みどころいっぱい青森県

青森観光といえば、ねぶた祭り、奥入瀬、弘前城の桜や紅葉あたりが有名なのだと思いますが、

今回、「冬の直前」という季節外れに青森市近郊を訪ねてみて、「他にもすんごいたくさん見所あるじゃん!」と驚いたのでちょっとご紹介。


まずは青森駅の近くにある「ねぶたの家、ワ・ラッセ」

数多く展示されてるねぶた祭りの屋台は、どれもカラフルで迫力いっぱい。

触れるサンプルなどもあるので、お子様連れにも向いてます。

ねぶたってこんなに表情豊かだったのねー。

私が訪れた日は、太鼓演奏や子供の(ねぶた祭りで踊られる)ダンスパフォーマンスもあり、めっちゃ楽しめました。


そのすぐ近くの港にあるのがこちら。以前の青函連絡船をそのまま使った博物館、メモリアルシップ八甲田丸です。

今は青函トンネル内を鉄道が走ってますが、当時は青森から北海道へは船で渡るのが一般的。私も乗ったことがあるので超なつかしかった。



中には昔の青函連絡船の乗り場+青森駅の様子を再現したジオラマや当時の写真が多数展示されている他、



運行されてた当時は見学不可だったであろう青函連絡船の操舵室や機関室がぜんぶ見られて大興奮!


キカイ萌えの人にはお宝博物館だと思います。


船の一番下の層には電車の車両まで! なんと昔は電車をそのまま載せて北海道に運んでたらしい。


ここもほんとーに楽しかったです!


★★★


上記の近くには青森ベイブリッジ??という橋があったり、A-factory というお土産屋さんがあるんですが、ここの品揃えも半端ない。


青森ってものすごく「特産品」の開発に力を入れてるんですね。しかも、なかなかオイシイ。

特に青森のりんごジュースは東京で飲むのとはぜんぜん違ってました。

あと、試しに買ってみたリンゴケチャップも(ややおこちゃま向けの味ですが)ぜひリピートしたいレベル。


★★★


同じく市街地にある元ショッピングビルのアウガ 


計画が甘くて既に経営破綻し、商業テナントはすべて撤退。今は上から下まですべて青森市役所が使ってるみたいです。(wikipedia


でも、地下のフードセンターで津軽三味線のパフォーマンスを観ながら、


海鮮丼を楽しんでると、(よくある地方再生の失敗プロジェクトなんて)まあどうでもいいかなという気になったりも。


★★★


上記は青森駅前ですが、そこから少し離れたところにあるのが、こちら三内丸山遺跡=縄文遺跡


敷地が広く、散策してるだけでも楽しい。


併設の博物館も縄文土器の展示くらいなら驚かないのですが、


この編み込みバッグにはびっくり。縄文時代にこんな手の込んだもの作ってたんですね。


★★★


遺跡のすぐ隣にあるのが青森県立美術館。ここは建物もすごくおしゃれだし、


「どんだけ??」って驚くほど展示内容が充実してます。

まずはシャガールが製作(指揮?)したバレエの巨大な舞台幕 4部作が圧倒されるすばらしさ。

コレ、東京で展示されてたら押し合いへし合いの会場で 1500円くらい取られそうですが、ここでは数人でゆったり鑑賞でき、チケットも他の常設展示と併せてたったの 500円。

まじか。。。

→ 美術館のサイト


弘前市出身の有名現代美術家、奈良美智さんの作品も多数 ( 170点も!)持ってるし、
(下記は唯一写真撮影が許されてる巨大な「あおもり犬」)


他にも、
1)青森出身の棟方志功氏の版画や絵画
2)ウルトラマンの怪獣デザインで有名な成田亨さんのイラスト (カネゴンとかイカルス聖人とかジャミラとか、マジ興奮!!)
3)寺山修司氏の劇団、天井桟敷の演劇ポスター
4)青森ゆかりの現代アーティストの作品など、


充実したコレクションが次々と現れ驚嘆。

この展示が 500円で楽しめるなんて、おそらく日本で一番コスパのいい美術館だと思われる。


同・八角堂


★★★


さらに車で走ると、八甲田山雪中行軍の遭難資料館。


資料館のビデオを見て勉強したところ、日露戦争前の明治35年、迫り来るロシアとの戦争準備のため、陸軍が寒冷地の部隊に雪中行軍を指示。

これを受けて青森の第五連隊は八甲田山への一泊行軍を企画するのですが、これがなーんと 210名中、199人もが遭難死するという日本の登山史における、ってか、世界的にも最大規模の山岳事故=大惨事になりました。


しかもそれだけなら「青森の冬山は厳しい」って話で終わりですが、実は同じ時期、弘前の部隊も同じエリアで雪中行軍の訓練を行っており、

こちらのほうは 12日間もの長い日程だったのに、自然を甘く見ず十分な装備を調え、かつ、地元の案内人を雇うなど万全の体制で雪中行軍を実施。

結果、弘前の部隊は誰ひとり遭難せず、無事に行軍を終えている。

ってことは・・・青森第五連隊の大遭難は人災の色合いも濃いということ?


高倉健さんの主演で映画にもなってますね。

八甲田山 完全版 [DVD]
八甲田山 完全版 [DVD]
posted with amazlet at 17.11.11
スバック (2000-02-19)
売り上げランキング: 61,674


下記は(史実を元にした物語である映画ではなく)史実に基づくドキュメンタリーDVD。

ドキュメンタリー八甲田山 ~世界最大の山岳遭難事故~ [DVD]
TOKYO FOREST (2015-12-11)
売り上げランキング: 10,876


日本軍ってほんと「精神さえ強く持てば何でも克服できる」とか思ってて、客観的かつ冷静に判断したり、早めに撤退判断をするのが苦手。犠牲になった一兵卒の人達、マジ可哀想。

なお、この記念館があるのは実際に第五連隊が歩いた道沿いで、今でも冬になれば雪に覆われます。

「まさにここで 199人もの人が次々と倒れて遭難したんだ・・・」と思いつつドライブするのはちょっと複雑な気持ちかも。


★★★


以上、季節的には紅葉も終わり、冬の直前という季節外れの訪問でしたが期待以上に楽しめました。

ブナ林の中に沼や湖が点在する中を歩ける散策路も風情あるし、温泉も素晴らしかった。


沼に移るブナ林↓


こちらはドライブ動画(音がでます)


青森って必ずしもねぶた祭りや桜・紅葉の季節でなくても、東京や関西から三泊四日くらいで訪れ、十分に価値ある旅行ができるエリアだったんですね。

ただ最大の問題は「動くための足がレンタカーしか無い」こと。

Uber が解禁され、車の運転ができない人でも楽しめるようになれば、観光には大きなプラスになると思います。



そんじゃーね