「勝つこと」と「勝ち続けること」

さて、今年最初の本の紹介です。“年初の気合い入れ”に役立つ一冊をご紹介しましょう。

勝ち続ける意志力 (小学館101新書)
梅原 大吾
小学館
売り上げランキング: 1,434

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著者の梅原大吾さんはプロのゲーマーなのですが、「なにそれ?」という人はまずはこちらの映像をどうぞ。

ちゃんと音声をオンにして見てね。見所は「会場の盛り上がり」なので。


ただし上記を見ても、大半の人にとっては相変わらず「なにそれ?」だと思うので、続けてこちら(解説バージョン)をどうぞ。(最後のスティックの握り方レッスンはやや微妙ですが・・)


この本のタイトルは「勝ち続ける意志力」なわけですが、本の中では「勝つこと」と「勝ち続けること」の違いが詳しく説明してあります。


「勝つためにやるべきこと」と「勝ち続けるためにやるべきこと」は全く違うし、時には相反さえする。

それに気がつかないと、単発で勝つことはできても、勝ち続けることはできない。プロである梅原氏は、勝つことではなく、勝ち続けることにこだわり続けているとのこと。

この話、ビジネスをやってる人にもとても参考になります。ビジネスだって一回だけ勝てればいいのではありません。勝ち続けることに意味がある。そのためには何が必要か?


一回勝つだけなら奇襲でもいいし、これを使えば絶対に勝てるという最終兵器(必殺技)を多用してもいい。大きくヤマを賭けても(巧くいけば)勝てるかもしれない。

でも、ずっと勝ち続けたいと思うなら・・・敢えて自分の得意技を使わずに戦う訓練をしたり、“オレの得意なスタイル”に頼りすぎず、別の(必ずしも得意とはいえない)スタイルや方法論も積極的に試してみる必要がある。

一回だけなら“動物的な勘”でも勝てるかもしれないけど、カンに頼っていたら勝ち続けることは不可能。

勝ち続けたいなら「どっちが正しいのか?」とか(つまらないことを)考える前に、すべての可能性を全部潰していくべきだ。

特定の環境に合わせた“勝ち方を覚える”のではなく、どんな状況にも対応できるよう、初めて遭遇した場面でも乗り切れるよう、常に自分を鍛え続けないといけない。


レベルは違うけど、ブログも同じです。

一回だけ大きなアクセス数を稼げればいいのなら、すごく刺激的な話題を選び、センセーショナルに煽ればいいし、マニアに受けそうなタイトルをつければいい。

びっくりするような特ダネを載せれば、一時的にはアクセス数が急伸するし、有名な誰かを派手に罵るだけでも注目を集めることができる。

だけど、何年にもわたって高いアクセス数を集めたいと思うなら、そんな方法で人気を維持するのは不可能です。一時的にアクセスを得るためには有効でも、長くアクセス数を維持したいなら、やらない方がいいという方法もあるでしょう。


なんでも同じだけど、一回だけ、ドンと勝ちたいのか、

ずっと勝ち続けたいのか

それによってやるべきことが違うんだよね・・


「勝つ方法」と「勝ち続ける方法」の違いを、これだけキレイに説明してくれた本は、初めて読んだ気がする。

言われてみれば確かにそうなんだけど、今まではほとんど意識してなかった。でもそれを意識すると、生産性がぐぐっと向上する。

これからは自分の判断についても、これって今回、勝つためのものではなく、勝ち続けることに資するのか、ちゃんと意識してみようと思った。


あとコレ、キャリア形成にも極めて示唆に富む本です。著者が、自分が生きる道を真摯に追求する姿勢にとても好感が持てるし、子供の将来についていろいろ不安に思っている親御さんにもお勧めかも。



年の最初に読む本は大事なので、心して選びましょう。

勝ち続ける意志力 (小学館101新書)
梅原 大吾
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そんじゃーね!

このエントリが機となり、梅原さんと対談させていただきました!
→「成長したければ、ひたすら変化すべき


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