Opportunity, Tool or Duty

縁あってセブ島で、英語学校に体験留学しています。寒くて花粉が舞う冬の東京から、明るく暖かいセブに移り、「やっぱり冬は南の島ですごすに限る」と実感。いろいろ「ひえー」なことはありつつも、楽しくすごしています。



今日、初めてのレッスンで先生が“ What is English to you ? ”という質問を投げかけてきました。

皆さんなら、この問いになんと答えるでしょう?


私はなにげなく“ It's a tool to communicate with people in other countries. ”と答えました。日本人としてはきわめて一般的な答えだと思います。

でもその後で、「今、世界中の人が、必死で英語の勉強を始めている」という内容について先生とディスカッションをしながら、ちきりんは「そうか、だから日本人はなかなか英語が巧くならないんだ」と理解しました。


今、中国でもインドでも、南米でも東南アジアでもロシアでも、多くの人が必死で英語を勉強し始めています。もし彼らに「あなたにとって、英語とは何か?」と問えば、“ communication tool ”だなどと答える人は、決して多くないでしょう。

最も多い答えはおそらく“ Opportunity ”であり、“ Chance ”だと思うのです。


彼らにとって英語ができるようになることは、今の生活とはレベルの違う、よりよい生活を手に入れられることに他なりません。

英語ができれば海外に行けるかもしれない、英語ができれば高い教育を受けられるかもしれない、英語ができれば病気の家族を病院につれていけるかもしれない、英語ができれば欲しかったあの服を買えるかもしれない。

英語ができれば・・・自分にもそういった生活ができるかもしれないのです。


私の答えた“ communication tool ”とは、なんと牧歌的な言葉でしょう。

自分と違う価値観の人、自分と異なる文化の人と話ができたら楽しいじゃん! ブログネタも見つかるかもしれないし、などと考えている私の脳天気さをそのままに表す回答です。

そこには「今とは違う生活を手に入れたい」という思いも、英語こそが、自分を違う世界に連れて行ってくれる魔法の鍵であるという認識もありません。

私は単に趣味として、ちょっとばかし視野を広めたいという好奇心のために英語をツールと考えているに過ぎないのです。



日本でも多くの人が英語を学び始め、自分の子供に英語を習わせる親も増えてきました。

そういう人たちに「あなたにとって英語は何ですか?」、「あなたが子供に英語を学ばせる意味はなんですか?」と聞いたら、どんな回答が多いのでしょう?


「最近は英語ができないと、会社でも肩身が狭いから」とか「英語ができないと将来、苦労しそうだから」と答える人も多そうです。

そういった言葉からは、英語を学ぶことを“ Duty ”と捉える人の姿が浮かび上がります。

英語を学ぶことは必須であり、義務であり、やらなくてはならないことであり、できないと困るから学ばせる、できないと苦労するから習わせる、のだとしたら、それは“ Duty ”です。

英語に限らず“ Duty ”だと思っている人が、“ Opportunity ”だと思っている人より、巧くできたり上達したりすることはありません。“ Tool ”だなどと、冷めた見方をしている人も同じです。


このページに掲載している写真は、この英語学校の食堂の食事です。

長くいる生徒さんに聞くと「ちきりんさんが来ることになったからか、先週から急に内容がよくなりました!」とのこと。それは何よりです。



確かに私には十分に美味しい食事です。もちろん日本で食べているものに比べれば、かなり質素ではあります。この食事を「すばらしい」と思うか、「まあまあ」と思うか、「ひどいな」と思うかには、個人差があるでしょう。

「自分の子供に英語くらいは習得させたい」と思っている親御さんは、こういう食事を数ヶ月食べ続けながら、自分の子供が長期にわたってフィリピンで英語を勉強することになったら、どう思われるでしょう?

かわいそうだと思いますか?不憫に思いますか?それとも「うちの子にはこれなら十分!」と思われるでしょうか。ちなみに下記は併設の宿泊施設のベッドです。



「あなたにとって英語とは何か?」と聞かれた時、“ Duty ”だと答える人にとっては、これはつらい環境かもしれません。

でも英語の習得が“ Opportunity ”であると即答する人達にとっては、こんな食事が一日3回きっちり用意される環境で英語を学べるなんて、すごく恵まれていると感じることでしょう。


「英語を学ぶことは大きなチャンスよ!」と、ごく当然のように言うフィリピン人の先生と話しながら、日本ではいったいどれくらいの人がこの質問に「英語はチャンスです!」、「英語は人生の機会への扉!」と即答するだろうと考えました。


もしも「英語はあなたにとって何か?」という質問への自分の答えが、迷うことなく" Opportunity ”であり“ Chance ”であったなら、何も心配することはないでしょう。そういう人たちは程なく英語をマスターし、望む機会を手に入れるはずです。


「英語は異なる価値観をもつ人たちとのコミュニケーションツールだ」などと、悠長なことを言っているバブル世代など放っておけばいいのです。


若者よ、チャンスをつかみましょう。

英語をマスターして、日本語だけの世界に生きていたら決して手に入れることができない、大きな機会をモノにするのです。



「あなたにとって英語とはなんですか?」
" What is English to you ? "



そんじゃーね