プラド美術館

プラド美術館展に行ってきました。

81点も運んできていて、なかなかの内容でした。平日だからすいてるし。ご存じ、マドリッドにあるプラド美術館。本物はすごいです。ちきりんは、美術館、博物館フリークで、あちこちで訪ねますが、一番インパクトがあると思ったのが、このプラド美術館です。

今日行った東京都美術館も悪くはないのですが、プラド美術館を始めヨーロッパの美術館の大半は昔の宮殿だ。だから、まず天井が高いんだよね。そして、壁も天井も床も「舞台」として装飾されている。本当ならああいうところで見たいよね、と思う。


雰囲気と見やすさは違う。今日の都美術館の方がひとつひとつの作品をきちんと見ることができる。細かい技法とか筆遣いとか。プラド美術館は超暗いのだ。昔の宮殿て電気がないのよ。日暮れになると「係の人が」蝋燭とかランプをつけてまわるわけだから。それも天井じゃなくて、壁際の蝋燭をともして回る。宮殿は暗い。高い天井。細長い窓。

宮殿て廊下がないことが多い。総ての部屋が「部屋で」つながっている。小さな部屋は「つなぎの間」とか「控えの間」とか言われる。そういう部屋をずうううっっと通って、あれっ?と思うと大きな部屋がある。大きな部屋ほど暗い。奥まで光がとどかないから。

プラド美術館って、そういう宮殿だ。


その中に、「闇と光」を中心技法とした絵画がならんでいる。しかも、ものすごい数だ。そうか、昔は、大英帝国のまだずっと前に、スペインは無敵艦隊を持つ世界の覇者だったんだよね。

しかもプラド美術館って、ルーブル美術館とかと違って人が少ない。観光客の数が圧倒的に少ない。ちきりんは何度も、広い暗い部屋で、ゴヤやベラスケスの巨大な絵の前で、たったひとりの観客になった。迷いそうで怖い。そんな美術館だ。今はもう少し混んでいるのだろうか?しかも開館時間が短い。昼休みに数時間閉めるんだもの。スペインタイム。スペインも公務員の強い働かない国だからね。商売っけも全然ないよ。「あら誰か来たの?じゃあ、見て行けば?」って感じ。



スペインは光の国だけれど、プラドの中には闇がある。
それは収蔵品の技法と全く同じコントラストをなしていて、美術館から街に出てきた時、まるで魔法の国に迷い込んで出てきたかのように感じたのを覚えてる。




また明日。