最近「すごくおもしろい!」とワクワクしながら読んでいるのが、コレ↓

- 作者: 菊地正典
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2012/08/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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著者は1968年に東大工学部を卒業後NECに入社、その後は一貫して半導体関連業務に携わってきた方で、最後は半導体事業グループの統括部長、主席技師長を務められています。つまりは“半導体のエキスパート”
そういう方が懇切丁寧に半導体工場のすべてを解説してくださっている本です。
<目 次>
第一章 半導体工場の敷地内を歩いてみると
第二章 ICはこうして作られる
第三章 ICづくりを支える裏方プロセスを追う
第四章 原材料や機械・設備について知っておこう
第五章 検査でのミス発見法、出荷する方法
第六章 知られざる工場内の「御法度・ルール」
第七章 働く人々のホンネ
第八章 知られざる半導体工場の秘密
終章 「日の丸半導体」復活に向けての処方箋
終章は“どうなの?”って感じですが、八章までの内容は専門的でありながら、(ちゃんと最初から読んでいけば)この分野の初心者でも理解できる言葉遣いと、わかりやすい図表付きの丁寧な説明でとても面白い。
ちきりんは工場見学も大好きだし、工場の仕組みを知るのも大好き。特に自動車なり半導体なり日本の機械系、電子部品系の工場の完成度は、“この分野の人類の英知を結集した完成系”みたいなレベルで、まさに state of the art technology。
この本を読んでいるだけでも、ここまで“工場”を仕上げるには、どれだけの人の智恵と工夫と努力と熱意が必要だったんだろうと胸が熱くなる。実際に人生をそこに捧げた人が、“ものづくり教”に心酔するのは当然のことだよね。
その一方で、こういう本が出てくること自体、それらがもはや専門家でさえない“一般人向けの単行本”として発行できる時代に、時が移ったのだということを示しています。
日本だけが半導体工場のノウハウのすべてを持っており、それで経済を支えていた時代に、こういう本が発売されることはなかったでしょう。
この本を楽しむのは、私のような工場に趣味的な興味のある人や、他の種類の工場で働いている人、韓国や中国など他国での工場関係者(そのうち翻訳されるのでは?)などでしょう。
今後たとえ製造技術が新たな段階に入っても、一度ぎりぎりのレベルまで高められた生産現場の仕組みについて学ぶことは、将来の(どこかの国の)生産技術者にとって有意義なことだろうし、ある特定分野の“究極まで完成されたノウハウ”を、こういった形で残しておくこと自体に、大きな意味があると思えます。
このシリーズ、今回新たに自動車工場バージョンが出てました。
関連業界に就職する人にとってもためになるだろうし、“仕事のレベル”がどれほど学生の勉強のレベルと異なるのか、を知るためにもいいシリーズだと思います。金融とかコンサルとか、現場から遠い職場で働く人も一冊は読んどくべきじゃないかな。「ここまでやるわけ?」っていうくらい細かい工夫の積み重ねが、本当に涙ぐましい。

- 作者: 青木幹晴
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2012/11/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 4人 クリック: 145回
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<目 次>
第一章 クルマはこうして作られる
第二章 クルマ作りの行程とかんばん
第三章 智恵と工夫が自動車工場を効率化する!
第四章 平準化仕掛けがかんばんを支える!
第五章 運搬にも智恵を働かせる
第六章 ポカヨケは失敗の研究から始まる
第七章 標準作業票のあくなき進化が工場の進化につながる
第八章 トヨタ流自分を高める仕事術
エピローグ 韓国・中国企業はどう変わってきているのか
ちきりん的には、機械アセンブリー系だけでなく、いろんな工場の仕組みをこういう本で読んでみたい。
上記の2冊を読むだけでも、半導体という製品と自動車という製品がどれほど異なるものか、よくわかります。これらに加え、鉄や化学製品、食品、飲料、クスリなど、それぞれの工場にどれほどの英知が詰まっているのか。考えただけでクラクラするよね。
工場見学に関するガイド本も売れてます。一年にひとつは工場見学に行きたいもんです。

- 出版社/メーカー: 昭文社
- 発売日: 2012/10/10
- メディア: ムック
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工場ラブ!
そんじゃーね!
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