「全国間税会総連合会」という妙な名前の団体が作っている「税金のまとめ」パンフレットの内容をご紹介。名前からして「なにその団体?」って感じですが、パンフレットには「消費税のあり方を考える会です」と書いてあるので、たぶん財務省の天下り団体かなんかでしょう。(そんなつまんないことに関心ある方はこちらをどうぞ。→「間税会のサイト」)
まっ、みんな、たまには税金の全体像とか勉強するのも悪くないでしょ!
1)国の支出合計(一般支出)
まずは、国の予算を支出側から見てみると、こんな感じ。
借金返済と、社会保障費(年金とか医療費とか生活保護の国負担分)、それに地方に回してるお金(公共事業も同じ色にしてみた)と防衛費をのぞく、「国の普通の行政費用」って少ないのねー。「スーパーコンピューターって、一番の必要があるんですか?」とか、細かいコト言っててもしゃーないわけよ、とよくわかります。
(単位:億円、合計は92兆2992億円、2010年の数字)
(念のため:日本の社会保障費の総額は上記の額ではなく、90兆円を超えています。上記は国庫負担分だけです。社会保障費用の総額を知りたい場合は年金会計など特別会計側の分もあわせてみる必要があります。)
2)国の収入合計(一般支出)
次に、収入側。借金でかいねー。これ当初予算だから実際にはもっと税収少ないのかも。それにしても一年で(税収よりかなり多い)44兆円も借金して、うち20兆円(上記グラフ)も借金返済&利払いにあててるってスゴイなー。(単位:億円)
3)国民負担率の国際比較
財務省は、「日本はまだまだ税金の上げ余地があります。国際的にみて負担が少なすぎるのです!」って言いたいので、こういう国際比較をよく出してきます。
それにしてもスウェーデンの負担率、高っ! 100万円の給与のうち、税引き後の手取りは35万円だけだよ。 (グラフ下の注を参照) 政治家がやたらと「北欧、北欧!、スウェーデン、スウェーデン!」という理由もこれでわかりますね。
(国民負担率=租税負担と社会保険料などの社会保障負担の国民所得に占める割合)
(注:実際には、消費税や法人税などすべての税負担+社会保障料を、国民所得で割っているので、給与・手取りの関係は比喩です。)
以上3つはパンフレットに記載されていたたグラフです。(色はちきりんが変更) 次からはちきりんの試算!
4)試算1 (単位:億円)
もしも日本の負担率をスウェーデンと同じ65%まで引き上げたら、国の収入はどうなるかというと・・・
ありゃー、それでもこんなに借金が残るのねー。
5)試算2
んじゃ、借金をなしにして、税金だけでその年の支出を全額払えるようにするには、国民負担率をいくらまで引き上げればいいの?という逆の試算をしてみると・・・
おお、100%未満じゃん!!!
ってことは、実現可能じゃん!?
だいたい85%くらいですね。「持ってけドロボー」って感じでしょうか。
てか、とりあえずコノ比率が100%を越える前に借金増やすの、やめた方がいいんじゃね?的な・・
そんじゃーねー!