裁判所の記憶

ちきりんは小学生の時、裁判を見に行ったことがあるのですが、それがとても興味深い体験で、今でもビビッドに覚えています。

裁判の判決言い渡しの日だったのですが、9月から禁固 3ヶ月を言い渡された被告人が裁判官に「え〜、3ヶ月では年越しできん。裁判官さん、できれば春になるまで半年くらい入れておいて欲しいんやけど。1月なんかに出されたら寒いし、食べるもんもないし」と言ったんです。

これにはマジで驚きました。「え〜、暖かいご飯たべたいから冬の間牢屋に入れてくれって頼む人がこの世の中にいるんだ〜!」と。


一般人が裁判に参加することの意義には、司法判断に一般人の多様な視点を持ち込むことの意義とともに、裁判に参加することで一般人も、世の中の様々な価値観や事象を知ることができる、という面もあると思います。誰だって自分の回りにいる人だけが世の中だと思いがちですから。

たとえば生活保護を受けている人は、今や日本人の 100人に一人以上の割合です。ということは、知り合いが 100人いれば、そのうち一人は生活保護で暮らしていて当たり前です。

でも、自分の知り合いの中にそういう人はいない、という人もたくさんいますよね。それはなぜかといえば、保護を受けている人がどこかに集中して存在しているからです。

実際の社会は多様な人で構成されています。身近には存在しないけれど、社会のいろんなものを見聞きしたり、実際に触れあうことは、個々人が“社会人=社会の人”としての視点を形成していくためにも意義深いことと思います。


また明日〜