時代は変わるんだぜ

前回、「今どき事業戦略を立てる時、自社の強みは何かみたいなところから考え始めるなんて、もうそれだけで終わってるよね」と書きました。

でも、戦略考えるときに、自分の強みから考えるって王道じゃないの? そういうフレームワークも習ったことあるよ、という人もたくさんいるでしょう。

じゃあなんでこういう話になっているかといえば、それは「時代が変わったら、答えも変わるのよ」って話です。


確かに昔なら、自社の強みから何を作るかねって考えるのもアリだったと思います。なぜなら「自社の強み」って、(自社にとっても他社にとっても)そうそう簡単には変えられないものだったから。いわば、固定的な条件だったんです。

たとえば、長年かけて培ってきたノウハウだったり、特許で守られた技術だったり、何年もかけて細かく調整&改善してきたラインの行程だったり。

うちは持ってるけど、他社にはおいそれと真似できない、一朝一夕には作れない、手に入れられない。そういうのが「自社の強み」でした。で、それを活かして勝負しようぜ、みたいな話が成り立ったわけです。


でも今はもう時代が違います。

強みは買ってこれたり、自分が不得意でも得意な会社に委託できたり、技術だって売ってもらえたり一緒に利用したり(勝手に使って訴えられたり)、共有&調達できるものになったんです。

しかも、世界中から会社が集まって「じゃあ、こうやったどうよ?」みたいな話し合いを通じて、作り方さえ決めていく時代になりました。そこではみんな自分の手の内(強み)を見せ合って、まずは仲間に入れてもらえるかどうかで最初の勝負が決まるんです。


オープンイノベーションといってもいいし、水平分業といってもいいし、コラボレーションと言ってもいいんだけど、もはや「ひとりでスゴイもん作る」っていう姿勢に拘りすぎること自体がヤバくなってる。

これって個人でも企業でも国家でも同じでしょ。ひとりの人、ひとつの企業、ひとつの国家に強みがあるのは(ないよりはよほどマシだけだど)、それだけじゃ、勝てなくなってる。あのアメリカでさえ、自分ひとりで中国と対峙しようとしないでしょ。仲間を増やして勝負しようとするじゃん。


覚えておいたほうがいいのは、「友達のいない勉強のできる奴」とか、「一人で何でもやろうとする奴」の時代が終わろうとしてるってことだすよ。

利害を共にする人たちと組んで、それぞれの強みを持ち寄って、全体として超スゴイものを目指そう、そうじゃないと市場で選んでもらえない、という競争になってる時に、ひとりで頑張る!なんて無理すぎなんです。

なんでもかんでも自社(&系列・仲良し会社)だけでやろうとするから、「なんかショボイよね」みたいなものが出来上がる。


時代が変われば、答えは変わるってこと。


そんじゃーね。