さんコンテンツ“作り”に大変なのであるわさ。ちなみに、話が逸れるけど、同じ理由(存在意義が終わってるのに巨額の広告費が入ってくる)のために、堀江さんも三木谷さんも地上波テレビをほしがる。“メディアの融合”なんて、嘘です。





大変だね。
じゃね。