で、どこにあるのよ?

木下斉さんにボロクソに言われてる ふるさと納税ですが、もちろん私もお世話になってます。

てか、ここ数年、この制度のおかげでお米をまったく買ってない。


これ、納税すると返礼品と一緒にいろんな売り込みパンフレットが届くんです。


どこの自治体も“ふるさと納税”をきっかけに、都会からの観光客(あわよくば移住者)が来てくれることを期待してるみたいなんですけど、

だったら、送ってくる書類に県名くらい書くべきだと思いません?


これじゃあ、どこにある町なのか、全くわからないでごじゃるよ。
観光に行こうにも、北陸にあるのか四国にあるのかで、行きやすさも行きたくなる季節も全然ちがうのに。

これ見て「ああ、あそこね」って分かる人が、どんだけいると思ってんのかな??


ここ(↓)なんて年賀状まで送ってくるんだけど、町長さんの写真を載せる前に、町名に“ふりがな”を振ってほしい。

正確な読み方がわからないと(観光に行こうかなと興味をもったとしても)ネットで検索するにも大変なんです。


役所って住所にしろ名前にしろ、住民にはすべての書類に“ふりがな”を書かせるくせに、自分達の町名は日本中の人が読めて当然と思ってるんですかね。

ちなみに町長の写真を載せるのは、町民向けのパンフレットなら意味があります。選挙ポスターと同じ効果があるからね。

でもそれを、町長選挙の有権者でもない“ふるさと納税者”向けの年賀状にまで載せるのは、住所を町名から書き始めるのと全く同じ。誰に送る書類なのか、ぜんぜん考えてない。

年賀状には町長の写真ではなく、日本地図を載せ、自分の町のある場所にでっかく“丸”をつけといてください。

そのほうが余程マシですよ。


ここは文章から、大陸が九州だということはわかる。でも県名は不明。



こういう町や村の役場は、いつもは自分ちの住民にしか書類を送らないから、住所を書くときに県名を書くという習慣がないんです。

だから都市部に住む人に書類を送るときも、(何も考えず)全く同じフォーマットで資料を送ってくる。


でもね。これらは納税書類なんだから、本人やその家族、税理士さんにアシスタント、税務署職員まで、いろんな人の目にとまるんです。

しかもふるさと納税をしてる人の大半が、港区だったり世田谷だったり、都市部に住んでるってことも知ってるでしょ?

だったらせめて自分の町がどの大陸にあるのか、何県にあるのか、書いといたらどう?


それが一目で分かるようにしておけば、出張とかにいくとき、「そーいえば、○○町って近くだったよな?」みたいになるじゃん。


移住を考えてる人だって県名が頭に残っていれば、テレビで宮崎県の特集を見た時、「そーいえば、あの自治体も宮崎県だったよな」みたいに想起できる。

町のある場所が北海道や北陸だと強調し、意識付けておけば、テレビが「北陸新幹線が開業!」「北海道新幹線が開通!」とニュースで報じてくれるたびに、

「そうかー新幹線が開通したんだね。この前、ふるさと納税した町も行きやすくなったかなー」みたいに考えてもらえるじゃん。

そういうの利用しなくてどーすんの?

ほんと、マーケット感覚の不足が甚だしい。


他にも、返礼品の再注文書を同封し、納税後、返礼品を別途注文してくれた人には配送料無料とか割引をすれば、再注文の大きなインセンティブになるし、

書類に「返礼品名&その写真」を載せる(←納税した人がもっとも忘れないのは「あれが美味しかった」という記憶なので、どの町から何をもらったかの紐付けに役立つ書類が重要)とか、

できることはいくらでもあるのに、みーんな横並びで観光パンフを送ってくるだけ。

もうちょっと顧客目線で頭を使ったほうがいいのでは?

てか、顧客インタビューをするくらいの意欲をもったほうがいいのでは?


「はっ! 確かにそのとおりだ・・・」と思った自治体の方、この本、お勧めですよ。

本書は、ハーバード・ビジネス・レビュー読者が選ぶベスト経営書 2015 の9位に選ばれた他、ビジネス書大賞 2016 にもノミネートされています。


そんじゃーね!


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