世界の都市人口ランキング

ライフネット生命の出口社長の本の中に、

「思考軸」をつくれ-あの人が「瞬時の判断」を誤らない理由

「思考軸」をつくれ-あの人が「瞬時の判断」を誤らない理由


ちきりんが大好きなデータが取り上げられていました。

それは、1000年前の世界の都市人口ランキングのデータです。

<西暦 1000年の人口が多い都市トップ10>


1. コルドバ(スペイン)
2.開封(中国)
3. コンスタンチノープル(トルコ)
4. アンコール(カンボジア)
5. 京都(日本)
6. カイロ(エジプト)
7. バグダッド(イラク)
8. ニーシャプール(イラン)
9. ハサ(サウジアラビア)
10. アンヒルバーダ(インド)
Tertius Chandler, Four Thousand Years of Urban Grwoth, An Historical Census (1987)

注)世界の都市人口には、“都市の括り”も含め様々な集計・推定方法があり、資料によって順位や数字が異なります。


この「地球上で人口が多かった都市ランキング」を歴史を追って見ていくのが好きで、さらにそれらの都市を実際に訪ねる旅行も大好きです。

そんなとき現地ではよく「千年前にはここが世界の大都市だったんだー」などと感慨にふけります。


とてもおもしろいデータなので、もう少し見てみましょう。元にしたデータはこちらこちらのものを使っています。

まずは直近の「世界の都市人口ランキング」を、様々な資料から拾ってみましょう。一番上が調査名で、二行目はそれぞれ何年の人口か、という情報です。その後、人口の多い順にトップ10の都市圏名がリストされています。


調査によって順位が違うのは、都市の境界線をどう定義するかとか、昼間人口と夜間人口をどうみるかなど、「都市の定義」がいろいろと違うからです。

ところが、表を見ると一目で分かるように、東京はどんな調査でみても、つまり、どう計算しても、世界トップの人口を擁する都市圏なのです。


メトリポリタン・トーキョー すごいでしょ。私たちは世界一の大都市に住んでいるのです!



さらに、どの調査でもトップ 10の大半がアジアの都市です。インドやバングラディッシュ、パキスタンまで含めれば、7割以上。いまや“世界の大都市と言えばアジア!”なんです。


★★★


次に、時系列で見てみましょう。なんと紀元前 1800年前から推計値があります。これを見ると、世界の大都市が存在していたエリアが、過去 4000年の間にどう変わって来たか、よくわかります。


テーベはエジプトのルクソールの近くにあった古代都市ですね。その後、長安、ローマ、コルドバというように世界トップの都市は移り変わっています。この表にはありませんが、1700年頃だと江戸もトップ 3に入っています。

西暦 1900年のリストをみると、欧米先進国の都市がずらっと並んでおり、「西欧の時代というのは1900年あたりだったのね」とわかります。1800年代にイギリスで産業革命が起こったのが大きいのでしょう。それで世界が一気に「西欧のもの」になったわけです。


そして、こういう資料を見ていて自然に思い浮かぶ疑問は、西暦3000年のトップ 10都市はどこだろう?ということです。

上から全部、漢字の都市名だったり、インドと中国だけでトップ10を独占するなど、いろいろ考えられますが、そんなふうにはならないでしょう。

2050年や 2100年ならそうかもしれません。でも 1000年単位ってすごい長い。今から 990年後の西暦 3000年に、この地球はどうなっているのか? どんな大陸のどんな都市が栄えているのか。考えただけでわくわくします。


最後にもう一度、西暦 1000年のトップ 10都市と 2000年のトップ 10をみてください。日本からは 1000年に京都(平安京)が、2000年には東京がトップ 10入りしています。

こんな小さな島国でありながら、1000年の時を超えて世界の都市人口トップ 10にランキングされ続けているニッポン。ちょっとすごいと思いませんか?


そんじゃーね。