未来の働き方アンケート (002) 結果サマリー 2/2

働き方に関する 2回目のアンケートについて、前回は、全回答の分布を円グラフで表しましたが、今回は年齢別に集計してみました。

そしたら、けっこー衝撃的な結果がでました。

Ｑ１）今の仕事が好きですか？　楽しいですか？

全回答者の集計結果が、この円グラフだったわけですが・・

年齢別に集計するとこうなりました↓

なんと仕事への満足度には、20代と50代以上でかなりの差があるんです。

50代以上の人が今の仕事にこんなに満足してるなんて意外でしたね。ってか、やっぱり20代って悩める年齢だってことでしょうか。

20代だと、新卒で就職した会社に「なんか違うな」と思いつつ、まだ動かずに居続けてる人も多そうですもんね。転職の増える30代ではかなり満足度が上がっているので、やっぱりみんな、年齢を経るごとに「楽しい仕事、好きな仕事」に近づいてるのかもしれません。

このデータ、もし50代だけドーンと満足度が上がってるなら、「人生終盤になって、まあ仕事なんてこんなものだと諦め始めたのでは？」という解釈もできますが、30代から順次上がっていくんだから、そういう話でもなさそう。

また、「好きでもないし楽しくもない」とか「かなり不満。つまらない仕事だ」というネガティブな回答が減って、その分、中庸の回答が増えてるならともかく、「大好きな仕事であり、とても楽しい」という積極的な回答がここまで増える（20代と50代でダブルスコアの差）理由が、「加齢とともに人生に諦めを感じ始めたから」とは、ちょっと思えません。

ふむー。これは、おもしろいです。

Ｑ２）「私は、こういう仕事（もしくは、働き方）がしたい！」という具体的なイメージをもっていますか？

働いている人、全体の回答がこれ。（前回、一時アップしていた円グラフのデータに間違いがあったので修正しています）

下記の通り、こちらも年齢があがるごとに、「自分のやりたい仕事や働き方」が明確になる人が増えてゆきます。というか、「そんなの、よくわからない」という人が、急速に減っていく感じですかね。
実はこのあたりは、『未来の働き方を考えよう』に書いた通りの結果でもあるんだけど、ちゃんと数字で表れると結構インパクトあります。

このように、20代では 4割の人が「やりたい仕事や働き方の具体的イメージはない」のであり、その回答が20代では一番多いのだから、若い時はそんなのわからなくて普通ってことなんだよね。

Ｑ３）あなたは（自分の人生において）何がやりたいの？　と問われたら・・・

全回答者はこんな感じでした。

年代別はこちら

これもまったく同じ傾向ですね。年齢があがるほど、人生で何がやりたいか、見え始める。このあたりまでくると、「年齢があがると、みんな自分の身の丈を知るから不満が少なくなる」という話では説明できません。

この3番目の質問の答えなんて、「身の丈を知る」「現実の厳しさを知る」「人生こんなもんだと諦める」みたいなことで、回答が変わったりしないでしょ？

やっぱり「働きながら、試行錯誤しながら、時間をかけて、自分は人生で何をやりたいのか、ということがわかっている人が増えていく」と解釈すべきでしょう。

というわけで、20代では「やりたいことが明確にいえる」という人は、50代以上でそう言える人の半分しかいません。

さらに、同じ20代の中だけで比べても、「やりたいことが明確な人」に比べ、「やりたいことを明確にしたいけど、今はわからない」という人が、倍近く存在しています。

同世代の中だけで話していれば、何かを見つけた人はまだまだ少数派、というのが、20代のみなさんの実感とも合っているんじゃないでしょうか？

どうですか、この結果？

前回の結果を発表した時、ツイッターで「そんなにたくさんの人が、人生でやりたいことがわかっているなんてびっくり！」、「みんなポジティブすぎる！」という驚きの声がたくさん寄せられていました。

あの時、驚いていた方はみんな若い人だったんじゃないでしょうか？

実は私は最初のエントリを書いたときから、年代別の回答にバラつきがあることに気が付いていました。だから前回の「ちきりん読者、すげー！」という結論は、（そうではないと半分わかってて）書いたものだったんです。隠したとか嘘をついたというより、あくまで、あの日に示した全体回答だけをみれば、そういう話になるというコメントでした。

こうやって年代別のデータをみれば、そこにはもっと（かなり？）深い意味があるような気もしてきます。

日本の50代以上が（といっても、「ちきりんブログ読者の50代以上」ですが）、20代と比べてここまで仕事・働き方に関してポジティブであるというのは、いったいどういう意味なのか。みなさんもぜひ一緒に考えてみてください。

8月には、この辺の結果についての意見もあわせ、ツイッター上で、第二回のSocial Book Reading with CHIKIRIN　を開催したいと思います。お楽しみに。

そんじゃーね

新著もよろしく！