アップルが日本の電子書籍市場に(腰を据えて?)乗り出すと報道されてました → 日経新聞記事
電子書籍マーケットに関しては、去年末の kindle 発売から一気に活気づいてますね。
オオカミ少年的だった“電子書籍元年”がようやくやってきた、と感じてる人も多いでしょう。(個人的には、2013年を元年と呼ぶべきと思ってます)
日経の記事の中には、
iPhoneの国内累計出荷台数は1700万台、iPadは380万台 2012年9月末現在、MM総研調べ
とあります。
累計数なので(買い替えを考えると)、iPhoneを使っているのは 1200万人くらいとみるべきなのかな? 一機種でこれは大きな数字ですね。
一方のiPadは 380万台とのことですが、これならまだ他の端末や他の方式が勝てる可能性は十分にありそう。
iPhoneはブログを読むにはいいけど、漫画や雑誌、本を読むには小さすぎるでしょ。
★★★
さて、アマゾン、グーグル、アップル、楽天など、入り乱れて参戦してるこの市場ですが、こういうのを見てると「本当に、競争ってすばらしいよね」と思います。
昨年の半ば、楽天が(体制も整ってないのに)「とりあえず始める!」と宣言したからこそ、日本の電子書籍市場は始まりました。
これに焦ったアマゾンは、kindleの発売準備が整う何か月も前から“coming soon!”と宣言せざるを得なくなったのです。
楽天が見切り発車をしなければ、キンドルの発売は今年にずれ込んでいたんじゃないでしょうかね。
さらにキンドルが絶好調で、iPhone, iPadにもアプリをダウンロードして読む人が増え始めるとなれば、さすがのアップルも焦ります。
iBookとしても日本語書籍の販売開始をこれ以上、遅らせるわけにはいかないということでしょう。
各社の熾烈な競争がなければ、みんなもっとゆっくりやってたかもしれないのです。
そういう意味では、「見切り発車した楽天エライ!」とも言えます。
楽天にはこれからもそのポジショニングで頑張ってほしいものです。
てか競争する複数社が存在してなくて、たとえばアマゾンもグーグルもいない世界でアップルだけが存在してたら、どんなにエグイことになっただろうと思うし、
楽天がいてくれるからこそ、アマゾンジャパンってあそこまで(他国のアマゾンに比べても)配送費が安いんだよねとか、
グーグルがめちゃをしないのは、フェースブックがいるからだとか
競合がいることで、どれほど消費者が守られ、メリットを享受できるているか、痛感することは多々あるわけです。
「反対、反対、絶対反対!」しか言わなかった成田空港&地元関係者が、羽田空港の国際化が打ち出されたらいきなり「夜も飛行機飛ばそうか」とか「値段さげようか」「アクセス改善しましょう」なんて慌てて言い出したのもまったく同じで、
競争ってほんと大事!
なんで地方分権に反対する人がいるのか、マジでわからないよ。
行政こそ競争させるべき。最もどんくさいものを競争させずして、どうやって改善するの?
★★★
話を戻しましょう。ご存知のように、ちきりんはかなり明確な“アマゾン押し”なので、この本も読んでみました。
創業者のジェフ・ベゾス氏って、スティーブ・ジョブズ氏の神格化度合いに比べるとあまりに割安判断をされてる気がする。あたしはこの人こそすごいと思ってるんだけど。
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本を読んで思い出したけど、アマゾンは一時期、ものすごい借金をしてシステムや配送センターを整え、海外にも積極投資を続ける一方、財務的にはずっと赤字で、全然利益が出せないと叩かれてた時期がありました。
ジェフとしては意図的な作戦(戦略)であったと思うけど、市場からの評価は無視できない。だからある時点で、(リストラまでして)利益を出す方向に舵を切ったわけです。
でも、最近また彼らは、採算度外視で(会計上の利益を出さずに)大きな投資をしようとしています。
電子ブックもそうだし、本以外のあらゆるものを売る小売業として世界でドミナントになるという目的のために。
ここから数年、ネット販売の世界では、すんごいおもしろいことが起こると思います。
超楽しみ。
<関連過去エントリ>
・すべてがアマゾン経由で売られる時代へ
・家で試し履きできる靴の通販ジャバリ体験記
・アマゾンがいろいろ安くなってる気がする(本以外の日用品でも!)
・お勧めキンドル本とアマゾンの準備着々
・アマゾンと楽天
・キンドルFireがやってきた!