オリエント工業 40周年記念展「今と昔の愛人形」を観に行ってきました。 → 展覧会 情報ページ
「愛人形」って何?って感じですが、英語にすると「ラブドール」、(ずっと昔には)ダッチワイフと呼ばれてたものです。
このラブドール、デザインにしろ素材にしろ機能にしろ、ここまで数十年の進化が驚異的なんです。
なのに、なかなか実物を見る機会がない。今回は入場料 1000円で触ったりもできるということで、ちょっくら出掛けてみた次第です。
一部を除き撮影やネット掲載も OK だったので、いくつか紹介しておきましょう。
もはや石黒浩先生とコラボして、これに AI を載せてもらえば生身の女性なんて要らないんじゃないの? みたいな感じです。
製作過程の説明もあるのですが、顔なんて最初はこんななのに、
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余分な部分を切り落として目を入れ、
おでこに映り込んでるのは私のカメラについたゴミです。すみません・・
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人間らしい暖かみのある肌にした後、
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アイメークするとこの変わりよう! 人形も人間も化粧の効果ってすごい。
ひとつだけ「お触りオッケー」な人形があり、あちこちから手が・・・
胸がすこしだけ左右に拡がってるところとか、リアルすぎでしょ。
こちらもまたヨクできた作品で、片方の乳房を揉むともう片方の乳房から白ワインが出てきます。
しかも乳房を揉まれると艶めかしい声で「あぁぁん、まだやめないでぇ」とか言う・・・。パーティドールと呼ばれてるみたい。
ワイン代を払って乳房を揉んでた男性、「まだやめないでぇ」に呼応して「大丈夫。やめないよぉ」とか、半分本気入ってました。
観客の中には男性客だけでなくカップルで来てる人やベビーカーを押したお父さんも・・・
たしかに明るく健全な感じの展覧会ですが、中には(ブログでは紹介できない)ちょっとドギつい展示もあるので、幼稚園とか小中学生は連れてかないほうがいいかも。
写真撮影だけでなく動画も OK なようで、外国人の方とか熱心に撮影されてました。もっと広い会場で常設展示にしたらインバウンド観光にも役立ちそう?
開催会期はあと数日だし、地方在住だから行けないよ!って方、展示内容は下記のカタログに網羅されてます。
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<アマゾンの紹介文より>
初のラブドール「微笑」から、人気の最新ラブドールまで完全網羅!! フルカラー&ハードカバーの豪華本!!
また、上記は「カタログ」ですが下記は「アート」
篠山紀信さんがラブドールを撮影された写真集なんですけど・・・これがまた凄くて・・・もはや被写体さえ人間である必要はないのかも、とまで思えます。
LOVE DOLL×SHINOYAMA KISHINposted with amazlet at 17.06.08篠山 紀信
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<アマゾンの紹介文より>
「ラブドール」は、かつてダッチ・ワイフと称され、男性の愛玩用として誕生しましたが、
東京藝術大学大学院を修了したスタッフを擁するオリエント工業が造形する最新の「ラブドール」は、
世界最高水準の技術、芸術性をもって独自の進化を遂げ、そのクオリティが極めて高く評価されています。
その世界的にも稀有な現代アート作品「ラブドール」と出逢った篠山紀信が独特な視線で見つめ、捉え、かつてない「ラブドールの世界」を生み出しました。
夢とうつつ。ドールと人間。生と死とは。観る人の感性を静かにかき乱す「人間の現在」を問う問題作です。
そしてこちらは以前に観たラブドールを主材(主役?)とする是枝裕和監督の映画。
ラブドール役の韓国女優さんの演技がすばらしく、切なく、透明感のある映画でした。
全体の感想としては、「隠れて売られる恥ずかしいモノ」ではなく、
世界屈指の技術を駆使し、高い芸術性をもち、かつ、多くのユーザーの人生を豊かなものにする−−私たちが作っているのはそういう社会的な意義のある作品なんですよ!
という作り手の気持ちが強く伝わる展覧会でした。
日本ってほんと、いろいろスゴイ。