編集後記 「日本の地方と若者の政治参加を考える」

5月後半より全9回に渡ってお送りしてきた、新宮市議 並河哲次氏インタビューはいかがだったでしょうか。

いつものエントリとは異なるスタイルでしたが、期間中の合計PV(82万PV←炎上しない分、やや少なめ)やTwitterでの反応を見る限り、おおむね好評だったように思います。


「ちきりん」は今、ふたつのモノをもっています。ひとつが文章力。もうひとつが二方向へのアクセス(読者へのアクセスと、取材対象者へのアクセス)です。

このふたつを利用して何がやりたいかな?と考えた時、「違う生き方をしている人を記録し、ネット上に残していく」のはいいかもね、と思えました。

並河さんは、大学卒業後“人と違う決断”をして、自分で選んだ道を行こうとしています。でも、そのことを広くいろんな人に伝えることは、彼にとって得意なことでも時間を使うべきことでもありません。だったら「ちきりん」がその部分を担当するのは、いい組み合わせかもと思えました。

前にも書きましたが、私はこのブログを「12才の時の私」に向けて書いています。こういう生き方があり得ることを、ぜひ、当時の自分に教えておきたいと思ったのです。


私が最初に並河さんにお会いした時、彼は市議になる前だったので、「NPOの拠点に住み込んで、農業やポン菓子売りをやっている」と言っていました。

私は農業にもNPOにもボランティアにも興味がないので、「何ソレ? 若いんだからそんなことして遊んでないで、働いてガンガン稼いでよ!」的なトーンで話をしたと思います。そして私の言葉は、(自分でいうのもなんですが、)非常に説得力があります。しかもあの時は、おそらく3時間以上話していたでしょう。

そんな中、並河さんは必ずしも説明は巧くないし、私に突っ込まれれば一時的には言葉に詰まったりもするけれど、最後まで「自分の意見はちきりんさんとは違う」と表明しつづけました。

それは彼が選んだ道が、彼が長い期間(何年という単位で)、自分のアタマで考えて、選んだものだからでしょう。自分のアタマで考えることはもちろんですが、ここでは「考えてきた時間が長い」ということが大事なことなのです。


みんなすぐに「考える力」とか「思考力がある、ない」とかいうけど、違うんです。基本は「どんだけ考えたか」です。「考えた時間の量」がめちゃくちゃ大事なんです。

「ちきりんさんの○○に関する意見を教えて下さい」と言ってくる人に、「じゃあ、その質問にたいするあなたの意見は?」と聞いたら、まともに答えが返ってこないことがよくあります。質問してる本人自身が、その問いについて、今までにせいぜい5分くらいしか考えたことがないからです。たいして「考えること」が好きでもないのでしょう。

ちきりん自身、必ずしも思考力がめちゃくちゃ高いわけではありません。だけど、やたらと長い時間考えるんです。トピックによっては何年もの間、考えていたりするんです。1時間や2時間考えたくらいで「スゴク考えました!」とか言うの、やめてほしいです。


★★★


今回の取材旅行では新宮市に隣接する紀伊勝浦に3泊し、温泉や自然、そして“めちゃ旨 南紀グルメ”も楽しみました。実は鉄道好きなので、大阪から新宮まで、帰りは新宮から名古屋を抜けて東京へと、紀伊半島の海側をずうーーーっと走る鉄道に乗れたのも、めっちゃ嬉しかったです。


次にまたこういった連載エントリが始まるのは、
・自然がキレイ!
・温泉が出る!
・美味しいモノがある!
場所に、
・取材したい!
人が現れた時になるでしょう。


ブログが人気になって何がよかったかと言われれば、こんな贅沢ができるようになったことです。


そんじゃーね!



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