海外に行ったときは、下記のようなことを見てきます。
(1) どこか日本企業で有望なところはないかしら?
(2) この国の将来性は?
(3) 為替は妥当?
まず最初の (1) について
正直、「あかん」というのが結論です。
これね〜、今までのどの旅行よりも「あかん」と感じました。
最近、日本企業は業績は好調ですが、大半の輸出型メーカーの調子がいいのは円安のおかげであって、商品力、企業力のおかげではありません。
まず「がっくり」なのは携帯電話。
これどの国も同じことが起こっているよね。
どの国も、他の消費が携帯電話に取られてしまってる。
日本ではここ 10年以上、情報通信費、すなわち携帯電話代とネット代に消費が奪われて、本や映画などの娯楽はもちろん、衣類や家具に流れるお金も影響を受けてて、携帯一人勝ちの状況です。
この傾向が日本だけじゃないんだと最初に気がついたのは数年前に西安に行った時のこと。
家電量販店で、薄型テレビやゲーム機、他の白物家電の売り場とくらべ、携帯売り場はぜんぜん人の密度が違う。激混みだったから。
しかも皆、すごい真剣なまなざしで携帯を選んでる。
彼らにとって決して安くない携帯を。
そしてそれは今回も同じでした。
携帯売り場はデジカメやテレビやの売り場に較べて人が多く皆真剣。
そして、ほぼ全てが日本製というデジカメ売り場と較べ、ご存じの人はご存じ、携帯売り場には純粋な日本の製品はゼロです。
ゼロ。これには毎回、情けなくなる。
こんな日本に誰がした?
自戒を込めて反省しましょう。
★★★
と、携帯に関しては「世界のどこもかしこも」日本メーカー悲惨な状況ですが、実は今回、一番得意なはずの家電も全然だめなのね、と思いました。
あたしが海外旅行を始めた頃、どの国に行っても(日本メーカーを閉め出してた韓国以外)、家電売り場の中心はソニーでありパナソニックであり東芝・日立であり、アイワ、ビクターなどなど・・・でした。
でも 10年くらい前から、発展途上国で日本のメーカーのシェアが目に見えて減りました。
ソニーだけは相変わらず海外で人気が高いけど、代わりに売り場の中心を占め始めたのが韓国製品です。
最初に気がついたのは多分 5-6年前に行った、ペルーのリマの家電売り場でした。
でも、その時に私が考えたのは「まだ所得が低いから、ソニーやパナソニックは買えないのね。だからサムソンやLG商品なんだな」ということでした。
んが!
今回サンパウロで、はっきりわかりました。
お金がないからではない。韓国家電のほうが売れてるんだ! と。
今や「世界の家電はLG」になりつつあるんです。
特にLGのプレゼンスの拡大はすごいものがありました。
アメリカン航空のダラスのラウンジの飛行機の予定を示すスクリーンも、
泊まったホテルの部屋のテレビもLG製。
そしてサンパウロの美術館の説明用スクリーンもLG。
儲かってるのかどーかは知りませんがとにかく市場は押さえてる。
★★★
これはスーパーの棚でも同じ。
私は中国でも南米でも必ずスーパーのシャンプと洗剤売り場をチェックします。
「花王はどうよ?」とね。
なんだけど、
全然だめですね。
ほんと。花王は海外戦略がうまくいくかどうかが「大人になれるか」の最大のチャレンジ。
なのに、相変わらずダメダメすぎる。
南米は遠いけど、まずは中国、と考えても、西安のスーパーでさえまだまだだった。
ふーむです。
★★★
何が「あかん」のかというと、「世界の売れ筋」が作れないのだよね。日本のメーカー。
日本のニッチなこだわりの強い、すごく特殊な消費者に振り回されて、世界で何億個も売れる商品が作れない。
この前テレビで「日本の携帯の色がおしゃれで、その色を出すのにすごい苦労があるのだ」みたいな特集をしてましたけど。
ああいうどうでもいいことにこだわるから世界で売れない。
世界の「中産階級人口」は爆発的に増えている。
その中で、日本人のシェアは圧倒的に小さくなりつつある。
できれば日本株から利益あげたい私ですが、やっぱ今年も海外株中心でいくだすよ。
それが結論。