いよいよ年末ですねー。
お正月休みの間に来年の目標を考えよう!という方も多いでしょう。そういう方に、ちきりんからの提案です。
来年の目標は、「今年は○○をやる!」ではなく、「今年は○○をやらない!」という形で決めてみてはいかがでしょう?
ビジネスの戦略本には「戦略とは、やらないことを決めること」という趣旨の記述がよくあります。
やらないことを明確にしておかないと、結局は「アレも大事、これも大事、おっと、こっちも忘れちゃならない」みたいになり、結局すべてやることになります。その結果、何もかも中途半端になってしまうのです。
やらないことを決めるのは、ビジネスだけでなく、ほぼすべての組織、そして個人にとって有用な目標の立て方です。
だってね。
私たち人間にとって、最も平等に与えられているのは時間です。
お金や能力、容姿の良し悪しはもちろん、環境も、更に言えば健康状態でさえ、かならずしも平等ではありません。でも、時間だけはみんな一日 24時間しか持っていません。
特に(年をとってからの健康な時間(&人生の長さ)はお金で買える一面もありますが)、若い頃の時間は誰にとっても同じだけしかありません。
元気で健康な 20代、そして 30代は、みんな 10年しか持ってないのです。
そうであれば、自分の時間を何に使うかが、人生において最も重要な判断事項です。
そして時間を有効に使うためには、やらないことを決めるのが一番いい方法なのです。
★★★
ビジネスであれば、「アジア市場には出るけど、欧米には進出しない」と決めたり、「インフラビジネスはやるけど、個別商品は売らない」と決めることができるでしょう。
NPOが「うちは片親家庭を支援する」と決めたなら、それは、貧困状態であっても、両親が揃っている家庭は支援対象とはしないということです。
個人でも、「仕事も子育てもするけど、家事はやらない。人に任せる」などと決めないと、全部やっていたら、そのうち回らなくなります。
やらないことを決めずに長く無理をしていると、体を壊したり心を壊したり、最後には人間関係を壊してしまうこともあります。
特にまじめな人ほど“やるべきこと”から手を付けようとするので、時間の制約がある中で全部やろうとすると結局“やりたいこと”は何一つできず、“やるべきこと”だけで、人生が埋められてしまいます。
来年は、「これはやらない!」 ということを決めましょう。
そして家族や友人や部下に、「あたしは、もう今年はコレをやらない!」って、宣言しちゃうのです。
勇気をもって先制通告!
あたしはもう○○をしない! と。
ちなみに、私の「しないこと」目標は下記。
1.身勝手なメールには返事をしない
2.月に2つ(最大)しか、新しい依頼は受けない
3.新しい本の企画は(来年中は)一切受けない