30年に一度、富はアラブへ!

ものすごいおもしろいことになっています。



(1)NYセントラルパークのすぐ隣、時代に翻弄されるひとつの超高級ホテルがあります。その名をEssex House。

山崎豊子の沈まぬ太陽を読まれた方。JALが日本のバブル時期、このホテルを買収しました。投資として大損をだしたばかりか、購入価格に上乗せする形で巨額の裏資金が捻出され、政界工作に使われました。歴代のJALを私物化した大物経営者による業務上横領の隠れ蓑としても使われたと噂されています。

日本のバブルがはじけ、経営が行き詰まったJALはこのホテルを手放し、米国人の手に戻っていたのですが、昨年からこのホテルは、

「ジャメイラ・エセックス・ハウス」

になりました。ジャメイラはアラブ首長国連邦の財閥ですかね。



(2)ボストンで一番高級と言われていたリッツカールトン。このホテル、今年から

「タージホテル」

という名前になりました。インド系の大財閥のホテルになった、ということです。



(3)サブプライム問題でゆれる米国を代表する金融コングロマリット、シティグループ。

サブプライムの損失で揺らいだ経営基盤を強化するため、アブダビ投資庁が一兆円近い資金を資本投入に投入することになりました。

アブダビという国の政府が、アメリカの銀行の5%もの株を持つ主要株主(持ち主)になるんです。

「おやおや、アメリカの銀行さん、大変そうですね。じゃあまあ、いっちょ、助けてあげましょう!」ってわけです。



何が起こっているかって?



サブプライムのバブルがはじけ、あぶく銭が世界中で何百兆円も(もっと?)泡と消えてなくなりました。

その一方、石油価格はいつしか5倍以上の100ドルにもなり、中東辺りであぶく銭が何百兆円も(もっと?)生まれました。新たな泡が生まれたのです。


サブプライムの泡が消えて欧米にあいた大きな損失を、オイルマネーが埋めているわけです。とあるバブルの損失を、別のバブルの利益が埋めているという構造ですね。

そして、米国を初めとする西側諸国の一流ホテル、一流企業、一流ブランドの名前が、いつのまにか皆、アラブっぽく、インドっぽく、ロシアっぽい名前に・・・



そのうち、みずほ・アビラビ・フィナンシャルグループとかになったりする日も来ますかね。


でも彼ら、日本では余り会社は買わないです。競馬馬とかは買ってるみたいですけど。



西側諸国は、必死で、必死で、必死で働いて、目を覆うような惨状の格差にも“必要悪”と目をつぶり、3人に一人が精神科医のカウンセリングをうけながら働いて(アメリカ)、家庭も自分の人生も犠牲にして働いて(日本)、

やっとこさためた富を、


30年に一回くらい、ごっそりアラブに寄付をする。って感じですね。



前回は1974年〜79年くらいに一度大きな寄付をしました。今回は、2007年だから約30年周期です。


汗水垂らして、精神のバランスが崩れるまで働いて、働いて、働いて、30年に一回はアラブの石油王にお金を送りましょう!



エネルギーを持つものは、かくも強いのだというお話
アメリカがアラブにやたらと爆弾落とすのは、この構造への報復だよね。



じゃね!