移動中の映画・雑誌

着いた。


飛行機の中でみた映画は「メトロ(地下鉄)に乗って」。これは予想外によかったです。

ちきりんがいつも使っている地下鉄永田町駅がタイムマシンへの入り口になっていて、そこを通ると、自分が子供だった時代(昭和39年、オリンピック年)や、父親が若かった時代(戦中)に戻ることができる。

その中で、自分の父親の生き様を見て、すごい毛嫌いしていた父親を理解していく、という物語。その父親の生き様ってのも、「生き様」というほどのものではなくて、戦中、戦後を生き抜いた人なら、まあ、いろいろあるでしょう、という程度のもの。

なんだけど、それを見て、自分だって子供から見ればなんの憂いもない馬鹿な親父かもしれないけど、実はいろいろあるじゃん、と。だったら、親父にだって、おふくろにだって、いろいろあったはずじゃん、と。そういう普通のことが理解できるようになっている。

傾向として「私はいろいろある」けど「周りの人はなんも考えてない」とか、「俺はいろいろある」のに「周りの人はわかってくれない」的な思考の人にあっている映画だと思った。「みんな」「いろいろあるのだ」とわかる。

涙腺弱いちきりん、ずっとぐじゅぐじゅになりながら観てました。本当によい映画だったよ!


地下鉄(メトロ)に乗って THXスタンダード・エディション [DVD]

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★★★

もうひとつ、久しぶりにSPA!熟読。SPA!って超適当な記事が多いのだが、センスがいいのだわ。今回うまいな〜と思ったのは、「非正社員の中の格差」と。正社員と非正社員ではなくて、非正社員の中に、収入やスキルや希望の面でいろいろ格差があるという話。なかなかいいセンスの記事でした。


加えて、対談ページで「“夢”を禁止にしろ」という発言もあり、これも超おしゃれで、的確にポイントをついていて素敵な発言だと思った。

趣旨としては・・・あの妹を殺した歯学部の浪人生は「お兄ちゃんは夢がないね」と言われて激怒していた、という話を引きながら、同じような事件がいろいろあるでしょ、と。でも実は「夢なんてなくていいじゃん」と。夢がない人生はまるで罪悪のように受け止められるのはおかしいでしょう、という趣旨です。

これ、ちきりんもそー思う。


やたらと「夢はなんだ?」とか聞く人、勘弁してほしい。「夢を持たなくちゃ!」とか説教する人もヤダ。

悩んでいる若者に「おまえの夢はなんだ?」と聞くのって、そろそろ「犯罪」として構成した方がいいんじゃないか?とさえ思う。

人生に生きること以外の「意味合い」を求め、その「意味合いの強弱」によって人生をランクづけるような思想(充実した人生、とかね)は、病気の思想だと思う。


まっ、というわけで、SPA!とちきりんは感性が合う。なんでだ?全然ターゲット層と違うんだけどね。


そんじゃあね。