市場&失敗こそ学びの場

今回の新刊では、どうすれば「マーケット感覚」が身につくのか、その方法について詳しくまとめています。

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中でも重要なのが、「市場から学ぶ力をつけること」です。そしてそれは「失敗から学ぶ力をつけること」でもあります。


学びの場には、大きくわけて「組織」と「市場」のふたつが存在します。組織からの学びとは、学校組織や会社組織での学びです。他には、セミナー会社主催の勉強会などもあります。

学校では教育が行われ、企業でも新人研修やスキル研修が行われる。講演会や勉強会もふくめ、これらは「組織的な学びの場」として広く認知されています。


でも、もっとも重要な学びの場は「組織」ではなく「市場」です。

なぜなら組織からの学びでは「わかるようにはなる」けれど、「できるようになる」ことは期待できないからです。

「わかるようになる」に加え、「できるようになる」ためには、組織での学びに加え、市場からの学びも手に入れる必要があります。

ところが、「学ぶ場」というと組織しか思い浮かばず、市場から学ぶというコンセプトの理解できない人、もしくは、不得意な人も、世の中にはたくさんいます。


なぜかって?

失敗が怖いから。
失敗に慣れてないから。
失敗は避けるものだと教えられて育っているから。

です。


市場からの学びは、組織での学びと異なり、座学ではなく実践です。実践し、失敗し、そこから学ぶというプロセスです。つまり、市場から学ぶとは「失敗から学ぶ」とほぼ同義なんです。

このため「失敗は避けるべきものである」と考えている人は、市場から学ぶという大きなメリットを享受できません。


★★★


下記は新刊に掲載されたイラストです。(良知さんに書いて頂きました


失敗を怖がる人は、失敗と成功の関係をこのように捉えています。

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こんなふうに考えていると、スタートラインに立ち、できるだけ失敗しないよう準備することばかりに(貴重な人生の)時間を使うことになります。「勉強ばかりして、いつまでも動けない人」になってしまうわけです。


本来、失敗とは成功までの道すがらにある「成功までのプロセス要素のひとつ」です。失敗とは、成功するために拾い集めなければならない「価値ある石」なんです。


これがわからないと、「何かを学びたい!」と思った時、常に(失敗を避ける方法ばかりを教えてくれる)組織から学ぼうとしてしまいます。でもそれだけでは、けっして「できる」ようにはなりません。


「日本は一度、失敗したら許されない国。もっと寛容になるべきだ」とか言う人は、本質が理解できていません。失敗は、「悪いことだが許されるべきこと」なんかじゃありません。

自分が手に入れたいモノ(生活を含め)に到達するための、必須プロセスなんです。


失敗しない方法ばかり考えて、こういう人や会社になっちゃうのではなく、

・失敗しそうなことはやらない = やりたいことも(失敗しそうだから)やらないままになる人
・失敗の可能性のある間は、ひたすら勉強を続ける = やらないまま時間だけが過ぎていく人


・企業の場合=「他社が同じような商品を出して、成功するとわかってからウチも出す」
・「それまでは、組織内で延々と検討を続ける」


失敗と成功の関係を正しく理解し、市場から学ぶ能力を身につけて、「新たにできるようになること」をどんどん増やしていきましょう。


こちらの堀江さんのスピーチ。最後まで見てください。「失敗の意味」がとてもよくわかります。


そんじゃーね!


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