ちきりんは、先日の衆議院選挙の直前に「国民審査」についての説明エントリを書いた。趣旨は「一票の格差を是正するために、国民審査で意味のある投票をしようよ」と呼びかけるためだった。
・国民審査
そして、衆院選挙(国民審査)終了後に、結果について、「一定の成果はでたと思う」と書いた。
そして、選挙(国民審査)からちょうど一ヶ月後の9月30日。最高裁大法廷は、2007年の参院選における一票の格差裁判に判決をだした。
違憲判断こそ出なかったが(違憲判断を出すと選挙結果が無効になる可能性があり、非常にインパクトが大きい。)、多くの裁判官は「選挙制度の仕組みの見直しが必要」などと、強い文言で国会(立法府)に注文を付けた。
なによりも注目すべき事は、先日の国民審査で涌井裁判官と共に高い不信任比率を突きつけられた那須弘平裁判官がこの問題に関して“合憲”から転向し、今回は“違憲”に意見を変えたことだ。一ヶ月前の国民審査の結果も少なからず影響を与えたと信じたい。
「一票の格差問題」解消のために国政選挙ごとに手弁当で裁判を起こし、辛抱強くこの活動を続けておられる多くの弁護士や活動家の方々、今回の国民審査にとても効果的に影響を与えた「一人一票実現国民会議」のリーダー達、地道に裁判官の情報を整理し開示されていた下記のサイト管理人の方、そして今回、判断を合憲から違憲に変えた那須弘平裁判官も含め、ちきりんは
「何かを変えるために、実際に具体的なアクションをおこす人達」
を心から尊敬しています。
忘れられた一票 2009★最高裁判所 裁判官 国民審査 判断資料
民主党は選挙制度改革も唱えているので、少なくともこの問題に後ろ向きではないと思う。が、一票の価値を公平にするための具体的な方法論(法案)を練り上げていくのは、これまたとても大変なことだ。来年の参議院選には間に合わないだろう。ここでもまた“誰か”がリーダーシップを取り、変革の具体策を示していく必要がある。
“物事を実際に変えていく”というのは、かくも多大なエネルギーが必要なことなのだ。
人生において、「とにかくオレはこれを成し遂げたい!」と思うことがあり、それを実現するために頑張ることができ、そして(もしも)結果がだせたなら、それは本当に尊敬に値することだし、幸せな人生だよねえと、思う。