武士、軍人、官僚

江戸時代の人に、「明治時代から後の時代、日本には武士がいないんですよ」って教えてあげても、誰も信じないと思う。

何百年もの間、武士は日本の支配階級だった。江戸末期にもなれば、経済的には恵まれてないけれど、それでも世の中を動かしているのは武士だった。

幕府にしても藩にしても、出世して政治を動かすのは武士であり、いくらお金があっても商人なんてたかだか一般人。間接的に武士に影響を与えるべく、せっせと袖の下を渡すくらいのことしかできなった。社会を動かしていたのは武士なんだよね。

その「武士」という職業というか階級が丸ごと無くなってしまうなんて、当時の人には考えられないことだったと思う。まさかそんなことが起こるとは夢にも思わなかったでしょう。

でもそれは本当に起こった。武士はいなくなった。



明治以来に生まれて1945年までに亡くなった、明治や大正時代の日本人に、「今の日本には軍人さんはいないんですよ」って教えてあげても、多分信じないんじゃないかな。明治維新以降敗戦まで、軍人は日本の支配階級だったし、優秀な人たちがこぞって目指す職業だった。

お見合い市場でも大人気で、資産家や“いい家”のお嬢さんが結婚したがった。必ずしも経済的に恵まれていたわけじゃないけれど、軍人には他の人にはない権限や社会的な地位があったからね。坂の上の雲の世界をみればわかるように、あの当時、国を動かす意思と志をもっているのは軍人だったんだよね。

その「軍人」という職業というか階級がなくなってしまうなんて、当時の人には考えられないことだったと思う。まさかそんなことが起こるとは夢にも思わなかったでしょう。

でもそれは本当に起こった。今や日本にあの頃の意味での軍人はいない。

自衛隊があるじゃないかというかもしれないけど、彼らの本業は災害復旧です。いまだに紛争地帯に送られても、武器ひとつ使用できない。他国の軍隊に守ってもらわなければならないのだから。



武士と軍人にはいろいろ共通点がある。

(1)当時の社会の支配層であり、もっとも優秀な人たちだった。エリートと呼ばれる層だった。

(2)経済的に一番裕福なわけでも、給与が高いわけでもなかった。金銭的な動機で動く人たちじゃなかったということ。

(3)しかし、社会的地位があり、尊敬されていた

(4)実際に社会を動かす組織の中枢にいて、様々な政策を決めていた




何が言いたいんだって?


時代は変わるよね。ってことです。

後はエントリのタイトルをご覧ください。


そんじゃーね。