アラブの春@モロッコ

モロッコに行ってきました。


↓場所はこちら。北アフリカの一番西側。アラブ・アフリカと言われる国のひとつですね。

東隣のアルジェリアでは、 2013年 1月に天然ガス精製プラントが襲撃され、日本のエンジニアリング会社、日揮の社員が犠牲になりました。またその隣のリビアでは、長年君臨していたカダフィ大佐が(アラブの春で立ち上がった)民衆になぶり殺されました。


数年前に起こった「アラブの春」の発端は、上記地図では中央にあるチュニジア。その後あちこちの国に伝播した民主化運動は、アラブの盟主と呼ばれるエジプトでもムバラク政権を崩壊させています。


ところがその後に訪れたのは・・・ご存じ「アラブの氷河期」です。
泥沼の内戦が続くシリア以外でも、外務省海外安全ホームページでこれらの国を一つずつ見てみてください。どこもかしこも「退避勧告」やら「渡航延期勧告」やらで真っ赤っか。。。


ところがモロッコだけが、なんの警告もでていない。ここは日本の外務省でさえ何の注意も出さなくていいほど、安定した状態なんです。あの観光大国エジプトも今や、日本からはツアーも催行できない状態なのに・・・


というわけで、久しぶりに北アフリカに遊びに行ってきました。今日は砂漠の写真ばかりですが、全体としてはアジアの急成長国と同様、今後の可能性に溢れた国です。ただ、モロッコだけだと人口は 3千万人くらいしかいない。経済的に大注目されてるインドネシアに比べると 2億人も少ないんです。


だから市場としては北アフリカのアラブアフリカ全体で考えることになるのだけど、そうなると「他の国はみんな渡航延期勧告がでてます」という状態が厳しい。


私が前にモロッコを訪れたのは学生時代だから、既に 30年近く振りだったりするのですが、、


市場や旧市街はほとんど変わってなくて驚きました。。。これで30年分の変化なの!?って感じです。新市街は舗装道路が大幅に増え、地域自体が拡大しているし、スタバやカルフールができるなど、それなりに変わってましたけどね。


あと、今回は大都市から砂漠まで山脈越えをしながらあちこち回ったのですが、地方都市を見てあらためて田中角栄氏ってスゴイよねって思いました。


彼が唱えた「国土の均衡ある発展」という方針が、どれほどスゴイことであったか。海外で都市と地方を巡るとヨクわかります。


中国でも思うけど、モロッコでも大都市と地方の格差は驚くほど大きい。それにあたしたちはもう、上海がこれ以上ビルだらけになっても、中国が発展したとは思わないじゃん。
経済成長って、最初は大都市が牽引すればいいんだけど、途中からは日本みたいに「一気に地方都市を近代化できるか」って点が重要になります。大都市だけ発展させられる国はたくさんあるけど、「国土の均衡ある発展」はホントに難しいんだよね。*1


それにしてもモロッコ。あまりに平穏過ぎてびっくりしました。今や他の国には「アラブの氷河期」が来てるのに、ここはホントに「アラブの春」の真っ最中。国王が偉かったのか、過激派を徹底排除したのが効いたのか。。。いずれにせよ大成功したみたいです。


そんじゃーね



すべての写真はちきりん撮影 with コンパクトデジカメ。砂漠は予想以上に美しかった。

*1:だからこそ日本はその呪縛から今も逃れられないわけですけど・・