北朝鮮もしかするかも?

北朝鮮って「もうもたない」「崩壊が近い」と言われ続けて何十年。過去50年以上「あと50年で枯渇する」と言われて続ける石油と同じ狼少年系です。

ただ今回は、金正日総書記が脳疾患か心臓発作に見舞われたという報道もあり、おもしろくなってきました。

中国も韓国もアメリカも、すんごいいろいろ考えてると思います。まあ、日本はなんも考えてなさそうですけどね。

★★★

まず韓国は背筋が寒くなっているでしょう。万が一にも政権交代がスムーズに進まず権力の空白ができたら。万が一にも軍部が統率をとることに失敗したら・・・38度線を越えて北朝鮮から“同胞達”が押し寄せてきたら!(難民ね)

38度線なんて海や川があるわけでも高い山があるわけでもありません。ベルリンにあったようなコンクリ壁さえありません。単なる原っぱに鉄条網です。ここを人が超えられないのは、後ろから撃ってくる兵隊がいるから、というだけであって、物理的な障壁はなんもありません。


もしも国境で後ろから撃ってくる兵隊がいなくなったら?

国境警備隊の兵隊達がいきなり我先にと武器を捨てて韓国側になだれこみ始めたら?

何万、何十万、何百万人もの北朝鮮人民が雪崩をうって韓国側に越境を始めたら?

国境警備隊の将校一人が決断したら? 誰かが最初の一歩を踏み出したら? 誰かが「今だ!」と思ったら??


いったん始まれば、なだれ込み始める人を誰も押しとどめられない。それはもう一瞬の出来事になるはずです。


北朝鮮が崩壊するかどうかは、軍中央が全国の部隊をどこまでしっかりと統制できるか、それだけにかかっているということです。

なので金正日氏が「先軍主義」、すなわち「すべてに軍を優先する」という方針を掲げてきたことは極めて正しい政策でした。が、その金正日が倒れた!


そうなった時、韓国側はどう対応するでしょう?テレビは38度線を越えて続々とやってくる“同胞の大軍”を半ばパニックになりながら放映し続けるでしょう。その時、韓国はこの大群をどう迎えればよいの?

韓国側の国境警備隊だって、当然ながら「止まれ!」と叫んで撃ったりは出来ません。だって夢にまで見た(?)祖国統一ですから! 国民の悲願である(はずの)南北統一!なのです。

じゃあ、諸手をあげて歓迎して万歳!!と叫ぶ?


38度線からソウルまでは約60キロ。時速6キロで歩くだけでも10時間で到着してしまう距離。数日後にはソウルの町は大量の北朝鮮難民であふれかえることになります。それでも後から後から押し寄せる北朝鮮難民。

韓国の人口は4800万人、うち1千万人がソウルに住んでいます。北朝鮮は人口2000万人程度。うち数百万人は10日ほどでソウルに到着するでしょう。これはソウル人口の2割、3割に達する数の難民です。しかも“邪険に扱うことは許されない難民”・・・が町に溢れます。


まさに“ソウルの悪夢”


どうするどうする李明博!?


★★★


中国とアメリカも真剣でしょう。あの場所に位置する国を「親米の国」にできるか「新中の国」のまま維持できるかは、アジアにおける米中の安全保障バランスに大きく影響します。

韓国では米軍は高い自由度を持っています。半島全部が韓国になったら、中朝の国境にそっってずらずら〜とミサイルが並ぶ可能性もあり、中国にとっては「あってはならない」ことでしょう。中国からみれば、なんとしてもこの位置には「親中国家」を維持したいはず。

そのためには、いきなり「民主化だ!」と叫んで国を開放したり韓国と統一しようとする人は、後継の指導者として絶対に認めたくないところでしょう。


北朝鮮の現体制で権力をもっている高官だって国の体制が180度変わってしまったら「逮捕され、裁かれる」わけだから(下手すると北朝鮮の人民に虐殺されるかもしれない)、当然、国の崩壊なんて望みません。

というわけで、金正日の後継を担えるキャパがあり、中国側がコントロールできる人物は誰なのか。胡錦涛主席はじめとする中国当局上層部は今、後継候補者の“身体検査”の真っ最中なんじゃないかしら?


それが誰なのか知りたい!
超興味ある。


まあとにかくおもしろい。

日本のテレビは総裁選ばっかり報道してるけど、そんなんよりよっぽどこっちの方がおもしろいと思うので、「ポスト金正日」の分析番組でもやってほしい。

いやおもしろいだけでなくて、日本にとってさえ、自民党総裁選よりこっちのほうが影響大きいような気がするんだけど??


んじゃね!