生き方においてクリエイティブであるということ

モロッコを旅行中、何冊か電子書籍を読みました。

そのうちの一冊が高城剛さんの本。枠内が下記の本からの引用。枠外は私のコメント。写真は、マラケシュ、そして、フェズの旧市街マーケット(ちきりん撮影)

私の名前は、高城剛。住所不定、職業不明
高城 剛
マガジンハウス
売り上げランキング: 25,934


いま、時代にとって必要なのは、あたらしい生き方の創造でしょう。デザイン、スタイルの時代を経て、生き方そのものに創造性を見いださなきゃいけないほど時代は窮屈になってしまいました。あたらしい生き方を提案できる者、クリエイションできる者が、新の二十一世紀のクリエイターだと思います。

→ これはホントにそう思う。もはや「モノ」をデザインするのではなく、「生き方」をデザインする人が注目される時代。
ビジネスに関しても「生き方のデザインを変えることを助けるビジネス」じゃないと、創造とは言えなくなってきてる。


あたらしいエネルギーを持った表現をするには、自分自身が変わることしかありません。考え方も生き方も住む場所さえも、なにも恐れずに変わることが、唯一の確実な方法だと思います。

→ 「変わらなきゃ」と(テレビCMで)イチローが言ったのはいつだったか。あたしたちは何故こんなにも「変わること」を怖がるのか?


僕は過去20年にわたり、携帯電話が本当に小さくなって耳に入るようになると、テレフォンのゴールは、テレパシーになる、と言っているように、人々の意識がいつか本当に「つながる」ことになると思います。

→ これ S F みたいで怖い。ホントにそんな時代が来るのかな。他者との関係性の中でしか、自己の確認ができない時代が来るってこと?

あたしはあんまり「つながる」ことが好きじゃない。そんなレベルで「つながる」なんて想像しただけで怖い。


アイデアと移動距離は比例します。日常から離れれば離れるだけ、俗と欲がなくなり、自身が活性化しアイデアが湧きます。
(移動するにはお金がかかりますが、という質問に対して) 移動の一番の問題は、決断力を伴う精神力と体力でしょう。予算ではありません。

→ その通りだよ。移動距離は大事。人を変えてしまうから。
あと、旅行好きな人で「お金がないから旅行ができない」なんて言う人はいないです。


情報とお金はとても似た側面を持ちます。情報を持つ人が偉いという風潮はとても危険です。お金と同じように、情報があると安心する人が多く、しかし事実は、情報に縛られて考えると、動けなくなるのです。

→ 至言。情報であれお金であれ、「持っていること」に価値があるストックの時代は終わった。
目的もなくお金貯める人と、具体的な目標も無いのにやたらと成長したがる人も同じ。意味無し。


こだわりの逸品=二十世紀的固定観念の固まりでしたからね。これは、二十世紀との決別であり、同時に形あるもの=デザイン時代の終焉を、僕の中で意味しました。

→ バブルの頃ってホント「逸品」の特集が多かった。一生モノとか限定品とか。「形あるもののデザインの終わり」という言葉は、とても腑に落ちる。


「自分も変わる=自分を曲げないの反対」は、少し前までカッコ悪いと言われていたかもしれません。しかし、柔軟な姿勢こそが、なによりの強さであり、変化自在な生き様こそが、この複雑な時代を生き抜くコツだと思っています。

→ 朝令暮改の時代。
あたしは、「ちきりんも変わってしまった」と言われるのを勲章だと思ってる。
どんどん変わろう。


「まじめに」と「楽しく」が反対語であることが日本人の問題のひとつではないか、とずっと思っています。
あとは、無意味な完璧主義。ちょっとでもダメなら、その人もモノもすべてダメ。完璧な人間はいないので、結局全員ダメ。完璧でないと、すぐにイライラするので、雰囲気が悪くなる。自分も完璧でないから「足りてない」と感じ、被害妄想になる。

→ 完璧主義の人、ほんとーに多いよね。そういう人って、他人に文句を言うことが多くなり、加えて、自分にも文句を言うことが多くなる。
それってツライでしょう? もっと他者にも自分にも寛容になればいいのに。


忌憚なく変わったことを言い続けていると、新興企業より古い体質を持った企業から声がかかることが多い。

→ 保守的な人ほど新しい言説に憧れるのは世の常。


政治でもそうだが、日本で本当に必要なのは、政権交代ではなく世代交代で、それが起きる気配はまだない。それまでは、昭和の共同幻想と供に日本は生きることになる。

→ まだまだ人口の半分以上は「昭和の幻想」に生きてる。しかも昭和の幻想に生きてる親は、自分の息子や娘にたいして強力にそれをプッシュしてる。いわゆる“いい家”ほど、昭和の幻想が引き継がれてる。


誰になんと言われようが、好きに生きたほうがいい、を実行すること。わがままとは違います。徹底的に自分と向き合ったあとで、俯瞰的に世界を見た上での自由と、ただ、好き放題に生きる自由とは、まったく異なるのです。

→ わかるようでわからない。あたしは好きに生きる。好き放題に生きる。
それが簡単なことじゃないってのは分かってる。
でも、いくら苦しくても「自由を手放してもいい」と思えるほどの辛さは何もない。


皆、時代が大変になるといかに新規市場、新規開拓をするか、を真剣に考えます。企業ならそうでしょう。しかし、個人なら「いかに働かないか?」を考える時代でしょう。競争に勝つことより、競争しないことに頭を使うのと同じ。それが、この時代の知恵者のすることだと思います。

→ まさにあたしだよ。

20世紀、戦争に勝つために総動員された“知恵”は、21世紀、戦争を避けるためにこそ使われるべきだ。



(写真はすべてちきりん撮影)



キンドルで読むのがいい本だと思った。たった 450円で「クリエィティブってどういうこと?」ってのがわかるお買い得本。

私の名前は高城 剛。住所不定、職業不明。
マガジンハウス (2013-05-09)
売り上げランキング: 2,346


そんじゃーね!