アジア緊張の3つの国境 38度線、丹東、そして金門島 

アジアの近現代史に興味しんしんな私。

アジアでぜひ行ってみたい「国境の街」が 3つありました。

今回、台湾の金門島を訪問し、ようやくその 3カ所をコンプリート!

Voicyでも話しますが、いずれも本当に興味深い場所なので、今日はその3カ所についてまとめておきます。

★★★

まずは韓国と北朝鮮の国境(?)である38度線です。両国は休戦しているだけで、まだ準戦時中。その休戦ラインがこの38度線となります。

こちらがよく見る板門店の風景。トランプ大統領と金正恩氏が握手した場所ですね。ニュースなどでも頻繁に映ります。
(向こう側の白いビルは北朝鮮側のビルです)

プレハブの中はこんな感じ。観光客でもここまで入れるなんてびっくりしました。

ただし訪れる前に、下記のような書面にサインを求められました。なにがあっても責任とらないよ、的な誓約書です。


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ふたつめは中国の丹東。

丹東は北朝鮮と中国の国境となっている鴨緑江に面した街で、ニュースなどで「中朝関係」が報じられるときに使われる映像の大半が、ここ丹東の街です。

北朝鮮と中国の間には大きなふたつの橋が架かっており、電車や自動車が渡れるようになっていますが、私たち観光客も途中まで歩くことができます。

鴨緑江のクルーズも可能で、船からだと左右に北朝鮮と中国が見渡せるのですが、

この写真 ↓ を見ると、右岸と左岸の風景がかなり違うの、わかりますよね?

そうなんです。北朝鮮側はこんな感じだけど、

中国側はこんな感じ!

鴨緑江の川幅はかなり短い部分もあり、双眼鏡を使えば北朝鮮の農民が畑仕事をしている様子も見られたり。

はたまた川の上で船を寄せ合い、取引をしている中国側と北朝鮮側の商人までいるんです。

日本人観光客で丹東に行く人はあまり多くないのですが、こちらは旧満州を巡った2017年の「ちきりんツアー」で訪問できました。

★★★

そして今回が、台湾の金門島。

台湾といえば、右側の大きな島を思い浮かべると思いますが、「金門島」は左側、中国大陸のすぐ近くにマークされたピンのところにある小さな島。

拡大するとこんな感じ。リボン型なのが金門島、その左の小さい島が「小金門」という島で、金門島とは橋で結ばれており、どちらも台湾領です。
が、上部に白く表示されてる部分は(台湾ではなく)メインランドチャイナ(中国)の領土です。

中国と金門島の距離は約 2キロ、ふつうに肉眼で観ることができる距離です。(遠景に見える街が中国です)
 ↓

台湾の海岸には中国とドンパチやってたころの戦車が朽ちたまま放置されていたり。

中国軍の上陸を防ぐための鉄杭が多数残されていたりと、なかなかに異様な風景がたくさん残っています。

★★★

金門島は、台湾有事が起ればすぐに(すくなくとも外国人である日本人観光客なんて)お出入り禁止になる位置ですし、38度線も、韓国と北朝鮮の間で小競り合いがあったりすると、観光客の出入りはすぐにストップさせられます。

中朝国境も同じで、今なら日本人観光客も訪れられますが、緊張が高まれば簡単には行けなくなります。

そういう場所は「行けるときに行っておく!」のが鉄則で、

いずれも国際ニュースなどでよく映される場所でもあるので、有事をリアルに想定するためにはぜひ訪れたいと思っていた場所でした。

今回の金門島でようやくみっつコンプリートできたわけですが、今後も「ここは今、行っておかないと!」なところを中心に、ぜひ早めにどんどん訪れたいと思っています。



そんじゃーね


http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+shop/