なんで辞めないか

昨日話をしていた人達のお話。ひとりは「なんで8年もこの会社にいるかと言えば、他にやりたいことがなかったから」と言っていた。「やってもいいかなと思えることで、話がきたので、行くことにしました。」って。

別の人はこういっていた。「同業他社から年収3倍のオファーがあったんですよ。思わず行きそうになっちゃいましたよ。」そーなんだあ!!!びっくり。でも行かないわけでしょ?「行くわけないでしょ。」そうだよねえ・・・・


じゃあ、なんでちきりんはこの会社で結構長く働いているのか。ちょっと考えてみました。


(1)自由だから!
最大の理由はこれ。こんなに“指示”や“決裁”の少ない会社も珍しいだろう、と思う。稟議という概念がないことは外資系企業には珍しくもないですが、昨日も誰かが言っていたが「よくここまでリスクとれるよね」と感嘆するほど個人に裁量を与える会社です。

この自由さは一度覚えると捨てがたい。誰かの指示で仕事をするとか、やることなすことに申請やら許可が要る、という状況に、もう戻れない。

そしてこの自由さから派生するメリットとして、仕事の内容がルーチンにならず、おもしろく、楽しく“できる”ということにもなる。

これは“できる”ということであって、自分でそういうふうに持って行く必要はあります。もともとおもしろいわけでも楽しいわけでもなく、放っておくとすぐルーチン化するので、自分で“おもしろく設計する”という必要はある。

だけど、やろうとすればそうできる、というのは悪くない。


(2)ナイスな人が多い。

どこの組織にも“この人と働きたい!”と思えるようないい感じの人と、“ひえ〜近づきたくない!”と思える人の両方が存在する。それはうちも同じ。

だけど、比率的には圧倒的にみな“よい感じ”だと思う。耐えられないわ、と思う人ってごく僅かだ。みな話がおもしろいし、性格がいいよね。尊敬できる人も多いし、(尊敬はできなくても・・)すごいな〜!と思える人も多数。

なにより皆すごいエネルギーレベルが高い。“寝てるよーな人”ってのがいない。だから退屈しない。

自分の知っている世界だけの比較にすぎないが、ちきりんが知っている複数の他の企業と較べればこの点も圧倒的だと思う。

“話のわからないバカ”や“年をくっているとか、結果を出してるという理由だけで、意味不明にヤな態度の奴”もいない、いや、極めて少ない。


(3)組織がレバレッジできる。

これも大きな理由だと思う。個人(自分)がやりたいことを追求しようと思ったときに、組織(会社)が利用できるわけだが、この利用できる倍率みたいなのがでかい。つまり“利用しがいのある会社”だということだ。

他社に移って、このレバレッジ(利用できるものの大きさ)をより大きくできるか?というと、非常に希なケースを除き、ここにいるのが(この組織に所属しているのが)一番お得、という感じがする。

これは具体的に転職の機会のお話などが来た時に痛感します。その(誘われた)会社で働く自分、というのを考えた時に、「そっちにいったら、今の組織であれば難なくできていることで、困難になることがあるよね〜」と思える。


(4)休みがとれる。
介護休暇をとったり、遊びのための長期休暇もとれるし。

家族が遠くにおり、旅行好きで、長時間労働の嫌いなちきりんには、モーレツ企業は向いてないです。“伸び盛りのベンチャー企業”とかって、このあたりが大変だよね。

ただし・・・労働時間が短いわけでは決してありません。世間的にみればちきりんの労働時間もそこそこだとは思う。が、理不尽な感じはないのと、上に書いたようにまとめて休みがとれるのは、ちきりんの生活嗜好に合っている。毎日8時に終わる仕事より、年に数週間まとめて休める仕事の方が好きなんで。


なお、給与に関して言えば「普通にもらえる」という感じかな。世間からみれば十分に頂いていると思うけど、内部的には搾取されてる感もあるしね。むしろ、必要な経費をちゃんと使わせてくれる、ということの方がありがたい。

そんな感じ。


そこそこ長くいるので飽きることもあるし、ともすればルーチン化する日常業務をどうおもしろおかしく設計するかという戦いもある。組織に“もれなくついてくる”様々な軋轢やらうっとうしさももちろんあります。それでも総合的にみれば、こんないいとこ、なかなかないかもね、と思える。

そして“こんないいとこ、なかなかないかもね感”を拡大再生産していくために、ちっとでも貢献できればいいかなと。



結構ポジティブだな、わたし・・・


そんじゃね!