あらたな新聞の効用

会社にいかなくなって毎日が何曜日かよくわからない。日付もよくわからないのだが、ブログの「記事を書く」というボタンをクリックすると、記事を書く画面とその日の日付がでてくるので、それをみて「ああ、○日かあ」とわかる。でも、そこには曜日は表示されないのよね。

と、高齢一人暮らしの人に言ってみたら「だから新聞をとっているの」といわれた。なるほど、新聞てそういう意味があるのね。と思っていたら、続けて言われた。「それに新聞をとっていると、孤独死した時にある程度の日数で見つけてもらえるしね」と。

おー、その効用は大きそう。たしかに毎日新聞を取り入れている人が、ぱったりと新聞をポストからとりいれなくなったら1週間もしないうちに新聞配達の人→管理人、もしくは警察、って感じで連絡がいきそうだ。

そういう用途で考えると月に4000円は悪くない。たいていのセキュリティシステムや高齢者用通報システムってのは月額それくらいはしてそうだもんね。機器設備の設置などが必要なセキュリティシステムに申し込むより新聞のほうが手軽だし。


新聞社も開き直ってその辺を営業トークに使ったらどうだろう?「田舎の親御さんに新聞を購読してもらいましょう!なにかの時に3日、新聞がとりいれられなかったらあらかじめお預かりしておいたあなたの電話番号にご連絡いたします!」みたいな。


広告は、こんな感じ

新聞購読は安心のしるし!
・日付連絡機能と
・孤独死早期発見機能で、
月たったの4000円!


でも、今のロスジェネ&それ以下の年代の場合、自分が高齢者になった時、宅配する新聞社が残ってない可能性もあるでしょ。でも大丈夫、その頃になれば「毎日、市役所からメールが届く」みたいなことになってると思う。


「生きてますか?」
ってなメールが。


で、その下には
「生きてる」
「なんとか生きてる」
「ハラ減った」
というボタン。


「死んでる」なんてボタンはありません。そんなんクリックされても絶対いたずらなので。あと、「ハラ減った」を押しても助けにきてくれるわけではないです。「まだまだ余裕あるな」って判断されるだけ。

テキストだけだと味気ないなら、アニメでキャラを選んで、自分が選んだ娘(もしくはイケメンキャラ)が「今日も生きてる?」とかかわいい声で聞いてくれる、というバージョンもあり。その場合は月300円の追加料金が発生します。


で、毎日そのメールに返信する。市役所はその返信を毎日チェックする。クリックされなくなったら(その頃にはすっかりスマートグリッド化されている)電気や水道の使用をチェックして「ありゃ、メール返信も止まったし、水道も電気も使われない・・」となると、誰かを派遣して孤独死してないか調べにいく、みたいなね。

もちろん調べにくるのは「市役所が雇った非正規雇用の職員」です。その頃には既に人口の7割くらいが非正規雇用なので。


あと、「弁当毎日宅配」とかも同じような機能として使える。セブンイレブンとか最近は高齢者向けにいろいろ工夫やCMを始めてるけど、「毎日一食はセブンイレブンで受け取る」(もしくは宅配する)、お金は代引きか月ぎめで(でも引き落としではなく)払ってもらうというような契約をしていれば、突然受け取りに来なくなったり、宅配時に応答しなくなったら、なんらか対応が必要になる。

てか、コンビニだと市役所や新聞社より商売っ気があるから、動きがとまった時の通報だけでなく、いろんな付加価値をくっつけて料金体系を整えたりするんじゃないかな。そしてヤマト運輸や(ヤマト運輸が新サービスを始めると内容はなんであれ必ず真似をする)郵便局も同じようなサービスを始めるかもだ。そしたら田舎にも行き届く。


親と子供夫婦が同居するケースは急激に減っているし、配偶者を亡くしてからも子供と同居したり施設に入らず自宅で暮らす高齢者も増えている。離婚・未婚で単身の人も増える。高齢一人暮らしは急速に増えるだろう。

今は民生委員が回っていたり、マンションの管理人が適宜気にかけたりしてるみたいだけど、そんなので追いつくはずがない。というわけで、このあたりのビジネスは結構流行るだろうとちきりんは睨んでる。


とりあえず新聞にとっては、「あらたな生きる道」が見つかってよかったじゃん。


そんじゃーねー