去年買ったテレビの全録機では、過去 2週間に放映された番組がすべて自動で録画され、
いつでも(しかも検索して!)見られるようになり、結果として今までよりテレビを観るようになりました。
メチャ便利!
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そこで今日は「この番組、おもしろいよー」のご紹介です。 名付けて“テレビ番組キュレーション by ちきりん”
(タイトル名は番組サイトにリンクしてます)
まずは軽めの社会派番組から。
社会風習や日常生活、教育やビジネスの現場で起こっている“大変なコト”が取材され、スタジオで所ジョージさんを中心に数名の出演者が追加情報をコメントする番組。
10万円で叩き売られる苗場のマンションに移り住む人の事情とか、学校で使われる鉛筆や運動具が昔と大きく変わってきてる話、日本の霊柩車がモンゴルで大人気になってる話など、
「えー! そんなコトが!」的な現象をピックアップしてくれて大変おもしろい。
所さんの「大変ですよ!」と似た番組ですが、この番組が取り上げるのは過去の大事件。
過激派だったり大型詐欺事件だったりトンネル事故だったり。歴史を変えた事件でもすっかり忘れてたりするでしょ。
“オイルショック”“愛人バンク““ホテルニュージャパン事件”など、「そーいえば、そんな事件がありましたね。あれって結局なんだったの?」って感じの昔の事件が深掘りされてます。
当時はよくわかってなかった事実が後から判明した、みたいなことも多く、この番組をみて事件のイメージが変わることも多いです。
★★★
日本の地上波チャンネルがほとんど報じない海外のニュースやドキュメンタリーを流してくれる番組もお気に入り。
ニュースでは、
他国のニュース番組をそのまま(吹き替えや字幕で)流してくれます。
大事件が起こったときに(たとえば北朝鮮の水爆実験などの時に)アメリカや韓国のテレビ局がそれをどう報じているのかが見られるし、
パリでテロが起こると、その日のフランスのテレビ局のニュースが見られて、とっても臨場感があります。
特に大事件がないタイミングでも、ベトナムのニュースを見てると、マンゴーの輸出とかハノイの水害とかが報じられてて、「へー、今ベトナムでは、こういうことにニュース価値があるのね」ってわかったり。
あと、スリランカの内戦中の人権侵害についてシンガポールのテレビ番組がニュースで取り上げるなど、「他国が、別の他国の事件についてどう伝えているか」ってのも、なかなか手に入らない視点で新鮮です。
たまにはいろんな国のニュースが見たい人、大事件が起こった時に他国での報道を知りたい人にぴったりです。
アメリカ経済、台湾の総選挙、ミャンマーの民主化、ジャカルタのテロ事件など、海外の大きな政治イベントや事件について、日本人レポーターが取材し、解説する番組。
こちらは、日本人目線で海外の主なニュースについて知るのにベスト。
海外おもしろニュース、みたいなコーナーも楽しい。
上のワールドニュースとは異なり、「ベトナムがマンゴの輸出を」みたいな話は特に大事件でもないので、こちらでは取り上げられません。
こちらも世界 20数カ国の国のニュースから主なものを選んで見せてくれるのですが、
・日本人キャスターによる事件の説明と、
・現地のニュース番組からのクリップを
組み合わせて見せてくれるので、初心者にはわかりやすい構成です。
慣れてきたら現地のニュースをそのまま見られるワールドニュースのほうが恣意性が少なくていいと思いますが、「海外のニュースを見る初心者」にはこれがわかりやすいかも。
慰安婦問題の日韓合意について、KBS(韓国のテレビ)がどう報じたか、アジアインフラ投資銀行の設立についてCCTV(中国のテレビ)がどう報じたか、吹き替えで見られるのは便利です。
後半は特集として、韓国のマイナンバーにあたる住民登録番号(既に 50年も使われてる)についてのレポートなど、独自取材もあります。
ニューヨークでイスラム教徒などいろんな民族が住むエリアでのクリスマスを取材し、ユダヤ人地区では「クリスマス? 存在は知ってるけど興味ないね」みたいなユダヤ人を取材してたり。
日本人にはよくわからない宗教観の違いなども現実感を持ってわかるのがいいですね。
ニュースじゃ無くて、特集番組やドキュメンタリーでは、
一番好きなのはコレかな。海外の政治や経済、文化など幅広い分野の課題について解説される番組。
台湾の大統領選、南米の犯罪組織、アフリカの若者が置かれた状況など、普段あまり気にしてない話題が深掘りされてるので、とっても勉強になります。
こちらは海外で作られたドキュメンタリー番組を、吹き替えや字幕を付けてそのまま流す番組。
内容的には日本の NHK スペシャルと同じタイプの番組ですが、番組の作り方や視点の持ち方自体が海外なので、その点でもおもしろい。
フランスのテレビ局が作った“シリコンバレーの闇”みたいな番組なんて、「フランスがアメリカをどう見ているか」がよくわかって、とても興味深かった。
アメリカの「すべてのホームレスに家を」というドキュメンタリーもすばらしかった。いろんな国のいろんな問題を知ることができる。
★★★
エンタメ物では、素人さんを追いかける番組が好きです。
渋谷や新宿、上野駅などで、深夜、終電が無くなった時間に駅前にたむろしてる人に声を掛け、「タクシー代を払うから、家についていってもいいか?」と聞き、
了解がとれると、実際についていって家に上がり込み、いろいろ話を聞く番組。
他人の家をのぞき見るってちょっとドキドキするし、「こんな人がいるんだー」という意味で社会が拡がります。
また、見かけはグダグダでも真面目な人も多く、「みんな一生懸命生きてるんだなー」と思えて偏見が無くなる。
こちらは秋葉原とか新宿歌舞伎町とか、時には地方のさびれたホテルとか、いろんな町のいろんなお店に 72時間、カメラを据えて取材する番組。
映すのは 72時間のうち面白いコトがあった部分だけですが、これも「人生いろいろやねー」ってのが分かってとっても楽しい。
ダンスホールや地方のモーテルなど、行ったことないって場所でも、これをみると「そーかー、こういう場所なのね」ってわかります。
ただし上記ふたつの番組は、片方に「たまたま街で出会った女性」として登場してた人が、もうひとつの番組でも「たまたま」現れたりするので、“やらせ”というか“仕込み”があるっぽいですね。
マネジメント事務所が売り込みたい人を“取材してあげてる”感じ。
★★★
日本のビジネスニュースでは、
が人気ですが、私が好きなのは、
どちらも日経系なので似たような番組ですが、後者のほうが解説が深いです。
WBS の方は(かなり宣伝染みてはいますが)トレンドのベンチャーとか、企業からの売り込みイベントを漏らさず取材してくれるので、旬のイベントを追いたい人には役にたつかな。
どちらもコマーシャルが多すぎて、録画でないと見られませんけど。
ニュースじゃなくて、ビジネスドキュメント系だと、
ガイアの夜明けは産業の変遷にフォーカスしたものが多く、カンブリア宮殿は、社長個人、経営者個人にフォーカスした番組です。
個人的には個性的な中小企業のオヤジ的な人物が取り上げられる、後者の方が好きです。
どちらも興味が持ちやすい形に編集してあるので、ビジネスに関心の無い人でも見やすい。扱う業界の幅が広いのもいいです。就活生とか、こういうの見ればいいのでは?
ビジネスではなく社会問題系だと、
も、よく興味深いトピックを取り上げてますね。
皇室とか過激派に入ってしまう若者(日本の話です)とか、昔の漫画家の若かりし頃の話とか。
戦争や深刻な社会問題から、文化や流行に関わるトピックの広さがいいです。
・時論公論
は、10分間で問題のポイントを教えてくれる社会問題の解説番組。社会の仕組みを全く知らない人には役立ちます。
北朝鮮の番組かと思うほど愛想がないのと、建前論みたいな解決策が示されて「意味なーし」と思うこともありますが、「なるほど、そーゆー問題があるわけねー!」みたいな(知らなかった切り口からの)問題提起も多々あり、たいへん勉強になります。
ビジネスと社会問題の狭間あたりでユニークな活動をしている人に密着するのが、
大人の引きこもり更生施設を運営するプロや、個人で救急病院を作っちゃう異端の医師など、“そこまで有名人じゃないけど、個人としてスゴイ人”にフォーカスして、その仕事振りを取材します。
フィレンツェでブランドを立ち上げた日本人のカバン職人とか、シンガポール生まれで日本で写真家として成功した人の話とか、日本と海外の両方を舞台に活躍する人の話も多い。
カンブリア宮殿は企業経営者が多いけど、こちらはもうちょっと身近な人、個人として頑張ってる人が主役かな。
フォーカスされる人は(昔ヤンキーだったとか、母子家庭で貧困で工場で働いてたとか)みたいな人も多く、逆転の人生ドラマも楽しめます。、
これも同じような番組です。かなり低予算で作ってるっぽいけど。
メイドカフェの火事、震災後のあれこれ、若くしてガンで亡くなったアイドルとか、ちょっと見るのが怖いようなトピックが多いかな。
★★★
ビジネスや社会問題を離れると、
芸能人やスポーツ選手、作家など有名人のルーツを探る取材番組。
「この人のひいおじいちゃんって、こんな人だったわけ??」みたいな有名人にたどり着くこともあれば、
特に有名じゃ無いけど、動乱の時代を必死で生き抜いた祖父母の苦労話が古い写真などと共に明らかにされ、本人も感激で泣いてしまったりすることが多い。
自分がこの世に生を与えられたのは、3代前、4代前の名も無きひとりひとりの人間が一生懸命、生きてくれたおかげなんだなーってよくわかります。
名も無い個人の人生を通して、歴史や時代背景が学べるのものいい。
日本の歴史のちょっとした(隠れた?)エピソードを解説する番組。
CG を駆使した再現動画がふんだんに使われるので、とってもわかりやすい。“マンガ歴史物語”の番組バージョンみたいな感じでしょうか。
いろんな国のレストランのシェフに、日本料理の名前と簡単なヒントだけを伝え、その名前から“妄想”して、どんな料理か推定しながら、現地の素材で作ってもらう番組。
といってもお題はスキヤキやテンプラと言った有名料理ではなく、“軍艦巻き”や“土手鍋”など、わかりにくい料理ばかり。
しかも、「土手鍋を作ってください。ヒントは“土手の鍋です”と“寒い時に食べる料理です” 以上」と、
「それじゃヒントになってないやろ?」みたいな情報だけで作るので、毎回まったく似てない料理になります。
が、
そこはさすがプロのシェフ。
似ては無いけど、毎回すごく美味しそうな料理ができあがります。
最後に、現地シェフに動画で正解料理の作り方を見てもらうのですが、彼らも初めて知る日本料理に興味津々。
いろんな国の料理の風習がわかって旅に出たくなる。
あと、どっちかの国が相手国を一方的に褒めしたり批判するのではなく、双方の相互理解が進むのも見てて気持ちよいです。
★★★
こちらは高校の各科目の講座ですが、大人が見ても十分に勉強になるし、昔の「つまらない退屈な教育番組」のイメージと異なり、映像や CG をふんだんに使って飽きさせない構成になっています。
私は世界史が好きなのですが、数学、英語、化学、生物、物理など理科全般、世界史、日本史、地理など社会の各科目、さらには芸術から体育まであり、
正直言って、学校なんか行くより、家でこれを見てるほうが子供だって勉強になるんじゃないかなって思います。
自分の得意な(もしくは関心のある)科目から、ちょっとだけ録画を観てみたらどうでしょう?
★★★
インテリアや建築系のエンタメも好きなんですが、付随するトークがいまいちなのが玉に瑕
↓
よく見るんですが、あまりに繰り返しの多い番組なので、最初のビフォーの部分を 1回だけ見て、あとは、最後のアフターの紹介まで飛ばします。
スタジオのおしゃべりもイマイチなので、ホントに「ビフォー」と「アフター」しかみません。特におもしろいのはビフォー。
よくこんな家に住んでるなーと驚くこと多し。
これもいいんですけど、最近はあまりに凝りすぎてて、非現実的な家が多すぎる印象。「誰が掃除すんの、この家??」みたいな。
あと、「そんな年でよくそんな大きな住宅ローンを組みますね??」とか「40代半ばでそんな階段の多い家を建てちゃうと、10年後に大変よ?」などと、ブツブツ一人で突っ込んじゃうこと多し。
★★★
アートの解説番組は、ゆったりした気分の時にお茶を飲みながら見るのにぴったりですね。
これらの番組は実際に開催される展覧会と連動してる場合が多いので、番組を見てから展覧会に行くと、絵の背景や画家の人生まで理解できます。
てか、展覧会に行く前に番組を見て、展覧会に行くかどうかを決めればいいと思う。
ちなみに私はずううっと昔、日曜美術館で紹介されたゴッホの絵があまりに衝撃的だったので、その絵を観にオランダまで行っちゃいました。
★★★
ここ10年以上、地上波のドラマはほとんど観てない私ですが、唯一の例外がこちら。
人気漫画のドラマ化ですが、ディテールや雰囲気を含め、ここまで再現できてるのはスゴイ。松重豊さんの演技もナレーションもほっこりしててとても暖かい気持ちになれる番組です。
その他、韓国ドラマはスカパー!で見てます。日本のドラマを観ないのは、あまりにも説教臭い(努力は報われる、的な)モノが多いから。
★★★
いかがだったでしょうか?
気になるのがあったら、この週末にでも録画予約をしてみてくださいね。or 全録機をお持ちの方は、ざっくりチェックしてみてくださいな。
他にも(よく見てる番組が)あると思うので、思い出し次第、追記していきます。
お勧め番組があれば、ツイッターで教えていただければ見てみます。(ただし全てを紹介できるわけではありません。あらかじめご了承ください)
ほんと、全録機は価値がある。去年買ったもののなかで、一番役立ってます。
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